集団接種会場は「港北公会堂」以外にも増えるのか、港北区のワクチン対応の現状 | 横浜日吉新聞

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横浜市港北区でのワクチン接種はどのように行われるのでしょうか。市健康福祉局は、一昨日(2021年)2月16日に新型コロナウイルスワクチンの接種についての概要を発表、国の示す接種順位などに従い、「すべての市民の方々が市内各所でワクチンの接種を受けられる」よう準備を進めているとのことです。

接種後の注意点。接種費用は全額国費で接種を行い、自己負担は発生しない(ファイザー社のワクチン版・表面、厚生労働省のページ)

接種後の注意点。接種費用は全額国費で接種を行い、自己負担は発生しない(ファイザー社のワクチン版・表面、厚生労働省のページ

市では、接種開始を今春4月にも予定しているといい、対象者別の接種時期個別通知接種の手法などについて公式サイト上で発表しています。

市で行うワクチン接種では、対象者を「原則として、市内に居住する方」とし、接種の際に必要となる接種券(クーポン券)や、市からの接種案内を同封するという「個別通知」は、発送後のコールセンターへの問い合わせや予約集中を避けるため、対象者の年齢などにより発送時期をずらして送付するとのこと。

発送時期は80歳以上(約29万人)が3月下旬、75歳以上(約19万人)が4月上旬、70歳以上(約24万人)と65歳以上(約20万人)が4月中旬(発送は2段階)といった時期を想定。

以降、基礎疾患の保有者(約24万人)や高齢者施設などの従事者(約5.6万人)、その他の約237万人の順で発送を予定するものの、「時期は未定」としています。

接種の方法は、市が設置する特設会場で行う「集団接種」と、身近な病院・診療所などで行う「個別接種」、さらに、高齢者施設で行う「施設接種」の3つの手法で実施を計画。

接種後の注意点(ファイザー社のワクチン版・裏面、厚生労働省のページ)

接種後の注意点(ファイザー社のワクチン版・裏面、厚生労働省のページ)

医療現場などから「かかりつけ医」での個別接種を希望する声も多く上がっていることなどを受け、「集団接種」と、「個別接種」の「比率は半々くらいにしたい」(市担当者)と準備を進めているとのこと。

予約については、施設接種対象者以外については、スマートフォン(スマホ)やパソコン、電話を使用しての新しい「予約システム」を導入する計画となっており、問い合わせに対応するワクチン接種専用の「コールセンター」も来月3月1日から開設する予定とのことです。

「すべての市民」への広報にも力を入れる予定となっており、特に世代を超えた全市民に向けては、市のサイトやLINE(ライン)、ツイッター(Twitter)や動画共有サイトなども活用し、「様々な媒体を活用し、タイムリーに(情報を)提供」するとしています。

「集団接種」会場における接種の流れについては、受付した後、説明・確認を行い、予診票の確認も実施。接種後に観察時間を置いてのちの終了を想定しています。

市においても、3月上旬に集団接種シミュレーションを市内のいずれかの会場で実施する計画となっており、会場レイアウトや被接種者の動線、所要時間などを把握する予定だといいます。

「港北公会堂」では遠い?集団接種会場が増えるかに注目

医療従事者への先行接種は、国や神奈川県によりすでにスタートしたという(厚生労働省のサイトより)

医療従事者への先行接種は、国や神奈川県によりすでにスタートしたという(厚生労働省のサイトより)

港北区では、2月16日現在で、集団接種会場は「港北公会堂」(大豆戸町)と発表。市の担当者によると、「現在、区の担当者とも連絡を取り合い、各区に“2カ所”ずつ設置し会場の増設をはかりたい」と、現在会場探しを行っているといいます。

区内の医師によると、「区民であっても、港北公会堂は遠い場所と感じる人も多い。かかりつけ医が安心して接種できる地元の病院や医院などでの(個別)接種を行うべき」との声もあるといいます。

港北公会堂は日吉や高田、新吉田などからは遠い場所と感じる人も少なくない(2020年10月)

港北公会堂は日吉や高田、新吉田などからは遠い場所と感じる人も少なくない(2020年10月)

また、通常の診療業務に加えて、医師や看護師がどの程度まで接種に理解を示し、集団接種も含めての対応に協力できるかによっても「接種の進捗に大きな差が出る事態になりかねない」(市の関係者)との指摘もあがっているといいます。

医療関係者のなかでも「まだ医療体制についての質問事項を(港北区医師会に)文書での回答準備を行っている段階」との現状もあるといい、国が示すワクチン接種のスケジュール感に、国内最大の自治体である横浜市が滞りなく対応することができるのかも気になるところ。

また、市内でも最大の行政区である港北区では、「65歳以上だけでも接種対象者は約7万人にのぼる」(医療関係者)ともいわれており、さらなる集団接種会場の追加や、医師や看護師の協力体制の構築がどのように行われていくのかにも、大きな注目が集まる数カ月間となりそうです。

)本記事は複数の読者の方から情報提供をいただきました。ありがとうございます

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【参考リンク】

新型コロナウイルスのワクチン接種について(横浜市健康福祉局)


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