急行や特急といった速い列車の停車駅を選んだ背景が分かるような資料集です。
神奈川県の県土整備局は最新となる「神奈川県交通関係資料集(令和5年度版)」をこのほど公開し、県内を走る41路線389駅の乗車人員など交通関連のデータを全60ページにまとめました。
この資料集は県が毎年発表しており、県内で計画などを作成する際に引用や参照されることが多いデータ集として知られます。
1870(明治3)年の東京・横浜(現桜木町)間における鉄道建設から2023年3月の相鉄・東急新横浜線の開業までの動きをまとめた「県内鉄道史」をはじめ、県内の41路線389駅の乗車人員(降車の人数は含まず)を直近3カ年と、その5年前、10年前、15年前のデータを路線ごとに集約。
たとえば、最新となる「令和4年度(2022年度=2022年4月~2023年3月)」の東急東横線におけるデータ(資料集p25)では日吉駅(目黒線含む)の1日平均乗車人員が2015(平成27)年度の9万9594人が最多だった一方、綱島駅は2005(平成17)年度の5万215人が最多となっているなど、各駅の細かな変化も見て取れます。
また、各駅停車しか停車しない駅の1日平均乗車人員が元住吉駅(目黒線含む)の2万7956人(2022年度=令和4年度)が最多であったのに比べ、県内の急行停車駅(武蔵小杉・日吉・綱島・菊名・横浜)は最低でも4万人を超えていました。
東横線と相互直通運転を行う「みなとみらい線」(同p30)でも、各駅停車のみの停車としている新高島駅の1日平均乗車人員が極端に少なく、特急が停車するみなとみらい駅が極端に多い数値となっています。
なお、乗車人員は2022年度(2022年4月~2023年3月末)のデータとなっているため、東急新横浜線(同p26)については、開業月である3月分の1日平均乗車人員のみが掲載されており、新綱島駅は6595人、新横浜駅は3万406人とのことです。
また、2008(平成20)年3月に開業した横浜市営地下鉄・グリーンライン(同p32)では、2020年度(令和2年度)に新型コロナ禍の影響で1日平均乗車人員が激減したにも関わらず、開業間もない2010(平成22)年度より増えており、沿線人口の増加が数字に表れていました。
このほか、昨年(2023年)9月末時点でまとめた「線区別駅別列車停車本数(平日)」も見どころで、県内の東急東横線(同p47、平日の渋谷方面)では各駅停車(普通)の160本から168本が基本の運転本数。
これに急行(69~71本)と新横浜線直通の急行(47本)、通勤特急(38本)、特急(32本)がプラスされ、日吉駅や武蔵小杉駅などでは目黒線各駅停車(普通)(167~182本)と目黒線急行(73~76本、新横浜線直通含む)も加わります。
現時点で平日の日吉駅に停車しないのは、昼間に運転されている32本(横浜方面は31本)の東横線特急だけとなっており、東急新横浜線の開業後もあえて特急を停車させなかった背景が想像できそうです。
【関連記事】
・【新横浜線ダイヤ発表時の記事】新綱島駅は日中1時間4本が目黒線行、日吉駅への東横線「特急」停車は実現せず(2022年11月25日)
・<新綱島駅>3月16日(土)改正で列車本数増、昼間の利便性が高まる(2024年3月4日、開業1年で東急新横浜線の列車本数が増えることに)
【参考リンク】
・神奈川県交通関係資料集(最新の「令和5年度版」は2024年2月20日に公開、神奈川県県土整備局)