やはり日吉・綱島には無い「病児保育」、保育ニーズの高い地域にこそ必要

横浜日吉新聞

朝、子どもの体温を測ってみると37度6分。発熱してしまったので、今日は保育園には預かってもらえない、でも会社が……。そんな時でも幼児の面倒を見てもらえるのが「病児保育室」という施設です。

ひよしコラム 日吉コラム港北区内にも2カ所に設けられていますが、やはりと言うべきか、日吉・綱島エリアには置かれていません。横浜市内でもっとも認可保育所に入るのが難しいと言われるこのエリアで、保育所が次々と新設されている一方、次に必要とされるのは、病気の時にも対応してくれる保育の場かもしれません。

先月(2018年7月)、横浜市の「市民の声」コーナーに港北区民とみられる人から次のような声が寄せられました。

ここ数年、港北区に保育園が新設され、ありがたい思いでいっぱいです。それに対して、病児保育の施設数が少ないので、増やしてほしいです。

これに対する市の回答は、次のような内容でした。

  • 平成31年度末(※2020年3月末)までに区ごとに1または2か所、市内では合計で27か所に病児保育室を設置することを目標とし、拡充に努めているところです
  • 港北区内には既に病児保育室を2か所設置していますが、平成32年度(※2020年4月~2021年3月)以降の計画は、ニーズ調査を行ったうえで、次期計画の策定の中で検討をしていきます

港北区にはすでに2カ所が設置されており、まだ未設置の区(中区・南区・栄区)や1カ所しかない区(神奈川区・青葉区)もあるため、その整備が終わってから検討したい――というのが回答の要旨でした。

前夜まではなんともなく元気だったのに、朝起きると急に発熱しているケースも多い(写真はイメージ)

この病児保育室という施設は、市が「医療機関への委託により実施」(横浜市)し、「看護師・保育士が病初期の段階から病気のお子さまをお預かりします」(同)というもので、主に小児科医院と併設して設置。

生後6カ月から小学6年生(一部施設は3年生まで)までを対象とし、平日の8時30分から18時まで、1日あたり2000円程度の費用(離乳食、副食類、紙おむつ代などは別途)がかかります。また、麻しん(はしか)や流行性角結膜炎(はやり目)などの場合は利用できないことになっています。

たとえば、民間の病児専門のベビーシッターなどに依頼すると、1時間あたり2000円以上の料金が必要なことを考えると、公的に運営されているだけあって料金的には割安です。

病児保育室は2カ所とも大倉山周辺に

大倉山エルム通りから続く「オリーブ通り」にあるシブヤチャイルドクリニック、左側に「くりっこ病児保育室」を併設している

ただし、港北区内の病児保育室は、日吉や綱島にはなく、2カ所とも大倉山周辺に置かれています。

1つは大倉山駅から商店街の「エルム通り」(区役所と逆側)を歩いて5分ほど(約400メートル)の場所にある「シブヤチャイルドクリニック~くりっこ病児保育室」(大倉山3丁目)です。

こちらは歩道が整備された商店街沿いにあるので、ベビーカーでも比較的行きやすい環境。市営バスの「大綱中学校前」のバス停も近くに置かれています。

綱島街道沿いの大曽根町に限りなく近い師岡町にある「おおそねクリニック」(1階)と「病児保育室アクアマリン」(2階)

もう1カ所は、大倉山駅から綱島方面へ線路伝いに戻り、綱島街道沿いの丘の上にある師岡町の「おおそねクリニック~横浜市大倉山病児保育室アクアマリン」で、駅から徒歩7~8分程度の場所にあります。

こちらは丘の上のため、坂道は若干辛いかもしれませんが、綱島街道沿いなので、車では比較的往来しやすい環境です。

いずれも駅からそれほど遠くはない場所ですが、日吉や綱島からだと距離があるため、子どもの調子が悪い時に電車に乗せたり、歩いたりすることは避けられません。

なお、高田駅や日吉本町駅などからの場合、同じグリーンライン沿線の東山田駅から徒歩10分の場所に都筑区の病児保育施設「水野クリニック~おひさま病児保育室」(南山田町4257-1)があるため、こちらのほうが便利かもしれません。

医師の診断と複数の「書類」提出も必要

病児保育室を使うには、まず小児科医院を受診する必要がある(横浜市の案内ページより)

そして、利用時には公的機関ならではの「書類」への記入も必要です。

まずは最初に利用者登録する際の「病児・病後児保育事業利用登録票(第3号様式)」に記入し、診察した医師に「病児・病後児保育事業利用連絡書(第4号様式)」の記入を願い、さらに保護者は「病児・病後児保育事業利用申込書(第5号様式)」を記入したうえで、病児保育施設に提出することになります。

子どもの調子が悪いうえ、親も会社へ定時に着けない不安で調子が悪くなりそうななか、書類を書かねばなりません。医師に記入をしてもらわなければならない“第4号様式”は、併設の小児科医院を受診することでも記入してもらえますが、それでなくても患者の多い小児科医院で診察を受けてから病児保育室に預ける形となります。

利用時には登録も含めて3種類の書類を提出する必要がある横浜市の案内ページより)

なにより、病児保育の定員は平均4~5人程度なので、朝に電話をして問い合わせをした時点で一杯になっているということもあるでしょう。インターネットで予約できる事前に予約できる施設もありますが、各施設の保育時間は最も早くて8時30分からなので、問い合わせもその時間からしかできません。

特に日吉・綱島から病児保育室までは距離が遠いというハンディもあるため、仕事の始業時間への遅刻は覚悟しなければなりません。診察を受けるとなると、午前中の出勤は絶望的な状況にも。

全国的に病児保育室の数が多くはないなかで、区内に2カ所が設置されているのは比較的恵まれた環境とも言えますが、広い区内のなかで、2カ所を近いエリアに置いているのは、バランスが良いとは言えません

保育所の利用者が多く、今後もニーズが少なくなる見込みが見られない日吉・綱島エリアにこそ、病児保育室は必要な施設ではないでしょうか。そして、“緊急時”の親に対して厳しいとも言える、煩雑な手続きの改善も望まれるところです。

【関連記事】

3年間で約1658人の定員増も希望する保育所へ入れない「保留児童」はまだ500人超(2018年5月1日)

来年4月も足りない日吉・綱島の保育所、またも市内で唯一「重点整備地域」に(2018年3月6日)

【参考リンク】

病児保育を増やしてください(「市民の声」公表、2018年7月分)

横浜市病児保育事業(横浜市こども青少年局)


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