今年(2018年)1月1日現在の公示地価が発表され、綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)をようする綱島東4丁目の住宅地価が昨年にも増して上昇し、神奈川県内の住宅地でトップとなる上昇率を記録しました。また、日吉本町1丁目の中央通りに近い宅地も5.0%という高い上昇率となり、県内住宅地の価格で3位を維持しています。
昨年(2017年)の公示地価では、初めて綱島駅に近い綱島東1丁目を逆転した綱島東4丁目の住宅地価。綱島SSTのオープン年となり、前年の上昇率の4.0%を超えて7.4%となり、リニア新駅の設置で活況を呈する相模原市緑区橋本を抜いて綱島東4丁目が上昇率でトップとなりました。
綱島東4丁目の鑑定評価書によると、「商業施設を含む大規模開発、新線整備等に伴う地域の底上げが見込まれ、大手不動産会社等によるマンション用地の取得が相次いでおり、今後も工場跡地等の積極的な購入姿勢は続くものと予測される」との見方を示しており、「付近での大規模開発の竣工及びその後の新線整備を控え、住居系用途の土地取得需要は強含みの傾向にある」(同)という要因が地価を押し上げたとみられます。
一方、県内では西区山手町と中原区小杉町2丁目に次ぎ、3番目に高い地価として知られる日吉本町1丁目は、昨年の4.4%を上回る5.0%の上昇率を記録。県内地価3位を維持しています。
日吉駅に近い日吉本町1丁目の住宅地については、「需要者は同一需給圏内及び都内の二次取得者を中心とした上場企業役員、医者、事業経営者の高額所得者が多く、生活利便性、交通利便性が高いため需要は底堅く、土地のみで1億円超で取引される」と鑑定評価書は市場の特性を述べました。
綱島東1丁目の鑑定対象地は、綱島東小学校(綱島東3)の鶴見川寄りにある一戸建て住宅地。町内の徒歩4~5分の場所に新綱島駅(仮称)が設けられるものの、鑑定評価書では「現在のところ地域には地域要因の変動は特に認められない」という意見と「予定新駅へも近く、需要は堅調。地価は上昇傾向である」という2つの見方を提示。昨年の3.3%をわずかに下回る3.2%の上昇率にとどまりました。
相鉄・東急直通線の開業は2023年3月末までとまだ期間が長く、完成が近づけば、綱島東4丁目のように地価が上昇する可能性もありそうです。
港北区内で上昇率が高かったベスト3は、昨年同様に日吉本町と綱島東が占めており、次の通りでした。
- 綱島東4丁目6-8(マンション、綱島1,100m)335,000円/㎡、上昇率7.4%(詳細PDF資料)
- 日吉本町1丁目5-10(一戸建て、日吉駅500m)548,000円/㎡、上昇率5.0%(詳細PDF資料)
- 綱島東1丁目16-18(一戸建て、綱島駅650m)320,000円/㎡、上昇率3.2%(詳細PDF資料)
このほかの地域については、「平成30年地価公示(神奈川県分)」のページまたは、港北区の地価一覧は国土交通省の「標準地・基準地検索システム(港北区内分)」をご覧ください。
【関連記事】
・2017年も綱島東で地価上昇、SST周辺が駅近を逆転、日吉本町1は変わらず県内3位(2017年3月23日、前年記事)
・<2016年1月の地価>注目は成長中の綱島東、日吉本町1丁目は県有数の上昇率(2016年3月23日、2年前の記事)
【参考リンク】
・平成30年「地価公示のあらまし(横浜市分)」(PDF、港北区はp25~p27)