“お役所仕事”や相談先不明の困り事も日吉の加賀さんが「行政相談」でバックアップ | 横浜日吉新聞

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“お役所仕事”に困った時や、“相談事を誰にしてよいか分からない”時にも心強い味方に――今年(2017年)4月より、横浜市港北区で3人目の「行政相談委員」として、行政書士・海事代理士の加賀雅典さん(日吉本町5)が新たに国(総務大臣)からの委嘱を受け、就任しました。

今年(2017年)4月1日付で,総務大臣より行政相談委員の委嘱を受けた加賀雅典さん。行政書士、そして海事代理士として活躍している

今年(2017年)4月1日付で,総務大臣より行政相談委員の委嘱を受けた加賀雅典さん。行政書士、そして海事代理士として活躍している

「行政相談委員」は、国民の相談相手として行政サービスに対する苦情や、行政の仕組み、手続に関する問い合わせなどの相談を受け付け、その解決のための助言や、関係行政機関に対する通知などの業務を行う人のこと。1966年制定の「行政相談委員法」で定められました。

日本全国で約5000人(各市区町村に1人以上)が配置されているという行政相談委員は、「社会的信望があり、かつ、行政運営の改善に理解と熱意を有する者として委嘱されたボランティアの民間有識者たる」(総務省サイトより)人が選ばれるとされています。

2年間の任期の中、この9月で就任後半年を迎えた加賀さんですが、まだ40代という若さでその任を受けた使命感、また行政と市民との「つなぎ役」として大役を担う行政相談委員としての取り組みについて、詳しく話を聞きました。

「どこに相談してよいかわ分からない」相談事へのアドバイスを実施

相談先が分からない時は頼れそう。相談は無料、秘密厳守で対応するとのこと(公益社団法人全国行政相談委員連合協議会発行の「ご存知ですか?あなたの街の行政相談委員」のリーフレットより)

相談先が分からない時は頼れそう。相談は無料、秘密厳守で対応するとのこと(公益社団法人全国行政相談委員連合協議会発行の「ご存知ですか?あなたの街の行政相談委員」のリーフレットより)

行政相談は、「公正・中立の立場から」、行政などへの苦情や意見、要望を受け、その解決や実現を推進するとともに、行政の制度や運営の改善に生かす仕組み(総務省サイトより)。

例えば、税金、教育・子育て、生活保護・児童手当といった社会福祉、医療保険や年金などはもちろん、配偶者暴力、ストーカー行為、セクハラ・パワハラ、勤務条件・労災などの労働に関する相談、防災・被災相談や土地・建物登記、介護保険や交通安全、鉄道・バス、戸籍、郵便・貯金、窓口サービス等、「どこに相談してよいか分からない」相談について、相談無料・秘密厳守にてアドバイスを行い、時には行政機関などへの連絡・調整なども実施するもの。行政との“懸け橋”、そして暮らしに関する声を届ける役割を担っています。

加賀さんが行政相談委員としての委嘱の打診をされたのは、今年(2017年)3月になってから。前任者の退任に伴う急きょの打診だったそうですが、「自分でよいのか、という思いはありましたが、皆様のお役に立てるならと引き受けることとしました」と快諾。「気を引き締めて、行政機関と皆様の懸け橋としてお役に立てるよう尽力したい」と、この半年間の行政相談委員としての業務に臨んできたといいます。

2カ月に1度の「定例相談会」や、商業施設での特設相談会も積極利用を

現在、港北区では唯一の男性の「行政相談委員」。行政書士・海事代理士として現役で活躍中の加賀さんは、「これまでの職務上での経験をフルに活かそうと努めています」と、行政相談委員の業務を全うする上での手応えを感じているとのこと。

今年(2017年)6月24日に行われたトレッサ横浜での行政相談会。2013年から毎年1回、鶴見区・神奈川区・港北区の3区合同にて「まちかど行政相談」として実施されている(加賀雅典さん撮影)

今年(2017年)6月24日に行われたトレッサ横浜での行政相談会。2013年から毎年1回、鶴見区・神奈川区・港北区の3区合同にて「まちかど行政相談」として実施されている(加賀雅典さん撮影)

行政相談委員に相談できる機会は、個別の相談のほか、主に2カ月に1度(奇数月の第2火曜日)、13時から15時までの間、港北区役所で開催される「定例相談会」や、トレッサ横浜(師岡町)などの商業施設で開催される「特設相談会」

