あす相鉄・東急「新横浜線」が開業、工事と変化に耐えた港北区の10年超 | 横浜日吉新聞

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あす(2023年)3月18日(土)に開業する相鉄・東急「新横浜線」(相鉄・東急直通線)。建設工事の多くは港北区内で行われ、区民のなかには建設にともなう移転を強いられたり、騒音に悩まされたりといった時期もありました。開業までの歩みを年表としてまとめました。

港北区内の地下では3つのトンネルが掘削されてきた(2021年3月、綱島トンネル)

相鉄・東急「新横浜線」のうち、港北区内に建設された日吉駅から新横浜駅間では、日吉駅周辺で屋外の工事が行われ、新綱島駅の周辺では工事スペースを確保するための家屋移転も実施され、「新横浜トンネル」(新綱島駅~新横浜駅)は、大倉山駅周辺に広がる住宅街の真下を貫いています。「羽沢トンネル」(新横浜駅~羽沢横浜国大)も一部が港北区内です。

幹線道路の「環状2号線」が相次ぎ陥没するトラブルにも見舞われた(2020年6月、大豆戸町)

新横浜トンネルの掘削工事では、真上を通る環状2号線の路面が陥没し、「綱島トンネル」(日吉駅付近~新綱島駅)でも上部の道路で路面が盛り上がる現象も見られました。

計画が明らかになり、実施が固まってから10年超にわたる期間の港北区内での主な出来事について、年表として以下にまとめています。

相鉄・東急「新横浜線」開業までの年表

)[関連記事]の部分から「横浜日吉新聞」または「新横浜新聞~しんよこ新聞」の関連記事にリンクしています

2023(令和5)年~

  • 未完成:新横浜駅「9番」(新設)出入口
  • 未完成:新横浜駅前の「環状2号線」の規制解除と現状回復
  • 未完成:箕輪町3丁目から日吉本町1丁目(駅方面)へ抜ける歩行者専用通路(東横線沿い)
  • 未完成:新綱島駅の地上部における再開発
  • 3月18日:相鉄・東急「新横浜線」が開業関連記事
  • 3月:東急「新綱島駅」で初のテロ対応訓練を実施関連記事
  • 2月:相鉄・東急「新横浜駅」で初の災害対応訓練を実施関連記事

2022(令和4)年

試運転が始まると東急線にも相鉄の車両が現れるようになった(2023年3月、日吉駅)

  • 12月:「相鉄・東急直通線」の開業日を2023年3月18日(土)とすることを発表関連記事
  • 11月:「相鉄・東急直通線」のダイヤ概要を発表、日中は1時間あたり6本に関連記事1][関連記事2
  • 11月:相鉄・東急「新横浜駅」は相鉄と東急電鉄の2社で管理すると発表(※列車の運行管理などは東急電鉄が担当)関連記事
  • 10月頃:鉄道車両を走らせての「検査」を実施し、11月からは「試運転(訓練運転)」を開始関連記事
  • 8月:「相鉄・東急直通線」の運賃額を発表、日吉~新横浜間は片道250円に関連記事
  • 7月:日吉駅から羽沢横浜国大駅までの線路がつながり、新横浜駅で「レール締結式」を実施関連記事
  • 6月:新型コロナウイルス禍の影響で「神奈川東部方面線」の需要予測が当初と比べて3割減となり、新横浜~新綱島駅間の加算運賃が70円となる可能性があると横浜市会(市議会)で明かされる関連記事
  • 3月:箕輪町1丁目の綱島街道から同3丁目を結ぶ「日吉地下道」が完成、2016年に閉鎖された「日吉第1架道橋」の代替関連記事
  • 1月:「相鉄・東急直通線」の開業時期が2023年3月となることを発表関連記事

2021(令和3)年

  • 6月:JRTT鉄道・運輸機構は2020年2月に貫通した「羽沢トンネル」について、トンネルの底部と「道床」のずれを防止する鉄筋の一部で、施工不良の可能性があったことを公表関連記事
  • 4月:「綱島トンネル」の掘削機(シールド機)による掘削を終了。これで3本のトンネルで掘削機による工事を完了関連記事

