<2022年の公示地価>綱島東の住宅地が高い上昇率、西口駅前の商業地も | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

2022年の公示地価では綱島東4丁目綱島東1丁目、大倉山3丁目、日吉3丁目の住宅地で上昇率が高く、商業地では綱島西口の駅前が港北区内で最も大きい上昇率でした。

今年(2022年)1月1日現在の地価を国が調査した「公示地価」が今月3月22日(火)に発表され、区ごとの細かなデータが23日(水)に県から一般に公表されました。各新聞が公示地価の一覧を掲載後、県ホームページ上で県民に公表しています。

神奈川県内の住宅地における2022(令和4)年公示地価の価格3位に「日吉本町1丁目5」、上昇率7位に「綱島東4丁目6」が入っている(県資料を一部加工)

横浜市の平均変動率は前年、コロナ禍の影響による先行き不透明感などからマイナス0.2%となっていましたが、今年は0.8%とプラスに転じています

港北区での平均変動率は1.5%で、前年の0.5%から上昇。また、用途別で見ても「住宅地」(計45地点)で1.6%(前年0.5%)、 「商業地」(計13地点)が1.2%(前年0.6%)、「工業地」(計4地点)は1.6%(前年1.2%)といずれも回復傾向が見られました。

区内の個別地点で見ると、上昇率が高かったのは「綱島東4丁目6」(4.2%)や「綱島東1丁目16」(3.4%)、「大倉山3丁目37」(3.1%)、「日吉3丁目11」(3.0%)、「綱島西1丁目16」(2.9%)など綱島の周辺が目立っています。

港北区内「住宅地」45地点の2022年公示地価。※印の地点は「基準地価」(毎年7月1日時点の地価調査)と同一地点(県資料を加工)

県全体の上昇率で見ても7番目に高い4.2%の上昇となった「綱島東4丁目6」は、2018(平成30)年には県内トップの上昇率を示したこともある調査地点。

「綱島東4丁目6」付近の様子

商業施設「アピタテラス横浜綱島店」の裏手に位置する7階建て57戸のマンションが調査対象となっており、今回の鑑定評価書によると「大型商業施設に近く生活の利便性に恵まれ」「商業施設を含む大規模開発等により需要は底堅い」などと評価しています。

3.4%の上昇率だった「綱島東1丁目16」は前年調査では県内10位の上昇率となっていた地点で、同地の一戸建て住宅が調査対象。現在は綱島駅東口まで徒歩7分程度ですが、来年3月に新綱島駅の開業後には徒歩5分程度の位置となります。

「綱島東1丁目16」付近の様子

鑑定評価書には「通勤利便性や良好な住環境により都内からの転入者も見られる。新綱島駅の開業が予定されており、対象標準地周辺の住宅需要は旺盛だが、供給は少ない」と記載されています。

3.1%の上昇率だった「大倉山3丁目37」は、大綱中学校に近い一戸建て中心の住宅街で、大倉山駅からは徒歩6分ほどの距離。「大倉山アドレスは従来から人気が高く、住宅需要は旺盛だが、供給が不足している」(鑑定評価書)との見方です。

「日吉3丁目11」付近の様子、左はチロル幼稚園、奥は矢上キャンパス、右ではアパートの新築も

3.0%の上昇率となった「日吉3丁目11」は、慶應義塾大学矢上キャンパスやチロル幼稚園などに近く、一戸建てを中心にマンションと大学生向けのアパートも混在する住宅地で、日吉駅からは徒歩10分圏内。鑑定書は「住環境及び利便性を両立する希少性を有する地域」と評しています。

2.9%の上昇だった「綱島西1丁目16」は綱島地区センターに近く、一戸建てを中心とした住宅街で、綱島駅西口から徒歩8分程度の位置。「高台の閑静な住宅地域に位置し、最寄駅からも徒歩圏内ということもあり、新型感染症影響下においても需給は概ね安定的。将来的には綱島駅再開発の影響も見込まれる」(鑑定評価書)との評価でした。

港北区内「商業地」13地点と「工業地」4地点の2022年公示地価(県資料を加工)

一方、商業地では、綱島駅西口のりそな銀行に近い5階建て商業ビル「綱島西1丁目1-3」が前年の1.4%を上回る3.0%の上昇率で、区内のトップとなりました。

「綱島西1丁目1-3」付近の様子

鑑定評価書では、「綱島駅至近に位置し、人通りは非常に多く繁華性は高いため、店舗需要は比較的旺盛」と評価する一方、「綱島駅東側で進行中の再開発事業完了による中心地の移動等も懸念されている」「期待感と不安感が混在している」との見方も示します。

日吉駅前の中央通りにある5階建て商業ビル「日吉本町1丁目2-2」は前年、ゼロ成長となっていましたが、今回は1.9%の上昇。「駅前の状況に特段の変動はない。人気私鉄路線駅前に位置し、需要は多く供給は僅少」(鑑定評価書)としています。

【関連記事】

【前年記事】<2021年の公示地価>綱島東1の上昇率が県内10位、港北区は0.5%のプラス維持(2021年3月25日)

【半年前】<2021年基準地価>港北区の宅地は上昇維持、「綱島西3」で前年上回る(2021年9月24日)

<2022年の公示地価>新横浜の「商業地」はまだ厳しさ、大倉山や菊名で上昇も(新横浜新聞~しんよこ新聞、2022年3月24日、区内の「商業地」について)

【参考リンク】

令和4年地価公示(神奈川県分)について(神奈川県政策局、概要は2022年3月22日、詳細は3月23日に公表)

標準地・基準地検索システム(港北区内分)※「検索」を押せば一覧が表示される


カテゴリ別記事一覧