箕輪町で創業63年の建設会社継ぐ小島さん、地域つながりで新築・リフォームに奔走 | 横浜日吉新聞

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箕輪町の旧家で育った小島清さん。今は二代目社長として小島建設を経営、新築・リフォームや土木工事、設計・施工といった幅広い業務を行っている(箕輪町1の事務所にて)

箕輪町の旧家で育った小島清さん。今は二代目社長として小島建設を経営、新築・リフォームや土木工事、設計・施工といった幅広い業務を行っている(箕輪町1の事務所にて)

法人サポーター会員による提供記事です】日吉地区で親しまれてきた地域の建設会社は創業63年――店舗開発から個人宅まで、箕輪町新築・リフォームなどの建設関連の仕事を行う小島建設有限会社(箕輪町1)は、1955(昭和30)年に箕輪町で事業を開始。現在、2代目となる小島清さん(日吉本町在住)が代表取締役となり、日吉周辺エリアを中心に「地域に根差した建設会社」として日々奔走しています。

先代で創業者の故・小島英雄さん(2014年逝去)がこの箕輪町の地で起業してから十数年後に誕生した小島さんは、川崎市立工業高校(現在の川崎総合科学高校・幸区)を卒業後、東京・世田谷区の建設会社にて勤務。道路工事などの現場監督を務めた後、東京・目黒区にある土木設計会社で、東京都の水道や下水道の設計を手掛けたといい、「図面を書きました」と当時を振り返ります。

しかし、猛烈に働いたものの、結婚して子どもも産まれることになり、地元・箕輪町で父親と一緒に働くことを決意したという小島さんは、1990年から小島建設に入社。父親らに建設業全般について学びながら、日々、日吉周辺での建設関連の仕事に邁進(まいしん)してきたといいます。

小学生時代に「そろばん」との出会い、恩師とのつながりは今も

小島さんが生まれる前の旧小島家(推定:昭和20~30年頃、小島英佑さん提供)。当時はのどかな農地が多かった

小島さんが生まれる前の旧小島家(推定:昭和20~30年頃、小島英佑さん提供)。当時はのどかな農地が多かった

父親の病気などもあり、2000年代初頭には既に代替わりをしたという小島さん。「ほとんど仕事は“口コミ”でご依頼いただくことが多いです」と語る通り、幼少時から箕輪町で過ごした小島さんは、箕輪町の街でも多く人々に親しまれた存在でした。

幼少時は「家のすぐ近くに堀があって、ザリガニがそこにいるほどにのどかな場所でした」と、懐かしい幼少期を振り返ります。

地域では、小学生時代に箕輪町町内会(子ども会)のソフトボールチームに所属し、「ポジションはピッチャーでした」と、自身快活だったというエピソードも。

小学校3年生からは、やはり地域に根差したそろばん塾として当時から有名だったという「日吉珠算講習所」(日吉2)に通塾。「他のきょうだいも皆通っていたので、そろばんが大変身近な存在だったんです」と、“当たり前”のようにそろばん塾に通い、親しんだ頃について語る小島さん。

小島さんが手掛けた「日吉珠算講習所」(リンクは同塾のサイト・浜銀通り近く)。恩師の川田晴吉さんは、今年4月から母校の川崎総合科学高校(小島さんは前身の市立工業高校時代に通学)で教鞭(きょうべん)を執るという偶然も

小島さんが手掛けた「日吉珠算講習所」(リンクは同塾のサイト・浜銀通り近く)。恩師の川田晴吉さんは、今年4月から母校の川崎総合科学高校(小島さんは前身の市立工業高校時代に通学)で教鞭(きょうべん)を執るという偶然も

「高校時代は、“助手”としてアルバイトもさせていただいたんですよ」と、現在も責任指導者として子どもたちにそろばんを指導している川田晴吉さんとも現在もつながり、2014年6月に生まれ変わった現在の建物を建設したとのこと。

「助手として活躍していた頃の彼は、明るい人柄で、生徒たちにも人気でした。教え方を自分で学び、上手に教えていました。子どもたちのそろばんを、丁寧に見ていたように思います」と川田さん。

中のコピー機などの什器(じゅうき)や、生徒たちの名前を刻んだ木の札(ふだ)も小島さんが手配してくれているといい、「今も時々声をかけて木の札の製作をお願いしているんです」と、川田さんは小島さんと今もつながる縁について笑顔で語ります。

地域に根差し「オーダーメイド」対応する小島さんの“これから”と“夢”

今年(2018年)4月にオープンした東京都品川区の和食店「つくばや」の店や建物(ビル)の設計・建設を小島さんが手掛けた(小島建設提供)

今年(2018年)4月にオープンした東京都品川区の和食店「つくばや」の店や建物(ビル)の設計・建設を小島さんが手掛けた(小島建設提供)

小島さんは、日吉台小学校(日吉本町1)、日吉台中学校(日吉本町4)卒業。地元でのネットワークからか、同窓生や知り合いから多く仕事の依頼が舞い込むといい、「同級生の実家のリフォームを手掛けたこともあります」と、懐かしい時代を分かち合った仲間たちから“頼られる”仕事にやりがいを感じているとのこと。

特に、最近手がけた店舗兼3階建てビルの新建築(品川区)も、「高校時代の同級生の奥様のご実家なんです」とつながりが縁で、建て替えを相談され、全て「オーダーメイド」での建設を手掛けたといいます。

「元々、おじいさんが一人でやっていた和食店『つくばや』を、お孫さんも一緒に経営するとのことで、ご要望を伺い、ビルやお店の図面も描かせていただいたんです。設計会社で働いた経験も活きているんですよ」と、今回、お店の内装まで一貫して手掛けたことについても“達成感があった”と、その仕事を振り返る小島さん。

「小さなことでもまずはご相談ください」と小島さん

「小さなことでもまずはご相談ください」と小島さん

「紹介だと、どうしても広域での仕事が多くなることもあるのですが、ぜひ地元・日吉エリアを熟知している身として、この“ふるさとの街”を彩る建築物やオーダーに対応していけたら」と、新築にも、リフォームにも柔軟に対応できる“職人技”で地域の役に立ちたいと、これからの夢を語ります。

地元・箕輪町に根差し、半世紀超の歴史を継ぐ小島さん。

現在、リフォームを7割、新築を3割手掛けているという小島さんならではの、大手企業にはない、地場企業としての「仕事ぶり」が、どのようにこれからも地域社会に貢献していくのか。

一つひとつ「オーダーメイド」で仕事に向き合う小島さんの姿は、これからも地域の人々にとって“頼りがいがある”存在として映りそうです。

 【関連記事】

明治時代から箕輪町で老舗の歴史継ぐ飯山さん、商工会や剣道で“地域をつなぐ”日々(2018年2月9日)※箕輪町商工会会長の飯山さんの記事

【参考リンク】

小島建設有限会社の公式サイト

法人サポーター会員:箕輪町商工会 提供)


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