90年迎えたキャンパスから辿る「日吉の歴史」、5月11日(土)に講演と現地見学 | 横浜日吉新聞

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90年にわたる日吉の歴史が詰まった場で話を聞き、実際に歩きます。

港北図書館は来月(2024年)5月11日(土)に「港北区読書講演会『日吉の歴史』~キャンパスとともに歩んだまち」を慶應義塾大学日吉キャンパス内の来往舎で開くのにあたり、参加者50人を4月19日(金)まで募集中です。

5月11日(土)に開かれる「港北区読書講演会『日吉の歴史』~キャンパスとともに歩んだまち」の案内チラシ(主催者提供)

現在の日吉の街が形づくられるきっかけとなったのは、100年近く前の1926(大正15)年に雑木林の丘を切り拓いて日吉駅が設けられ、8年後の1934(昭和9)年に慶應大学のキャンパスが開設され、大学のある住宅街として人気が高まったことだと言われています。

慶應大学は日吉の地に理想のキャンパスづくりを目指し、街も発展しつつあったなかで突入した太平洋戦争では、キャンパス内外に無数の地下壕(ごう)が掘られたうえに、空襲では校舎や街が焼かれ、敗戦後は校舎などが米軍に接収されました。

日吉にキャンパスが開設された90年前から現在まで現役の「第一校舎」は慶應高校の校舎となっている(資料写真、2023年)

今回の講演会では、日吉キャンパス開設時から現在まで現役として使われている「第一校舎」に焦点を当てて歴史をたどった「キャンパスの戦争~慶應日吉1934-1949」(2023年、慶應義塾大学出版会)の著者である阿久澤(あくざわ)武史さんを講師に招きます。

阿久澤さんは第一校舎に置かれた慶應義塾高校(慶應塾高)で校長をつとめる一方、市民団体「日吉台地下壕(ちかごう)保存の会」では会長として、地域に歴史を伝え続けてきました。

当日は阿久澤さんによる60分間の講演が行われ、その後は地下壕保存の会の案内で実際にキャンパス内を歩く内容となっています。

1941(昭和16)年に日吉キャンパスへ通い始めた作家の安岡章太郎が「痩(や)せこけたイチョウ並木」と評していた木々も今では巨木に(資料写真、2023年)

戦禍や米軍の占領をくぐりぬけた第一校舎第二校舎をはじめ、開設時はまだ小さかったというイチョウ(銀杏)並木など、今年で90年の節目を迎えるキャンパスを通じて日吉の歴史を振り返る好機となりそうです。

開催は5月11日(土)の13時から15時30分まで、日吉キャンパス内の校舎「来往舎」2階の大会議室で講演が行われ、その後にキャンパス内を見学する流れとなります。

参加は4月19日(金)までに横浜市電子申請・届出システムでの申込が必要で、応募者が50人を超えた場合は抽選になるとのことです。

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日吉最古の校舎が伝える「キャンパスの戦争」、慶應塾高・阿久澤さんが歴史本(2023年6月5日、登壇者・阿久澤武史さんの著書と第一校舎について)

日吉に描いた「理想のキャンパス」、未完だから語り継げる歴史(2022年2月10日、日吉キャンパスの歴史について)

【参考リンク】

2024年5月11日(土)開催「港北区読書講演会『日吉の歴史』~キャンパスとともに歩んだまち」(港北図書館、申込は4月19日締切)


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