港北区で急増する特殊詐欺、被害は女性が3.46倍「役所はお金を戻しません」 | 横浜日吉新聞

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港北警察が「特殊詐欺」の対策ページを設置。“役所がお金を戻す”ことを装う「還付金詐欺」も被害が増加、警鐘を鳴らしています。

区内15カ所の「交番だより」2022年8月号で特殊詐欺増加への注意を呼び掛ける特集を組んでいる

区内15カ所の「交番だより」2022年8月号で特殊詐欺増加への注意を呼び掛ける特集を組んでいる

神奈川県警港北警察署(大豆戸町)は、同署のホームページのトップ部分に、現在急増しているという「特殊詐欺」に対する注意を喚起する「対策ページ」へリンクバナーを設置。

詐欺の種類や発生状況、過去の被害事例を掲載するほか、区内15の交番で掲示・配布などをおこなう「交番だより」で特殊詐欺についての内容を特集するなど、被害防止に向けての対策徹底を呼び掛けます。

2022年7月までの暫定値で、被害金額は、神奈川県内で982件(前年比プラス271件)・約19億2800万円(同6億9,600万円)、港北区内だけでも45件(同プラス14件)・約8984万円(同715万円)と県下ワーストにも近い発生状況だといいます。

「せっかく“留守番電話”を対策として使っていても、在宅時に電話につい出てしまい、被害にあうケースも見られます」と、同警察署生活安全課の笠原真悟さん

迷惑電話の番号を自動判別し、電話を受信しない機能や、電話が鳴る前に、相手側へ「録音されています」との警告メッセージを流すという“迷惑電話防止機能”がついた電話の設置についても有効であると呼び掛けます。

「交番だより」の2面では、留守番電話の常時設定、または迷惑電話防止防止機能付き機器への変更を呼び掛けている

「交番だより」の2面では、留守番電話の常時設定、または迷惑電話防止防止機能付き機器への変更を呼び掛けている

特に、「2、3万円の還付金を、といわれ、ATMに出向き、50万円といったまとまった金額をだまされて送金してしまうケースも見られます」と、「役所」などを名乗る還付金詐欺には特に注意が必要と説明します。

被害金額(1月~7月15日暫定値)は、オレオレ詐欺は16件・約5112万円還付金詐欺も17件・約2060万円と被害額が大きくなっています。

また、昨年(2021年)の被害件数によると、被害者は男性が13人だったのに対し、女性が45人と男性の約3.46倍にものぼり、年代層は80代の30人、次いで70代の19人となっています。

実家や近所に住まう高齢者とのコミュニケーションを取るのはもちろん、特に「迷惑電話防止機能」付きの電話の設置など、家族・地域ぐるみでの対策強化をより強く呼び掛けていく必要がありそうです。

【関連記事】

学生制作チラシで詐欺「撲滅」を、港北署が “ブロック電話”設置呼びかけ(2021年10月21日)

被害額倍増で県下ワースト1位、件数2位、港北署内で初の「詐欺ストップ」呼び掛け(新横浜新聞~しんよこ新聞、2021年12月17日)※詐欺被害額が依然として高い水準となっているという

【参考リンク】

特殊詐欺対策ページ(港北警察署)

港北警察署 交番だより(同)※区内全15交番の「交番だより」(PDFファイル)へのリンクあり


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