2020(令和2)年

地域住民の協力と工事の苦労の末に掘り抜かれた新横浜トンネル(2021年4月)

  • 12月:綱島東1丁目に設けられる新駅(仮称「新綱島」)について、仮称と同じ「新綱島駅」とすることを東急電鉄が決定。駅名案公募の数で1位となった。2位は「綱島温泉」だった関連記事
  • 11月:相次ぐ道路陥没で約2.5カ月の工期遅延が発生していた「新横浜トンネル」が貫通関連記事
  • 10月:新綱島駅の地上部で地上29階・地下2階建ての再開発ビルを着工関連記事
  • 8月:綱島東1丁目に設けられる新駅(仮称「新綱島」)について、東急電鉄が港北区在住・在勤・在学者を対象に駅名案の公募を開始関連記事
  • 7月:「綱島トンネル」掘削中の地上部にあたる箕輪町3丁目付近の道路で路面の盛り上がりが発生関連記事
  • 6月12日・30日:「新横浜トンネル」掘削中の地上部にあたる環状2号線で道路陥没が相次ぎ発生、9月2日までの82日間にわたって道路交通規制を実施関連記事
  • 2月:羽沢横浜国大駅側から掘り進めていた「羽沢トンネル」が新横浜駅まで貫通

2019(令和元)年

2019年11月30日に羽沢横浜国大駅が開業した

  • 11月30日:「相鉄・JR直通線」が開業関連記事
  • 4月:横浜市都市整備局が新綱島駅などの再開発に関連し、「綱島駅東口周辺開発事務所」を開設関連記事
  • 1月:新綱島駅の再開発に関連し、綱島街道沿いに建つ9階建て39戸のマンション「モナーク綱島」(1984年完成)の解体を開始関連記事

2018(平成30)年

トンネル掘削に関する説明会の内容は一般人には若干難解なものもあった(2018年6月、港北公会堂で)

  • 12月頃:「新横浜トンネル」の掘削を新綱島駅側から新横浜駅に向かって開始
  • 12月:相鉄・東急直通線の名称を「相鉄新横浜線」「東急新横浜線」とすることを発表関連記事
  • 11月:新綱島駅の再開発を行う「市街地再開発組合」が設立祝賀会関連記事
  • 10月:新綱島駅の再開発に関連し、綱島温泉で最古の旅館と言われる「入船亭(入船旅館)」の建物跡が解体関連記事。また、綱島街道沿いの箕輪町1丁目では鉄道工事の影響で約半世紀の歴史を持つ読売新聞の販売店が移転関連記事
  • 6月:JRTT鉄道・運輸機構などが「新横浜トンネル」の掘削工事に関して港北公会堂で住民説明会を開催関連記事
  • 5月:JRTT鉄道・運輸機構などが「新横浜トンネル」の掘削工事に関して、主に樽町・大曽根地区の住民を対象に大曽根小学校で住民説明会を開催関連記事
  • 4月:新綱島駅の工事用地とするため綱島東1丁目の立体駐車場「新水パーキングセンター」(旧旅館)が解体関連記事
  • 1月:相鉄が「相鉄・東急直通線」向けの新型車両「20000系(2万系)」を公開関連記事

2017(平成29)年

日吉駅付近の工事では東横線の高架下に新横浜線のトンネル出入口を設ける大掛かりな内容だった(2017年3月、箕輪町付近)

  • 2月~3月:相鉄・東急直通線を通すため、箕輪町付近(日吉駅~綱島駅間)の東横線線路を外側へ切り替え関連記事
  • 2月:「綱島トンネル」(新綱島駅~箕輪町2丁目間)と「新横浜トンネル」の掘削工事拠点として使うため綱島東1丁目のゴルフ練習場「綱島ピーチゴルフセンター」が閉鎖関連記事

2016(平成28)年

土地収用に関する看板は工事予定地周辺に掲出され、容易には理解しづらい文面が小さな文字で記されていた(2016年9月、大倉山駅付近)

