ラグビーワールドカップ(W杯)の盛り上がりを子どもたちに――横浜市港北区内の小学校で、大学生ラグビー部員が、ラグビーに親しんでもらうための特別授業を行っています。
この授業は、港北区体育協会(嶋村公会長)と慶應義塾大学体育会ラグビー部(蹴球部)、港北区の三者が、
この日(2019年11月1日)の授業は、大曽根小学校(大曽根2)で開催。タックルの代わりに、選手の腰に付けたタグ(ビニール製のリボン)を奪うことで、相手の動きを止めるという、小学生向けのラグビー「タグラグビー」を学ぶ3年生の授業に、同部のコーチと、部員4人がアシスタントとして参加しました。
まずはパスの投げ方について「しっかりと腕を伸ばして」、またパスを取る人は、「手を三角形、“おにぎり”のような形にすると、パスを投げるほうも投げやすく、取るほうも取りやすくなる」と、バックスコーチの三井大祐(だいすけ)さんがレクチャー。
大学4年生で、学生コーチの鷲司(わしづか)仁さん、3年生の日高裕史(ゆうじ)さん、2年生の我那覇(がなは)大志朗さん、村松龍之介さんの5人が見本役も行いながら、パスの練習や、3対3でのゲーム形式でのタグラグビーを行っていました。
特に、ボールそのものに不慣れな子どもたちの多くは、パスの基本や、パスをしたら前に走るといった基礎的な動きについてもわからない様子。
「おにぎりに向かって、手を伸ばして!」「前に走って!」といった、三井さん、学生たちの声が、会場となった体育館内に、子どもたちの歓声とともに高らかに響きわたる、45分間の授業となりました。
身近な距離感で、躍動する現役大学生やコーチから直接、リアルにラグビーを学べる機会とあり、多くの児童が笑顔で「楽しかった」、「(学生やコーチのプレーする姿が)カッコよかった」などと、今回のタグラグビー授業の感想を述べていました。
特に、三井さん、学生たちが「ラグビーを見た人」という質問を投げた際には、ほとんどの児童が手を挙げるなど、昨今の「ラグビーブーム」を、子どもたちの回答から感じさせられる一幕も。
三井さんは、「子どもたちはとても吸収が早いですね。今回(の大曽根小)が(三井さんにとって)3校目の授業となりますが、どの学校でも、ラグビーに子どもたちが興味を持ってくれていると感じられて嬉しい」と、出張授業の“成果”を感じているといいます。
「何より、子どもたちが笑顔でラグビーを楽しんでくれるのが嬉しい」と三井さん。
港北区オリジナルのラグビーボールも、クラス毎にプレゼントされるなど、これからの子どもたちのスポーツの選択肢の一つに、新たな「レガシー(遺産)」となったラグビーが、現実のものとして認識されていくことは間違いなさそうです。
なお、同ラグビー部が授業内容を考えたという「ラグビー出前授業」も、主に4年生以上の高学年を対象に行われており、同事業を主催する港北区の担当者は、「ラグビーをブームに沸く“このタイミング限り”とするのではなく、地域に根差した形での活動をできる限り継続していくことも検討していきます」と、今回のワールドカップの遺産を、よりリアルなものとして、地域の子どもたちに還元していく考えです。
なお、同授業の実施には、慶應大学のほか、神奈川大学ラグビー部も、一部の日程で協力する予定とのことです。
【関連記事】
・10/14(祝)に下田町で「ラグビー・スポーツ体験会」、小学生80人を募集(2019年2019年9月6日)※港北区役所・港北区体育協会が主催
・<慶應ラグビー部>豪の名門チーム招き日吉で国際試合、9/24(火)に初の女子戦も(2019年9月19日)
・慶應ラグビー場でスポーツを楽しむ、キッズパフォーマンスアカデミーが秋の体験募集(2019年9月18日)
・“日本ラグビーの祖”が縁、6/23(日)に下田町で慶應と学習院が記念試合(2019年6月20日)
【参考リンク】
・港北区役所ラグビーページ(横浜市港北区)
・港北区体育協会(公益財団法人横浜市体育協会)