港北区内でも閉店相次ぐ「銭湯」、530円に値上げで経営は好転するか | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

経営努力だけでは限界に達し、一昨年(2022年)9月に続く値上げとなります。

神奈川県は県内で120軒(うち横浜市内52軒、川崎市内35軒=2023年4月時点)が営業する「銭湯」大人料金について、来月(2024年)2月1日(木)から30円値上げして530円とすることを発表しました。

「銭湯」は日常生活に必要な施設として、「物価統制令」により現在も入浴料金は都道府県(知事)が上限額を決めることになっており、神奈川県内の銭湯は2024年2月1日からの値上げが決まった(神奈川県の発表ページより)

県内の銭湯では、燃料費の高騰などから2020年9月に大人料金を20円上げて490円、一昨年(2022年)9月には同10円上げて500円と段階的に値上げしてきましたが、物価の上昇もあって銭湯の経営状況は好転していないといいます。

港北区内の太平湯(資料写真)

今回、中人(6歳以上12歳未満、 200円)と小人(6歳未満、100円)の料金を据え置いたうえで、大人料金(現行500円)を6%値上げし530円とすることを決めたものです。

これにより、東京都や大阪府の520円(大人料金)を抜き、全都道府県で神奈川県がもっとも高額の大人料金となる予定です。

綱島西4丁目で半世紀超にわたって営業していた「草津湯」は昨年2月26日に閉店した(2023年2月撮影)

銭湯の経営状況については、港北区内でも厳しい状況が続いており、新型コロナ禍以降には大倉山3丁目の「しのぶ湯」が建設費の高騰で建物の建て替えを断念して閉店。昨年(2023年)2月には綱島西4丁目の「草津湯」も営業を終えており、区内で残る銭湯は5軒のみになりました。

今回の値上げによって、これ以上の銭湯減少を食い止めることはできるでしょうか。

港北区内の「銭湯」5軒

  • 旭湯(日吉2):日吉駅から徒歩6~7分
  • 日吉湯(日吉本町4):日吉本町駅から徒歩3~4分
  • 富士乃湯(綱島西3):ラジウム鉱泉もあり、綱島駅西口から徒歩9~10分
  • 太平館(大曽根1):「綱島温泉」をほうふつとさせる大曽根商店街の天然ラジウム温泉。大倉山駅から徒歩10~11分、綱島駅東口から徒歩13~14分
  • 福美湯(菊名6):菊名駅東口から徒歩4~5分、港北図書館に近い綱島街道至近

【関連記事】

・【前回値上げ時】神奈川県の「銭湯」は大人500円に、燃料高騰とコロナ禍で2年ぶり値上げ(2022年8月10日)

【参考リンク】

神奈川県「公衆浴場入浴料金統制額の改定について」(2024年2月1日実施)

神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合(県内の銭湯検索も可能)


カテゴリ別記事一覧