<相鉄直通線>当初の需要予測から3割減を想定、加算運賃の上昇も

横浜日吉新聞

相鉄・東急直通線(新横浜線)などの「神奈川東部方面線」の需要予測が当初と比べて3割減っており、新横浜駅と新綱島駅間では普通運賃に最大で70円の加算運賃が設定される可能性もあるといいます。きのう(2022年)5月31日に開かれた横浜市会(市議会)の「建築・都市整備・道路委員会」で市側が明かしました。

相鉄・東急直通線(新横浜線)を走る予定の東急(左)と相鉄の車両

同委員会に所属する福地茂(港北区選出、自民党・無所属の会)、梶村充(泉区選出、同)、井上さくら(鶴見区選出、無所属クラブ)の3市議による質問に市側が答えたものです。

都市整備局によると、事業者側が新たな将来人口推計で需要予測を算出したところ、相鉄沿線である市内西部の旭区や泉区、瀬谷区で当初より1割ほど減っていたうえ、新型コロナウイルス禍の影響で2割ほど鉄道需要が減る予測となり、あわせて約3割の需要減が想定される結果になったといいます。

2019年11月に開業した羽沢横浜国大駅も当初想定より乗降客数が少ない状態が続いている(2022年4月)

そのため、神奈川東部方面線の建設を担当するJRTT鉄道・運輸機構と、建設費を「施設使用料」としてJRTT鉄道・運輸機構に返還(償還)しながら鉄道を運行する相鉄(相模鉄道)と東急電鉄の3者は、話し合いのうえで施設使用料の変更を計画。

現時点で年間60億3700万円に設定していた使用料を、2023年度は15億2300万円、24年度が27億800万円、25年度には38億9300万円、26年度以降は56億7100万円に“減額”したうえで、支払い期間を当初の33年から34年間に延長。JRTT鉄道・運輸機構の借り入れ金利が圧縮でき、金額の調整が可能になったとのことです。

なお、2026年度以降に支払う形となる年額56億7100万円内訳は、「相鉄・JR直通線」の使用料分が15億1500万円、「相鉄・東急直通線」分が41億5600万円。このうち、相鉄・東急直通線分では相鉄が16億7700万円、東急は24億7900万円をそれぞれ支払う予定だといいます。

新横浜~新綱島は70円加算も想定

新横浜線の「綱島トンネル」出入口にはすでに架線が張られている。左側が新綱島方面、右側が日吉方面、真中の赤い電車が置かれている線路は日吉駅発着用の行き止まり線(日吉駅、2022年5月)

一方、来年3月に開業する相鉄・東急直通線の運賃については、鉄道事業者(相鉄・東急)が独自に決めて今後国から認可を受けることになる予定ですが、施設使用料を34年間にわたって支払い続けなければならないことから、すでに相鉄・JR直通線では相鉄が普通運賃額に30円を加える「加算運賃」を設定しています。

都市整備局の堀田和宏局長は、相鉄・東急直通線について「羽沢横浜国大駅から新横浜駅までの加算運賃は当初30円と想定していたものを40円に、新横浜駅と新綱島駅間は当初の20円が70円になるというようなことを上限として、これから運賃を考えていくと(事業者から)聞いている」と明かしました。

市は事業者に対し、「市民が利用しやすい運賃設定につとめるとともに、開業後においても利用状況に応じて柔軟に運賃設定等を検討すること」という意見を述べる予定としており、平原敏英副市長は「これから事業者が国のほうへ運賃申請や認可を得る運びになるが、横浜市としても適切な運賃になるように国や運営主体に伝えていきたい」と話しました。

境界・新横浜駅の「管理」が話題に

新横浜は相鉄と東急の境界駅となる(2022年3月、新横浜駅付近)

この日の委員会では、相鉄新横浜線(西谷~羽沢横浜国大~新横浜)と東急新横浜線(新横浜~新綱島~日吉)の境界となる新横浜駅の管理についても話題に上りました。

都市整備局の澤木勉・鉄道事業担当部長は、「新横浜駅は東急電鉄と相鉄の分岐となるが、管理については2社間で協定などを結んで具体的な管理方法を決めていくと聞いている」といい、平原副市長も「だいぶ前の情報なので微修正されているかもしれないが、駅の管理は“半々”で行うと聞いている」と述べたうえで、「電車の運行については、東急のほうが路線が長く影響も大きいということもあって、基本的には東急の司令所で管理するというふうに聞いた」と話しました。

羽沢横浜国大駅には国と神奈川県、横浜市の支援でJRTT鉄道・運輸機構が建設したことを伝えるプレートがある(2022年4月)

一方、相鉄・東急直通線の開業時期が来年3月に決まったことについては、平原副市長が「課長時代から関わっており、途中で工期が伸びたりしてご迷惑をおかけしたが、ようやく開業かと感慨深いところがある」と感想を述べます。

また、梶村市議は、2016(平成28)年に神奈川東部方面線の工期が延びて建設費も上昇した出来事を振り返り、「当初は2400億円(の建設費)でできると言っていたものが、いきなり4000億円に上がってみんながぶち切れた。それだけに、やっとできたかという思いだ」と話していました。なお、横浜市と神奈川県は、建設費のうち3分の1を負担することになっています。

瀬谷のテーマパーク誘致は復活か

かつて在日米軍が使っていた「上瀬谷通信基地」の跡地は、国際園芸博覧会の開催後にどう活用するかが焦点となっている(2020年3月)

同委員会で都市整備局は、相鉄の瀬谷駅が最寄りとなる「米軍上瀬谷通信基地」(瀬谷区)の跡地再開発についても触れ、地権者らの新たな検討パートナーである三菱地所から「テーマパーク誘致の実現可能性がある」といった内容の報告があったことも明かしました。

同跡地は、2027年3月から9月に「国際園芸博覧会」が開かれた後、当初の検討パートナーだった相鉄が大型テーマパークを誘致する計画をいったん断念していた経緯があっただけに、神奈川東部方面線の乗客増加につながる動きとして注目されそうです。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

【関連記事】

<東急電鉄>1年以上先の「値上げ」を申請、日吉~渋谷は250円に(2022年1月11日、東急は「新横浜線」の開業と同時期に運賃値上げも計画)

国際園芸博&大型テーマパーク構想の「瀬谷」、3年内には日吉・綱島の沿線(2020年7月27日)

【過去記事】11/30(土)開業の相鉄・JR直通線、相鉄申請の「加算運賃」を国交省が認可(2019年5月10日)

【過去記事】<公式に発表>「相鉄・東急直通」は2022年10月以降、県・市民の税金負担は430億増(2016年8月26日)


カテゴリ別記事一覧