  • 12月:JRTT鉄道・運輸機構などが「新横浜トンネル」(新横浜駅~新綱島駅間)の住民説明会を港北公会堂で開催、大倉山周辺の住民からは不安の声も関連記事
  • 11月:相鉄・東急直通線工事に伴い箕輪町1丁目の綱島街道から同3丁目を結ぶ「日吉第1架道橋」を閉鎖(歩行者・自転車用の仮設通路を設置)関連記事
  • 7月~9月:相鉄・東急直通線工事に伴い日吉駅のホームを渋谷寄り40メートルほど先に移設関連記事
  • 8月:JRTT鉄道・運輸機構などは「2019年4月」としていた「相鉄・東急直通線」の開業時期を「2022年度下期」に見直しを発表。この頃の進捗率は予算ベースで30%にとどまっていたとされる関連記事1][関連記事2
  • 7月:JRTT鉄道・運輸機構は、新横浜トンネルの建設に際し、「土地収用法による手続きを開始する告示があった」旨の告知を大倉山3丁目や菊名7丁目、大豆戸町などに掲出。同トンネルの建設予定地の地上部は住宅街となっており、周辺住民らが強い懸念を示していた関連記事

2015(平成27)年

  • 9月頃:「綱島トンネル」(新綱島駅~箕輪町2丁目間)の準備工(仮設工事など)を開始
  • 3月頃:新綱島駅の杭工事や日吉駅付近(東横線脇)での各種工事を実施中、「羽沢トンネル」(羽沢横浜国大駅~新横浜駅間)で掘削の準備工を開始

2014(平成26)年

  • 1月頃:新綱島駅日吉地区の東横線高架下などで準備工(仮設工事など)を開始

2013(平成25)年

港北区内では各地域で住民向け説明会がたびたび行われてきた(2013年12月、日吉)

  • 12月:日吉地区の工事についてJRTT鉄道・運輸機構などが應義塾大学日吉キャンパス内の協生館「藤原洋記念ホール」で説明会を開催
  • 10月:JRTT鉄道・運輸機構などが新横浜駅付近の工事ヤードで安全祈願を実施、同年12月から環状2号線で車線規制を開始

2012(平成24)年

  • 10月:横浜市が「相鉄・東急直通線」(開業時期:2019年4月)の都市計画決定。以後、JRTT鉄道・運輸機構が駅や工事用地の取得を開始

2011(平成23)年

  • 6月:横浜市が「相鉄・東急直通線」の都市計画決定へ向け、羽沢小学校、横浜ラポール、綱島地区センター、日吉台中学校、港北公会堂で住民説明会を実施

2006(平成18)年

  • 6月:都市鉄道等利便増進法に基づき、JRTT鉄道・運輸機構が申請していた「相鉄・JR直通線」(2.7キロ)と「相鉄・東急直通線」(約10キロ)の整備構想などを国土交通省が認定

2000(平成12)年

運輸政策審議会の答申(第18号)では神奈川東部方面線は大倉山で東横線と接続することになっていたが、その後の計画によって大倉山には駅もできず、住宅街をトンネルが貫くだけになってしまった(2000(平成12)年1月運輸政策審議会答申第18号「東京圏における高速鉄道に関する基本計画について」より)

  • 1月:運輸省(現国土交通省)の運輸政策審議会(現交通政策審議会)が答申(第18号)のなかで「2015(平成27)年度」を目標年次として「神奈川東部方面線(仮称)」(二俣川~新横浜~大倉山、※大倉山駅において東京急行電鉄東横線と相互直通運転を行う)を「目標年次までに開業することが適当である路線」として盛り込む

1985(昭和60)年

  • 7月:運輸政策審議会が答申(第7号)のなかで、「昭和75年度(2000年)」を目標年次として「二俣川から新横浜を経て大倉山・川崎方面へ至る路線」(二俣川~鶴ヶ峰~上菅田町~新横浜~大倉山/新横浜~下末吉など)の整備計画を盛り込む

(年表は以上です)

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

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