横浜発祥「ぱど」の社名が消える、フリーペーパー発行エリアも大幅縮小 | 横浜日吉新聞

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横浜発祥の“ぱど”が会社名から消えることになりました。老舗のフリーペーパー「ぱど」を発行する株式会社ぱど(東京都港区)は、来月(2020年)10月末から「株式会社Success Holders」に社名を変更する方針を発表しました。現在を「第二創業期」(同社)と位置づけ、決意を表明するためだといいます。

株式会社ぱどの公式サイト

1987(昭和62)年に荏原製作所や凸版印刷などの出資で中区桜木町で創業した「ぱど」は、パーソナルアドバタイジング(Personal ADvertising=個人広告)の頭文字から名づけられ、「譲ります」「買います」などの個人広告を中心に紙面を構成。

配布スタッフを「ぱどんな」と名付け、独自の配布網を構築するなど、日本のフリーペーパーを代表する存在として全国各地で発行していました。

近年はインターネット広告との価格競争による売上減少などから、2017(平成29)年3月にはダイエットジムで知られるRIZAP(ライザップ)グループ(東京都新宿区)への傘下入りを決定。

ただ、ライザップ傘下となったことでの目立った成果は見られず、昨年2019年12月には企業合併・買収(M&A)の仲介事業を行う株式会社FUNDBOOK(ファンドブック)の創業者で、同社CEOの畑野幸治氏(現ぱど取締役会長)がライザップなどから個人で株式を取得しており、筆頭株主となっています。

公開資料によると、同社内では「構造改革」として、今年5月から6月かけて希望退職者を募るなど、社員を300人以上減らしたといい、7月末時点の社員数は253人。同時にフリーペーパー「ぱど」の整理統合も進めており、今年1月時点で首都圏94エリア・44万部を発行していたものが、8月時点では埼玉県を中心に23エリア・16万部にまで大幅に縮小しました。

日吉や綱島の周辺では「東横線港北・中原版」との名称で、現在は隔週金曜日に発行されている(ぱど「東横線港北・中原版」より)

港北区内でも3年ほど前には「綱島・日吉版」と「大倉山・菊名版」をそれぞれ発行していましたが、その後に「港北区・東横線版」として合併されたのち、今年7月以降は、川崎市中原区もエリアに含めた「東横線港北・中原版」との名称で隔週金曜日に発行しているとのことです。

社名の変更について同社は、「今後は、フリーペーパー事業に加え、新たに主軸となる事業を展開することを企図しており、このタイミングを『第二創業期』と位置づけております。それに伴い、当社に関わるすべてのステークホルダーを成功に導けるよう、その決意を表明するため」(9月15日付け発表文)として、10月30日の臨時株主総会を経て社名変更を行う方針です。

【関連記事】

日吉・綱島で隔週発行のフリーペーパー「ぱど」、ライザップに買収される(2017年2月15日)

【参考リンク】

フリーペーパー「ぱど」の案内ページ(株式会社ぱど)

商号の変更及び定款の一部変更に関するお知らせ(株式会社ぱど、2020年9月15日)


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