「箕輪町の新米」が地元小の給食に、“もちもち”食感が子どもたちにも好評 | 横浜日吉新聞

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「もちもちしている」「かみごたえがあって美味しい」――子どもたちにも“地元のお米”の評判は上々だったようです。

横浜市立箕輪小学校(箕輪町2)の学校給食で、初めて地元「箕輪米」の新米を炊き上げたごはんが提供された

横浜市立箕輪小学校(箕輪町2)の学校給食で、初めて地元「箕輪米」の新米を炊き上げたごはんが提供された

今年(2020年)4月に開校した横浜市立箕輪小学校(箕輪町2、井上強校長)は、地元・日吉エリアの箕輪町で今年9月に収穫したばかりの新米約44キログラムを、1888(明治21)年創業、130年超の歴史を持つ角屋商事株式会社(箕輪町3)経営の「ヨコハマライスセンター・角屋」から仕入れて購入。

初の地元・日吉「箕輪米」を使用した給食として、先週12月4日(金)に、3年生と4年生の各学年3クラス約170人の児童に提供しました。

地元・箕輪町の「ヨコハマライスセンター」から仕入れたお米の袋を手にする浅見さん。真新しい給食室の前で

地元・箕輪町の「ヨコハマライスセンター」から仕入れたお米の袋を手にする浅見さん。真新しい給食室の前で

前任地が同じ港北区内の新羽小学校(新羽町)だったという、学校栄養職員の浅見(あざみ)翔子さん

同校の保護者学校地域コーディネーターらから「箕輪米のことを初めて教えてもらい、箕輪町に水田があるということに大変驚きました」と、自然が豊富で農作物の産地としても知られる新羽地区とはまた異なる日吉近郊エリアに今も残る自然や農作物の恵みに魅了されたと語ります。

新型コロナウイルスの影響も残る学校生活の中で、子どもたちに学校や地域に愛着を持ってもらうためにも、「少しでも地産地消を」との願いを実現させたいと感じたという浅見さん。

「スチームコンベクションオーブン」から“もちもち”に仕上がったというごはんを取り出すところ(箕輪小学校提供)

「スチームコンベクションオーブン」から“もちもち”に仕上がったというごはんを取り出すところ(箕輪小学校提供)

江戸時代から数百年以上もの間、稲作の歴史を継ぐ箕輪町の小嶋喜久夫さん家族が育て、収穫した貴重な「箕輪米」を、明治時代創業の「ヨコハマライスセンター」が扱っていると知るやいなや、給食用の白米としての納入を打診。

横浜市への手続きを経て、“晴れて”給食としての提供が実現することになったと、浅見さんは満面の笑顔で語ります。

仕入れた約44キログラムのお米のうち、この日は約12キログラムを使用。

この日の給食が「箕輪米」と知り子どもたちは大喜び

この日の給食が「箕輪米」と知り子どもたちは大喜び

調理には、炊飯器ではなく、料理の幅が広がるということで、最近少しずつ各校に導入されはじめているという「スチームコンベクションオーブン」を活用し炊き上げたとのことで、「スチーム量を調整しながら炊き上げました。試験的に炊いた190度の設定だと固くなってしまったので、180度で挑戦したら、よりふんわり仕上がりました」と、浅見さん。

各教室では、「もちもちしている」という感想が最も多く、「かめばかむほど味が出て美味しい」「甘くて柔らかい」といった声もあがっていました。

各教室で子どもたちに直接「箕輪米」ストーリーについて知らせる浅見さん

各教室で子どもたちに直接「箕輪米」ストーリーについて知らせる浅見さん

角屋商事の飯山清志さんは、「お米の生育や味わいは、天候にも左右されるので、今年は美味しい新米として収穫できたのかもしれません」と、初となる給食としての新米の提供や、子どもたちの感想を喜びます。

同社で10月から社長に就任した飯山洋平さんも、「子どもたちが、授業で当店に立ち寄ってくれるかもしれないと聞きました。子どもたちに地元・箕輪米の新米の味わいを喜んでもらえて本当に嬉しい」との感想を述べていました。

浅見さんは、子どもたちの感想を、小嶋さんや飯山さんに届けたいと考えているという

浅見さんは、子どもたちの感想を、小嶋さんや飯山さんに届けたいと考えているという

浅見さんは、「お米は、収穫後、また土づくりなど、1年間もの時間をかけて作るもの。感謝の想いを、子どもたちにカードに記入してもらい、小嶋さんや飯山さんに届けたいと思っています」と、生産者や販売業者への感謝の想いを“形”にするプランについても熱く語っていました。

特に、数少ない水田が横浜市港北区の日吉エリアにまだ存在しお米を収穫できるという事実、そして給食メニューとしての提供は、子どもたちにとっての心の拠所としての「ふるさと」を、この地域で感じてもらうための貴重なエピソードとして語り継がれていきそうです。

写真は角屋商事から提供してもらい、ポスターを浅見さんが手作りしたという

写真は角屋商事から提供してもらい、ポスターを浅見さんが手作りしたという

なお、同社によると、「今年の箕輪米はすでに完売しました」(飯山清志さん)とのこと。

同校では、今月中にも、残る1、2年生と、5、6年生、個別支援級の約430人もの児童に、「箕輪米」給食が提供される予定とのことです。

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<レポート>箕輪小が開校記念式典、児童と教職員、地域が「未来への夢」共有(2020年11月30日)

【参考リンク】

横浜市立箕輪小学校のサイト

角屋商事株式会社公式サイト

角屋商事~日吉のお米屋さん~Twitter


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