綱島西3丁目と早渕川の対岸にある新吉田東6丁目、そして“北綱島エリア”の宅地で上昇が目立ちます。
今年(2023年)7月1日現在の住宅地と商業地それぞれの地価を示す「基準地価」が神奈川県から9月20日に発表され、綱島西の3カ所では6%以上の上昇となりました。
基準地価は、国が調べた1月1日現在の「公示地価」とともに、土地取引時の目安として活用されるもの。港北区内では宅地18、商業地8、工業地1の計27地点で調査が実施されています。
この数年は新型コロナ禍の影響もあって上昇が鈍化していましたが、今年はコロナ禍前を上回る上昇率を見せ、港北区内の宅地平均は前年比3.6%(前年2.6%)、商業地は同6.8%(同2.4%)の上昇となり、いずれも横浜市内平均(宅地2.5%・商業地5.3%)を上回っています。
宅地では、綱島西3丁目の「三歩野(さんぶの)橋」近くの調査地点で8.0%の上昇。区内でトップとなるだけでなく、県内でも6番目の高さでした。
三歩野橋の新吉田側では、「町内会館前」バス停近くの新吉田東6丁目の住宅地でも5.6%の上昇を見せています。
また、どちらも北綱島小学校の学区となる綱島西5丁目と6丁目の調査地点でも好調な上昇率を維持しており、西5丁目が6.9%、西6丁目は6.1%と区内で2・3番目と高さでした。
このほか、慶應大学矢上キャンパスに近い日吉3丁目も5.1%と上昇が止まっておらず、綱島駅と大倉山駅の中間部付近に位置する大曽根2丁目では4.1%の上昇率となっています。

2023年7月1日時点の港北区内における「基準地価」の一覧。上部の赤い18カ所は「住宅地」、下部の黄色い8カ所が「商業地」、青い1カ所は樽町4丁目の「工業地」。(※)は「公示地価」(1月1日時点)と同一の調査地点(県発表資料を一部加工)
一方、商業地では綱島西口駅前の調査地点で前年(3.4%)を大きく上回る10.4%の上昇率となり、1平方メートルあたりの価格が100万円台に到達。
日吉駅前浜銀通りのビルに設定した調査地点でも前年の上昇率2.3%から8.1%まで上がっていました。なお、綱島東口駅前の調査地点は今回から変更となったため、前年との比較ができませんでした。
港北区内で上昇率が高かった調査地点は次の通りです。
<港北区内宅地の上昇地点ベスト10>※枝番省略、1平方メートルあたりの価格
- 綱島西3丁目12:430,000(前年398,000)8.0%
- 綱島西5丁目5:341,000(前年319,000)6.9%
- 綱島西6丁目1:350,000(前年330,000)6.1%
- 新吉田東6丁目40:304,000(前年288,000)5.6%
- 大倉山3丁目37:467,000(前年443,000)5.4%
- 日吉3丁目11:372,000(前年354,000)5.1%
- 大曽根2丁目6:331,000(前年318,000)4.1%
- 箕輪町1丁目26:344,000(前年331,000)3.9%
- 樽町1丁目9:343,000(前年330,000)3.9%
- 篠原東1丁目10:372,000(前年360,000)3.3%
<港北区内商業地の上昇地点>※4%以上、1平方メートルあたりの価格
- 新横浜3丁目6-4(駅前東口広場):2,700,000(前年2,360,000)14.4%
- 綱島西1丁目1-3(西口駅前商店街):1,030,000(前年933,000)10.4%
- 日吉2丁目6-5(浜銀通り):770,000(前年712,000)8.1%
- 大倉山1丁目17-3(レモンロード):705,000(前年670,000)5.2%
- 樽町2丁目1-7(菖蒲園前交差点近く):401,000(前年382,000)5.0%
- 高田東1丁目41-19(日吉元石川線、白坂寄り):370,000(前年355,000)4.2%(※)※参考:綱島東1丁目1-6(バス乗場前)803,000(選定替のため前年の結果無し)
【関連記事】
・【前年記事】<2022年の基準地価>綱島西3・5丁目や日吉3丁目で高い上昇率(2022年9月26日)
・<2023年「路線価」>日吉・綱島の駅前など多くのエリアで回復傾向(2023年7月5日、直近の状況)
・<2023年基準地価>4年ぶり二桁上昇の新横浜駅前、「相鉄・東急」開業が後押し(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年9月21日、南部エリアの記事)
【参考リンク】
・港北区内の地価検索(国土交通省、下部の検索ボタンを押すと一覧が表示される)
・令和5年地価調査結果について(神奈川県政策局)(※)資料の公開日は2023年9月19日(火)としているが、詳細の「基準地価格一覧」は各新聞社が翌20日(水)の朝刊に一覧を載せてから県民には遅らせて公開している