日吉や綱島に「急行」が停まる背景、県内の389駅を網羅したデータ集 | 横浜日吉新聞

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急行や特急といった速い列車の停車駅を選んだ背景が分かるような資料集です。

神奈川県の県土整備局は最新となる「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」をこのほど公開し、県内を走る41路線389駅の乗車人員など交通関連のデータを全60ページにまとめました。

2024年2月20日に県が公開した「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」

この資料集は県が毎年発表しており、県内で計画などを作成する際に引用や参照されることが多いデータ集として知られます。

1870(明治3)年の東京・横浜(現桜木町)間における鉄道建設から2023年3月の相鉄・東急新横浜線の開業までの動きをまとめた「県内鉄道史」をはじめ、県内の41路線389駅の乗車人員(降車の人数は含まず)を直近3カ年と、その5年前、10年前、15年前のデータを路線ごとに集約

鉄道開業からの動きをまとめた「県内鉄道史」も盛り込まれている(「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」より)

たとえば、最新となる「令和4年度(2022年度=2022年4月~2023年3月)」の東急東横線におけるデータ(資料集p25)では日吉駅(目黒線含む)の1日平均乗車人員が2015(平成27)年度の9万9594人が最多だった一方、綱島駅2005(平成17)年度の5万215人が最多となっているなど、各駅の細かな変化も見て取れます。

2010(平成22)年度から2022(令和4)年度までの県内各駅の東急東横線における乗車人員(降車は含まず)、日吉~新丸子間の各駅は目黒線の乗車人員も含まれているという。新型コロナ禍の影響で各駅とも2020(令和2)年は激減している(「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」より)

また、各駅停車しか停車しない駅の1日平均乗車人員が元住吉駅(目黒線含む)の2万7956人(2022年度=令和4年度)が最多であったのに比べ、県内の急行停車駅(武蔵小杉・日吉・綱島・菊名・横浜)は最低でも4万人を超えていました。

みなとみらい線の各駅における乗車人員、沿線ではみなとみらい駅の数値が際立っているが、今は乗車人員の少ない新高島駅付近でも大規模な再開発が進んでおり、今後は増える可能性もある(「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」より)

東横線と相互直通運転を行う「みなとみらい線」(同p30)でも、各駅停車のみの停車としている新高島駅の1日平均乗車人員が極端に少なく、特急が停車するみなとみらい駅極端に多い数値となっています。

なお、乗車人員は2022年度(2022年4月~2023年3月末)のデータとなっているため、東急新横浜線(同p26)については、開業月である3月分の1日平均乗車人員のみが掲載されており、新綱島駅は6595人、新横浜駅は3万406人とのことです。

グリーンラインの各駅における乗車人員。日吉、センター北、センター南、中山、北山田の順で多く、川和町が最小となっているが、駅周辺では再開発が進行しており、今後は増える可能性もある(「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」より)

また、2008(平成20)年3月に開業した横浜市営地下鉄・グリーンライン(同p32)では、2020年度(令和2年度)に新型コロナ禍の影響で1日平均乗車人員が激減したにも関わらず、開業間もない2010(平成22)年度より増えており、沿線人口の増加が数字に表れていました。

このほか、昨年(2023年)9月末時点でまとめた「線区別駅別列車停車本数(平日)」も見どころで、県内の東急東横線(同p47、平日の渋谷方面)では各駅停車(普通)の160本から168本が基本の運転本数。

東急東横線、目黒線、東急新横浜線の県内駅別に見た「列車停車本数」、なお、新綱島駅と新横浜駅では2024年3月16日のダイヤ改正で平日の各駅停車が12本(土休日は16本)増える予定となっており、大倉山駅や妙蓮寺駅より列車本数が若干増える(「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」を一部加工)

これに急行(69~71本)と新横浜線直通急行(47本)、通勤特急(38本)、特急(32本)がプラスされ、日吉駅や武蔵小杉駅などでは目黒線各駅停車(普通)(167~182本)と目黒線急行(73~76本、新横浜線直通含む)も加わります。

日吉駅では新横浜線の開業を機に東横線の特急停車は叶わなかったが、新横浜線に直通する東横線の急行が増えることなった(2023年4月、日吉駅近くの綱島トンネル出口付近)

現時点で平日の日吉駅に停車しないのは、昼間に運転されている32本(横浜方面は31本)の東横線特急だけとなっており、東急新横浜線の開業後もあえて特急を停車させなかった背景が想像できそうです。

【関連記事】

・【新横浜線ダイヤ発表時の記事】新綱島駅は日中1時間4本が目黒線行、日吉駅への東横線「特急」停車は実現せず(2022年11月25日)

<新綱島駅>3月16日(土)改正で列車本数増、昼間の利便性が高まる(2024年3月4日、開業1年で東急新横浜線の列車本数が増えることに)

【参考リンク】

神奈川県交通関係資料集(最新の「令和5年度版」は2024年2月20日に公開、神奈川県県土整備局)


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