綱島温泉を語るドキュメンタリー映像作品がこのほど完成、綱島ほか地域で上映披露されることになりました。
港北区ゆかりの映像を記録し作品を制作している港北ふるさとテレビ局は、新作映画「続・綱島温泉物語~石碑が教えてくれたこと」の上映会を、今週(2019年)11月8日(金)18時30分から綱島地区センター(綱島西1)で開催。
月末近い11月30日(土)13時からは樽町地域ケアプラザ(樽町1)、12月10日(火)18時からは大曽根会館(大曽根2)、来年(2020年)1月26日(日)11時からは港北図書館(菊名6)でも上映会が企画されています(約1時間30分程度)。
当日は、2015(平成27)年制作の、前作「綱島温泉物語~東京園休業の危機」(約5分)も同時上映されるほか、各地区ゆかりの出演者らによるあいさつも実施。完成した作品のDVDも発売(税込1000円)される予定です。
作品は今年2月から撮影をスタート、先月(10月)末近くまでロケを行い、このほど完成したばかり。
同テレビ局代表の伊藤幸晴さんによると、毎年8月に、綱島・樽町・大曽根の自治会町内会などの実行委員会による「お化け大会」が同地区センターで開催される際に、地域ゆかりの映像作品を、同テレビ局により上映してきた中、「地域の新作映画を作ってもらいたい」という要望が、同地区センターの職員から寄せられたことが作品づくりのきっかけになったといいます。
テーマの選定を検討している最中に、綱島温泉の歴史を遺す石碑「ラヂウム霊泉(温泉)湧出記念碑」が、昨年(2018年)12月に、設置されていた民有地の建物解体に伴い、あやうく「処分」されそうになるという事態が勃発(ぼっぱつ)。
地元住民の連携により石碑が「救出」されたエピソードから、石碑が物語る「綱島温泉の歴史」を紐(ひも)解いていくという内容での制作を決意した、伊藤さんら同テレビ局スタッフ。
石碑や綱島温泉にゆかりの深い18人にインタビューを敢行、約50分間のドキュメンタリー映画として仕上げたものです。
2009(平成21)年に開局した「港北ふるさとテレビ局」は、区民を中心とした有志メンバーにより運営されており、これまで300本近い作品を制作してきたとのことですが、その作品の多くは数分程度の短編作品。今回の作品のように50分もの長時間にわたるものは初制作とのこと。
温泉街があった綱島から樽町、大曽根とまちあるきをしながら、各所での歴史を裏付けるインタビューで、当時あった綱島温泉や、今はない「綱島菖蒲(しょうぶ)園」、「大倉山天然スケート場」といった観光施設が存在したことなども綴る、伊藤さんにとって「これまでになかった」渾身(こんしん)の一作として披露される予定です。
そんな伊藤さんの熱意に応えようと、綱島・樽町・大曽根の各地区連合町内会や、樽地区社会福祉協議会、港北図書館と共催として、また、港北区周辺の歴史研究を行う公益財団法人大倉精神文化研究所(大倉山2)、綱島商店街などの協力も得て映像作品は制作されており、港北区役所も後援するかたちで上映会が企画されています。
監督・ディレクターとして今回の制作・上映会の企画に奔走した伊藤さんは、「鶴見川の両端、綱島街道エリアを中心に、区内の多くの人々が登場する作品に仕上がりました。綱島温泉の歴史について、ぜひ会場でリアルに体感してもらえれば」と、各上映会への多くの来場を呼び掛けています。
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【参考リンク】
・港北ふるさとテレビ局公式サイト ※上映会の案内など
・新着情報~『続・綱島温泉物語』上映会のお知らせ(ハートフル大曽根)
・ラヂウム霊泉(温泉)湧出記念碑が復活!~特集記事「樽町から始まった綱島温泉の歴史(思いあいのまち樽町のサイト)
・第12回「綱島・大曾根・樽町 子供達交流の夕べとお化け大会」が開催されました(綱島地区連合自治会ニュース)※当作品の予告ダイジェスト版を上映
・綱島地区センターへのアクセス(一般財団法人こうほく区民施設協会)