シンボル「丸池」で街とつながる、50周年迎えた駒林小でクラウドファンディング | 横浜日吉新聞

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学校のシンボル「丸池」地域とつながる場所にするチャレンジに、多くの支援が寄せられています。

今年(2023年)4月に創立50周年を迎えた横浜市立駒林小学校(日吉本町2)では、先月7月22日から「心一つに未来につなごう~ビオ丸プロジェクト」と名付けたクラウドファンディングをスタート。

駒林小学校創立50周年「心一つに未来につなごう~ビオ丸プロジェクト」の案内ポスター(駒林小学校PTAサイト)

駒林小学校創立50周年「心一つに未来につなごう~ビオ丸プロジェクト」の案内ポスター(駒林小学校PTAサイト)

同小学校の昇降口付近にある「丸池」をビオトープ(生きものの暮らす場所)化し、外周にベンチや観察台を設置、在校生や卒業生のほか、地域に住む人々が幅広く集い交流できる場、「地域のコミュニティシンボル」化することを最終目的とし、10月21日(土)23時59分まで、インターネット上での支援を募集しています。

クラウドファンディングの実施主体は駒林小学校PTA(大平祥樹会長)。

クラウドファンディングのページには、同小学校が「地域の活動拠点」であることや、現在、小学校周辺で「地域まちづくりの“核”がない」ことについて、またコロナ禍で“地域のつながり”が希薄化したことについても言及。

子どもたちを軸に“地域のつながり”を取り戻すことや、丸池を「まちの人と人をつなぐ場所」にすること、これまでの「丸池」における課題や問題点、ビオトープ化へのプロセスや具体的方法、丸池を生態系豊かな場所にすることでの学びの機会の創出や、「地域に根差した憩いの場」とするという目標についての詳細を記しています。

非営利活動を支えるための寄付型クラウドファンデングだという「コングラント」のページより(8月17日現在)

非営利活動を支えるための寄付型クラウドファンデングだという「コングラント」のページより(8月17日現在)

クラウドファンディングの最少での目標金額は100万円となっていますが、集まった金額により行える範囲が異なり、外周ベンチの設置には104万8300円、観察台の設置には147万4000円、さらに掲示板の設置や丸池のモザイクタイル装飾なども含むと最大176万7600円が必要なるとのこと。

そのため、最終的な目標金額を150万円以上集めることとし、丸池のビオトープ化工事に児童が参加するプランについても、クラウドファンディングのページ内で紹介しています。

支援金額は1000円(返礼品なし)から最大5万円までのコースを設定。

駒林小学校で7月22日・23日に行われた日吉本町西町会「納涼盆踊り大会」にも50周年実行委員会が出店しクラウドファンディングについてのアピールを行った(7月22日)

駒林小学校で7月22日・23日に行われた日吉本町西町会「納涼盆踊り大会」にも50周年実行委員会が出店しクラウドファンディングについてのアピールを行った(7月22日)

返礼品には、50周年記念誌の表紙を描く予定となっている卒業生の絵本作家・植垣歩子(うえがきあゆこ)さんの描き下ろしによる、同小学校に関するポストカード(5枚セット)を予定(5000円以上の支援時、匿名での支援の場合は不可)とのことで、今、この時期ならではの記念品としての返礼品を受け取れる貴重な機会となりそうです。

なお、ビオトープ化工事は、10月中から約1ヶ月ほどの期間をかけて行う予定となっており、「全学年の児童が様々な形で参加できるように、施工会社の水研クリエイト株式会社(東京都北区)と学校と調整しながら進めていきます」と、50周年実行委員長の平川昌俊さん(前PTA会長)。

11月23日(木・祝)に行われる予定の「創立50周年記念式典」で、生まれ変わった丸池を披露することを目指すとのことです。

「環境問題を考える」場所としての役割にも期待感

駒林小学校では、先月7月10日に、3年生の児童を対象とした「自然観察」授業を実施。

駒林小学校の「シンボル」丸池は、昇降口近く、中央奥の左手にある(8月17日)

駒林小学校の「シンボル」丸池は、昇降口近く、中央奥の左手にある(8月17日)

港北区内や鶴見川流域などで活動を行う「NPO法人鶴見川流域ネットワーキング(TRネット)」(綱島西2、岸由二代表理事)の講師から、「丸池」の生きものの採集や観察、鶴見川流域の生き物を学ぶ「出前水族館」も設置し、エビやカニ、ウナギといった“水の中の生きもの”とふれあう機会を持ったといいます。

TRネット事務局長の小林範和さんは、「鶴見川は、流域に約200万人が暮らす都市河川ですが、先日ので児童の皆さんに見ていただいたように、たくさんの生きものが暮らしています」と語り、まずは「地元の生きものたちとふれあうことの大切さ」を呼び掛けます。

また、「街の中でもビオトープをつくることで、さらに多くの生きものたちが暮らせるようになります。トンボやチョウ、鳥たちは空を飛べるので、地域にバランスよく配置されている学校にビオトープがあると、そこを拠点に地域・流域全体に生きものが広がる『ビオトープネットワーク』が形成されます」と、各学校におけるビオトープの設置についても推奨しているといいます。

ポスターも学校の周辺に掲示し「地域ぐるみ」での支援を呼び掛ける(同)

ポスターも学校の周辺に掲示し「地域ぐるみ」での支援を呼び掛ける(同)

今回の同小学校の取り組みについては、“生きものいっぱいの学校”、そして“生きものいっっぱいの鶴見川流域”への大きな一歩と期待しているとのこと。

自分たちが暮らす足元の自然を大切にすることが、最終的には地球環境問題の解決につながると考えています」と小林さんは語ります。

地域エリアの「拠点」としての小学校で自然環境を学べる機会をつくり、またこれからの“地球環境問題”を学ぶという点においても、価値ある取り組みとしての期待感が寄せられることになりそうです。

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【参考リンク】

【駒林小学校創立50周年】心一つに未来につなごう!ビオ丸プロジェクト!!(コングラント)※駒林小学校PTAによるクラウドファンディング、2023年10月21日(土)23時59分まで

駒林小学校PTA(こまりんPTA)サイト

【3年】港北区の生きもの、まるわかり!!(横浜市立駒林小学校)


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