【沿線レポート】相鉄線直通、急行「湘南台行」がまいります――日吉や新綱島、帰宅時の都心駅でも聞くことが増えてきた“湘南台”という駅名ですが、藤沢市にある同駅の一つ手前、ぎりぎり横浜市内の「ゆめが丘駅」で近年行われてきた一大開発がきょう(2024年)7月25日に大きな転機を迎えます。
横浜の北端部にある日吉と西端の泉区に位置するゆめが丘は、同じ市内にありながら関係性も交流もほとんど見られませんでしたが、昨年(2023年)3月に「相鉄・東急新横浜線」が開業したことで、直通列車が毎時間行き交う環境に一変しています。
新横浜線の急行で日吉駅から約40分(約25キロ)でアクセスが可能となったゆめが丘は、近年まで駅前に農地と未利用地が広がる“何もない駅”として知られていました。
それが相鉄・東急新横浜線と相鉄・JR直通線の建設が決まったことで、駅前の東京ドーム約5個分に相当する土地を使った開発が加速。
その中心的な存在となる大型商業施設「ゆめが丘ソラトス」がきょう7月25日のオープンにこぎ着けました。
相鉄グループによるこの商業施設は、スーパー「そうてつローゼン」をはじめ、飲食店街の「SORATOS DINING(ソラトスダイニング)」やフードコート「FOOD STATION(フードステーション)」、東急グループの映画館「109シネマズ」など約130のテナントを揃えます。
何もなかった駅前のまちづくりの中心的な存在として、「みんなで作りあげ、アップデートしていく地域共創型施設」(相鉄グループ)というコンセプトを掲げているのが特徴で、ゆめが丘ならではのテナントや地域向け施設も目立ちます。
たとえば、テナントでは「オーガスタミルクファーム(Augusta MilkFarm)」は瀬谷区にある相澤良(あいざわりょう)牧場の直営店で、同牧場の牛乳を使ったスイーツ類を販売。
「グーグーゆめがおか(gout gout YUMEGAOKA)」は神奈川県産の小麦を使ったパンなどを扱い、「ヤード(YYYard)」は地元産の青果を揃えます。クラフトビールを醸造する「YUMEGAOKA SUNDAY BREWING(ユメガオカ・サンデー・ブルーイング)」も見逃せない店舗です。
地域向けの施設としては、食を通じた交流スペースとなる「ライブキッチンソラトス(Live Kitchen SORATOS)」や、施設内の目立つ場所に位置する2つの交流スペース「ソラトスルーム(SORATOS Room)」を設置。
最大の目玉となるのが屋上部に設けられた約3000平方メートルにおよぶ広場「そうにゃんぱーく」で、相鉄のキャラクター「そうにゃん」をモチーフとした遊具を揃え、無料で利用が可能です。
ソラトスは、そうにゃんぱーくをはじめ、子育て世帯を意識したテナントや施設が目立ち、「109シネマズ」にはキッズ向けシアター「KIDS CINEMA(キッズシネマ)」が常設され、3階にはアミューズメントパーク「ASOBLE(アソブル)」も入りました。
また、すべてのトイレにキッズトイレ・ベビー休憩室・授乳室を完備し、フードコートにも64席のキッズスペースを設けます。
駅の真横にある環境を生かし、電車と駅を一望できる屋外スペースも設置され、周辺には高い建物が見当たらないため、空気が澄んだ日にはここから富士山を眺めることもできそうです。
「ゆめが丘の広大な空」をイメージして名付けられたというソラトスゆめが丘。日吉や新綱島から少し距離はありますが、電車一本で直通できる場所でもあるため、夏休みの小さな行楽の場所として訪れてみてはいかがでしょうか。
なお、至近には横浜市営地下鉄ブルーラインの下飯田駅もあり、こちらの駅を使うことも可能です。
【関連記事】
・農地が広がる駅前で一大開発、激変する相鉄「ゆめが丘」の四半世紀(2024年2月12日、これまでの歴史)
【参考リンク】
・ゆめが丘ソラトス(相鉄いずみ野線「ゆめが丘」駅前、2024年7月25日オープン)
・「ゆめが丘ソラトス」2024年7月25日(木)開業決定!(株式会社相鉄アーバンクリエイツ/株式会社相鉄ビルマネジメント、2024年5月21日)
・ゆめが丘ソラトスのフロアガイド(テナント一覧)