「日吉駅前」の図書取次拠点は、慶應・協生館内に来年1月オープンすることになりました。
横浜市教育委員会と市中央図書館、港北区区政推進課は、きのう(2021年)6月22日午前、港北区の新しい「図書取次サービス拠点」を日吉駅前に設置すると発表。
開設時期は来年(2022年)1月の予定とし、設置場所は慶應義塾大学日吉キャンパス(日吉4)内「協生館」1階スペースとしています。
協生館は、「協力して生きる力」を育む場として2008(平成20)年8月に完成、3つの大学院のほか、健康・スポーツ・文化・実業など、新しい活動の場を創造し、学生・教職員をはじめ地域の方々や世代を超えた様々な人々が集い、交流し、連携を実現していく場とすることを目標に施設を運営。
「文化・教養を高める場」、「社会・地域連携を実践する場」、「新しい大学院の展開・連携の場」、「スポーツ・健康・医療環境の充実の場」、そして「インキュベーション(incubation=新ビジネス育成・支援)展開の場」という5つのコンセプトに基づく施設を設置しているといいます。
施設は「新設」、東京2020オリンピック後に工事に着手
今回新設される図書取次拠点は、同館内の1テナントとして運営される計画とのことで、広さは約60平方メートルを予定。
既存の建物内に設置されるのではなく、現在オープンスペースとなっている場所に新設されるとのことで、「工事は東京2020オリンピック後からスタート予定です。協生館のコンセプトである“開かれた場所”のイメージとして、ガラスを外壁に採用することも検討しています」と、同区区政推進課の田中郁雄課長は、施設のまさに“透明性”を高めることで、地域密着を打ち出す施設を目指すと説明します。
設置される協生館は、横浜市営地下鉄グリーンライン日吉駅の1番出口すぐの場所にあり、東急線の日吉駅の地下改札からもアクセスしやすいことから、駅利用者をはじめ、慶應義塾大学の学生や近隣住民など、一定数の施設利用を見込むことができそうです。
1区1館からの脱却は?青葉区では7カ所に取次拠点も
横浜市では、「図書館は各区に1館」という方針が徹底されていることから、港北区でも、区に1館とされる図書館が、JR・東急東横線の菊名駅東口から徒歩約5分の港北図書館(大豆戸町)のみある状況となっています。
港北区は、市内18区の中で人口が最大、かつ今後も人口増加が見込まれることから、「区内北部エリアの図書館サービスへの高いニーズがあった」(市記者発表資料)とし、今回の開設を決定したといいます。
他の区では、「二俣川駅」(旭区、相鉄線沿線)や「東戸塚駅」(戸塚区、JR線沿線)の行政サービスコーナーで図書館の書籍取次業務も行っており、インターネットを通じて予約した横浜市立図書館の本を受け取ったり、返却したりすることを可能としています。
またほかにも、港南区では「港南台地区センター」で、青葉区では「美しが丘西地区センター」など7カ所で同様に本の受け取りや返却が可能です。
港北区周辺では、JR・東急線武蔵小杉駅に直結したビル内にある川崎市中原図書館(中原区小杉町3)の貸出利用が好評を博していることもあり、横浜市として、より地域の利用者のニーズに応える多面的なサービスを展開できるかに、より大きな注目が集まることになりそうです。
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・“図書取次拠点”は日吉に設置へ、市教委「駅近くの場所が望ましい」(2021年2月19日)
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・図書館の本を「日吉駅行政サービスコーナー」などで受け取れないのはなぜ?(2017年6月3日)※以前から図書取り次ぎサービス拠点を設けていた区も
・3月から横浜・川崎市民は図書館の相互利用が可能に、各市で利用登録が必要(2017年2月23日)
【参考リンク】
・港北区の新図書取次サービス拠点を日吉駅前に新設します!(横浜市記者発表資料)
・図書取次サービス(横浜市教育委員会、市内に8カ所開設されている)
・移動図書館「はまかぜ号」のページ(横浜市教育委員会、南日吉や綱島東も巡回)