日吉台中の生徒数1000人台が目前に迫り、箕輪小では5年後に児童数が倍増、綱島東小は来年度以降は再び増加に転じると推計されています。横浜市教育委員会は、来年2021(令和3)年度から6年間における市立小中学校の児童・生徒数の推計を公表しました。
この推計値は、今から6年後となる2026(令和8)年度までに、市内の市立小・中学校で児童・生徒数がどう増減していくかを市教育委員会が示したもの。
幼児の増減率や転出入率、住宅の建設見込みによる急増分などを加えて予測し、毎年8月から9月に公表しています。
今月(2020年)9月8日に公表された「2020(令和2)年度分」によると、今年5月時点で27学級・995人の生徒数となっている日吉台中学校(日吉本町4)は、来年2021(令和3)年度に28学級・1064人となり、2026(令和8)年度には29学級・1109人まで生徒が増えると推計。
日吉台中では、来年度以降の生徒急増に対応するため、グラウンドに2階建てプレハブ校舎を仮設する計画も進められています。
日吉台中の通学区内で、今年4月に開校したばかりの箕輪小学校(箕輪町2)は、主に日吉台小学校(日吉本町1)と綱島東小学校(綱島東3)の児童を中心に、19学級・584人(5月時点)の児童数でスタートしたものの、来年度以降は毎年100人以上の児童が増え続けると予測。
3年後の2023(令和5)年度には29学級・998人に達し、6年後の2026(令和8)年度には36学級・1260人にまで増えるとの見方を示します。
箕輪小には普通教室が31しかなく、600メートルほど離れた日吉南小学校(日吉本町4)では生徒数が減少すると予測されていることから、通学区が再編される可能性もありそうです。
一方、箕輪小と分割されたことで、前年の767人(2019年5月時点)から593人(5月時点)まで児童数が減った綱島東小は、来年度以降は再び増加に転じ、6年後の2026(令和8)年度には27学級・885人まで増えることが見込まれています。
市内有数のマンモス校を生み出した樽町

日吉・綱島・高田・樽町・師岡など港北区北部エリアの横浜市立学校分布図。赤太線が小学校学区、水色太線が中学校校区(市教育委員会のページより)
樽町地区などの人口増加を受け、市内有数の“マンモス校”となっている師岡小学校(師岡町)は、現在の33学級・1118人(5月時点)という児童規模が当面続く見通しで、6年後の2026(令和8)年度にようやく28学級・983人まで減るとの予測。
同じく樽町の児童も通う大曽根小学校(大曽根2)は、現在26学級・834人(5月時点)の児童数が今後も増加する見通しで、4年後の2024(令和6)年度には29学級・1005人に達するとみられています。
樽町エリアでは近年、工場用地などの“まとまった規模の土地”がマンションなどの住宅へ転換するケースが目立っています。
エリア内には樽町中学校(樽町4)が置かれている一方で小学校は無く、師岡と大曽根、さらには樽綱橋近くの樽町3丁目は綱島東小と3校に通学区が分割され、いずれの小学校も児童数が増加傾向にあります。
さらに住宅地への転換が進むことになれば、“小学校空白地帯”の樽町で抜本的な対策が迫られることになりそうです。
【関連記事】
・<箕輪町の新小学校>中学校区も統一、「日吉台中で受入れできるか」不安の声(2016年10月20日、日吉台中の生徒急増は以前から懸念されていた)
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・日吉台小1616人、綱島小1402人、約半世紀前「住民急増も金増えぬ」区の苦悩(2017年6月10日、港北区は50年ほど前から人口急増への対応が求められてきた)
【参考リンク】
・令和2年度義務教育人口推計表(横浜市教育委員会、2020年9月8日公表)
・横浜市「小・中学校等通学区域」のご案内(横浜市教育委員会)