「個別相談を受けた方からの、工事中の道路の見通しが悪く、歩道を広くできないかという声を、行政の担当者へ届けたこともありました。対応が滞った場合には文書を作成して対応を後押ししたことも。これまでの区内外での職務経験を活かし、どの行政機関のどの窓口にお伝えしたらよいか、という点についても、ぜひご相談をいただければと思います」と、就任半年にして、より踏み込んだ対応も実施できていることについて、加賀さんは、より一層の使命感を感じているといいます。

法律などでくくることも難しい、一般的な市民生活をしていく中での要望、また困り事があった場合など、「安心・安全に日常の生活を過ごしていくためにも、困っている人々を“導いて”いくことができれば。行政相談委員の業務は、まさに“道案内”。行政書士、そして海事代理士としてこれまで取り組んできた知識や経験を活かすこともできます。ぜひ相談会などでご相談いただき、お声をかけていただければ」と、行政相談のより一層の利用を呼び掛けています。

「行政」と「市民」をつなぐパイプ役、国へも意見をフィードバック

行政と市民の“パイプ”役として、「(行政・市民の)お互いの“気持ち”をつなげていきたい」という加賀さん。

行政相談の流れを実際の事例で説明した案内(公益社団法人全国行政相談委員連合協議会発行の「みんなの声が街をかえる」より)

行政相談の流れを実際の事例で説明した案内(公益社団法人全国行政相談委員連合協議会発行の「みんなの声が街をかえる」より)

税金を納めているから、役所の一員としての立場があるから、という「紋切り型」の生き方・仕事の仕方では、“問題解決ができない”時代。そこには、様々な人生の“困りごと”、そして少子高齢化と、ますます疲弊しかねない日本社会全体の問題も山積しています。

市民・行政の心が「ひとつ」になって、より“幸せな日々”を一人ひとりが過ごしていくためには、自治体単体では陥りやすい独善的な行政のルールやしがらみも超える必要があります。「国(総務大臣)に対して、行政相談の業務を通じて得られた行政運営の改善に関する意見を、自らが直接述べることもできるので、安心してご相談いただければ」と、加賀さんは、行政相談委員業務の有する可能性や必要性について、力を込めて語ります。

行政機関の壁にとらわれない、「公正・中立の立場」としての加賀さんら行政相談委員の取り組みや、「一人ひとりの気持ちをつなげたい」という想い。これこそが、先行きが不透明なこの時代において、“より住みやすい街”を具現化するために各機関をつなげ、それぞれがより重要な役割を果たすことにつながることは、間違いなさそうです。

<予約不要の「無料法務相談会」開催>

行政書士・海事代理士としての加賀さんは、月に2回、日吉駅近くにおいて、予約不要の無料相談会を開催。相続・相続対策・遺言・贈与・成年後見・財産管理・死後事務・法人設立・契約書作成・離婚等でお悩みの方は、お気軽にお寄りくださいとのこと。

日吉本町東町会会館は日吉中央通り沿い、日吉駅から徒歩約5分の場所にある

日吉本町東町会会館は日吉中央通り沿い、日吉駅から徒歩約5分の場所にある

・場所:日吉本町東町会会館(日吉本町1-8-4、日吉駅西口から中央通り直進約5分・日吉内科隣り)

・日時:2017年9月22日(金)、10月13日(金)、10月25日(水)13時30分~16時(毎月2回)

※以降も毎月各2回開催(具体的な日程は,同事務所のサイトをご確認ください)

相談会開催日以外のご相談につきましても、お気軽にお問い合わせくださいとのこと(土日祝日・夜間・出張訪問対応可、予約制)

【2017年11月2日追記】

日吉本町東町会会館での11月の無料相談会の日程が決まりました。

・日程:2017年11月8日(水)、11月24日(金)(詳細は上記ご案内をご覧ください)

【2018年1月10日追記】

港北区役所の2階で奇数月の第2火曜日、13時から15時まで開催されている「定例相談会」開場にて。右から田野井三枝子さん、小山米子さん、加賀雅典さん。多くご利用いただきたいとのこと(2018年1月9日撮影)

港北区役所の2階で奇数月の第2火曜日、13時から15時まで開催されている「定例相談会」開場にて。右から田野井三枝子さん、小山米子さん、加賀雅典さん。多くご利用いただきたいとのこと(2018年1月9日撮影)

【関連記事】

慶大時代から日吉に住んで22年、行政書士・加賀さんが築いた地域との信頼感(2016年9月14日)

【参考リンク】

行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所の公式サイト

行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所Facebookページ

行政相談とは(総務省サイト)

行政相談委員の活動(総務省サイト)

(提供:行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所)


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