“コロナ禍”をどう乗り越えるのか。地域社会にとっての共通の悩みとなっているともいえる「新しい生活習慣」。これまで当たり前のように開催してきた各イベントが中止という事態は、特に催しの多さでも知られる綱島の街でも、多く人々に影響を与えています。
毎年夏に予定されている「つなしまサマーフェスティバル」や、「夜店」、「ナイトフリーマーケット」といった商店街のイベントのみならず、「綱島子どもすもう大会」や「お化け大会」、「綱島諏訪神社例大祭」(渡御など)や各エリアの盆踊り大会など、街のイベントもほとんどが中止に。
「そもそも、新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言も出されたことから、4月と6月の『綱島一番会』の執行部メンバーによる会議は中止。5月は通信アプリLINE(ライン)を使用してのオンライン会議として開催しました」とこの時期を振り返る、昨年(2019年)10月から同会の会長に就任した有限会社青柳(綱島西1)社長の猿渡功さん。
先週(2020年)7月2日夜にようやく開催できた同会議の場で、「久しぶりの再会」を果たすことができた執行部メンバーも、まずは再会できたことに、それぞれが安堵の表情を浮かべます。
3月20日に一番会メンバーが主体となり企画開催を予定していた「綱島駅リニューアルイベント」も中止となりましたが、「実は、この時に一番会をPRするためのチラシの作成を進めていたのです。中止によりこのチラシが配布できなくなってしまって。今回、サマーフェスティバルまで中止になってしまったのですが、それでも“まちづくりを諦めない”姿勢を伝えられたらと、リニューアルイベント用に作成したチラシをここで活かして再作成、配布することを決断しました」(猿渡さん)と、同会のメンバーは、綱島の発展に尽力するとアピールするチラシを約1万5千部、一部新聞折込で6月中旬に配布したといいます。
このチラシのサイズは、B3サイズ(364×515ミリメートル)を2つ折りにしたという大型版。
執行部メンバーの1人、有限会社金田商会(幸区南加瀬3)社長の金田宏彦さんが考案したという「2021(年)サマーフェスティバル100円クーポン券」が3枚掲載されているほか、猿渡さんが冬の間に写真を撮りにまわったという同会の74会員企業・店舗を裏面全面で紹介している「豪華チラシ」に仕上げられています。
「来年のサマーフェスティバルの30回記念開催で、どのくらいクーポンを持ってきてくれるのか、楽しみです」と金田さん。
“コロナ禍”においても、恒例となっている商店街や地域のパトロール活動のほか、1946(昭和21)年開園の「尚花愛児園」(生稲悦男園長)で、生稲精子前園長が作成したという、綱島の歴史を伝える紙芝居(かみしばい)のリニューアル刷新など、新しい取り組みにも同会はチャレンジしているとのこと。
猿渡さんは、「学校などで、授業時間の減少から、子どもたちが“地域の歴史”を学ぶ機会が減ってしまうことが懸念されていることから、綱島小学校(綱島西3)、綱島東小学校(綱島東3)と、同園(尚花愛児園)に、作り直した紙芝居をプレゼントしようと準備しているんです。今年秋にもお披露目できれば」と、綱島における原始時代から、綱島で桃の栽培の歴史が始まる少し前(明治時代)頃までを扱う内容になっているという“紙芝居”に期待してもらいたいと意気込みます。
サマーフェスティバルや各イベントは中止になっても、執行部メンバー18人が主体となり、綱島の街を「つなぐ」存在として活躍を続ける「綱島一番会」。
「みんなでMY SOUL TOWN」との想いを込めたという、イベント用に30枚作成したポロシャツやTシャツにも“街をひとつに”との願いを込めて、また、来年のサマーフェスティバルの盛会も目標に据え、“心ひとつに”地域のためにと街を奔走していく考えです。
【関連記事】
・“七夕まつり”が源流のサマーフェス、まちづくり担う「綱島一番会」が企画に奔走(2019年6月14日)※昨年の記事
【参考リンク】
・綱島もるねっと(綱島商店街)※綱島のイベント中止について掲載