児童が急増する学校だからこそ、もっと地元を知りたい――地元・日吉で育てられた「お米」について、今年も児童が給食などで楽しみながら学んでいます。
箕輪町2丁目の再開発エリアにある横浜市立箕輪小学校では、先週(2021年)11月1日、1年生と5年生を対象とした学校給食のメニューとして、地元・日吉の箕輪町で収穫した「箕輪米」を採用。
お米を生産した同町在住の小嶋喜久夫さんを同校に招いての、初めての試食をおこないました。
箕輪小学校で小嶋さんが作った神奈川産の米「はるみ」を給食に導入したのは、昨年に引き続いて2年目。
学校栄養職員の有竹真由美さんが、「箕輪米」について調べた情報をまとめて全校児童に伝えたほか、5年生を担当する坪井美穂子教諭も、社会科で稲作について学ぶ際、田植えから稲刈りの様子などを写真に収め、授業内でそのエピソードについて紹介していました。
小嶋さんは、江戸時代から数百年は続いてきたという、箕輪町3丁目に約2700平方メートルのエリアに広がる水田を、祖父の八郎さん、父の久和さん(いずれも故人)から引き継ぎ、今に伝える取り組みをおこなう日々。
「自然が好きだから」と笑顔で語る小嶋さんは、幼少時から米作りを手伝ってきたといいますが、大学を卒業後、会社員となり、大手電子部品メーカーで技術・開発を手掛けながら「米作り」を手伝うことに。
現在も、技術アドバイザーとしての勤務をおこないながらの農作業にもチャレンジしています。
小嶋さんは、「お米のほか、畑でもトマトやキュウリ、ナスやインゲン、ジャガイモやブロッコリー、カリフラワーなども育てています」と、JA横浜(横浜農業協同組合)に卸すこともあるという野菜づくりについても説明。
学区の日吉台小学校(日吉本町1)の児童らが今は取れなくなった柿の実を取りにくることもあったといい、「機会があれば、ぜひこれからも野菜や果物、そしてお米といった農作物を育て、収穫することの楽しさ、大切さを伝えたい」と小嶋さんは、仕事をしながらおこなう農業の大切さについて、ここ地元・箕輪町から次世代に伝えていきたいとの想いを抱いていると語っていました。
小嶋さんが「おいしい」と試食した後に訪れた、5年生3クラス約90人、1年生6クラス約190人の教室では、「スチームコンベクションオーブン」を活用し炊き上げた「箕輪米」をほおばる子どもたちの笑顔が。
「もちもちしている」、「食べ応えがある」という声が複数あがり、小嶋さんも喜びの笑顔で応えていました。
同校では、来年(2022年)春には、プラウドシティ日吉の第3期入居がスタート。
1年生のクラスについて、「210人を超える児童の入学により7クラス以上となる予測で、早くも教室が足りなくなることが想定されています」と井上強校長。
児童数の大幅な増加により、来年度は「箕輪米」を提供できるかについては「難しい可能性」(井上校長)とのことです。
なお、2年生と6年生には15日(月)、3年生と4年生、個別支援学級の児童には25日(木)に「箕輪米」での給食が提供される予定とのこと。
同小学校では、大倉山の梅林でとれた梅で作った「梅酒」を使用した「白身魚の梅酒ソース」や、区内で育った小松菜の「ふりかけ」などをメニュー化した、港北区全体で6年目となる「港北区ランチ」の取り組みもあす9日(火)におこなう予定となっており、児童にとって地域を「食」で学び、街を「食」で知ることにつながっていきそうです。
【関連記事】
・神奈川・日吉の「はるみ」を今年も発売、“しっかり食感で甘み”と箕輪町の米店(2021年10月5日)※今年の「箕輪米」の販売について
・「箕輪町の新米」が地元小の給食に、“もちもち”食感が子どもたちにも好評(2020年12月9日)※昨年の記事
・プロバスケの楽しさや「夢」伝える、日吉の新設校にビーコル選手が初訪問(2021年6月1日)
・<レポート>箕輪小が開校記念式典、児童と教職員、地域が「未来への夢」共有(2020年11月30日)
・<箕輪小で初の入学式>想定上回る児童数で開校祝う、新校舎とアリーナも初披露(2020年4月7日)
【参考リンク】
・【みのわ日記】10月29日 週末ふりかえり(横浜市立箕輪小学校)※「みのわ町のお米」について児童に紹介したエピソードを掲載
・角屋商事株式会社公式サイト ※今年の「箕輪米」は既に完売。小嶋さんから仕入れて同小学校に納品している