高田と新吉田をつなぐ橋の銘板(橋名板)を、それぞれの橋のたもとの中学生が揮毫(きごう=毛筆で文字を書くことの意)しました。
今年(2020年)3月、都市計画道路「宮内新横浜線」の一部で、早渕川(早淵川)に架けられた「高吉(たかよし)橋」と、同橋に結節している「高吉北橋」、「高吉南橋」の3つの橋が完成。
横浜市港北土木事務所(大倉山7、秋本圭一所長)は、これらの橋の完成にあわせ、それぞれの地元となる高田中学校(高田町、横田由美子校長)、新田中学校(新吉田東5、簗瀬一爾校長)の生徒の揮毫による橋名板を作成できないかと提案。
これに両校が応じ、橋の竣工(しゅんこう)に合わせて作成・設置されました。
高田側の橋名板は高田中学校の生徒が担当し、「高吉北橋」は大西健士郎さん、「たかよしきたはし」は森久保凜さん、「たかよしはし」は横山更さん、「早淵川」は坂本綾香さん、高吉北橋の「令和二年三月竣功」は相沢真央さん(駅側)と山内多恵さん(川側)がそれぞれ揮毫。
新吉田側は新田中学校が担当し、「高吉橋」は井上絢葉さん、「高吉南橋」は寺下凜さん、「たかよしみなみはし」は毛利乃々香さん、高吉橋の「令和二年三月竣功」は冨島友里さん、高吉南橋の「令和二年三月竣功」は、岸本佳璃さん(川側)、東綾乃さん(新吉田側)が揮毫しています。
いずれも毛筆での作成は、橋の完成を前にした前年度(2019年度)の冬の間に行われたもので、年度内(2020年3月まで)に「感謝状」と、記念品となる「ミニ銘板」仕様の文鎮(ぶんちん)を贈呈する予定となっていましたが、新型コロナウイルス感染症による休校の影響で延期に。
先週6月26日午後に高田中学校で行われた同校生徒への「感謝状贈呈式」には、同校の生徒や、筆を執った時は3年生で、現在は高校に進学している生徒も招かれ、複数の生徒の保護者らも駆け付けていました。
高田中学校側では、書き初めの課題で入賞した生徒が“手を挙げる”形式での選考が行われたとのことで、毛筆での「横書き」や「ひらがな」での筆使いの苦労や、「自分が選ばれて驚いた」、「一生残るものなので、自分の字が使われることが大変嬉しい」といった声も生徒から上がっていました。
港北土木事務所によると、橋の名前は2018(平成30)年12月に、自治会・町内会など地域住民へのヒアリングを経て最も要望が多かったという、「高田」と「新吉田」の両地名を組み合わせた「高吉橋」に決定。
今回の橋名板の設置は、昨年(2019年)12月に、新羽町と大倉山6・7丁目を結ぶ「新羽人道橋」(鶴見川)に、神奈川県立港北高校(大倉山7)の書道部の生徒が橋名板を揮毫したことに続き、地域の生徒による製作が実現したものとなっています。
感謝状を贈呈した同土木事務所の加藤日出美副所長は、「末永く、この橋を通行してもらい、時が経っても、ぜひ未来の家族に橋名板を記したことを紹介してもらえれば」とあいさつ。

1947(昭和22)年創立の新田中学校は新吉田東5丁目のバス通り沿いにある。新型コロナ影響もあり、当初想定していた両校集っての感謝状贈呈式は見送られたが、橋が通じたことによる両校の「未来の交流」にも期待したい
高田と新吉田をつなぐ「橋」が、それぞれの地元中学生の文字でその歴史を刻み、地域社会により親しまれる「まちの宝物」としての存在感を高めていくことになりそうです。
なお、宮内新横浜線の車道の全通は今年度(2021年3月)中を目標としており、開通後は高田から工事区間の新吉田を経て、新横浜までつながる予定となっています。
また、新田中学校には、6月12日に同土木事務所から「感謝状」と記念の文鎮がすでに届けられたとのことです。
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・高田地区と新吉田東3丁目を結ぶ「高吉橋」、歩行者のみ通行が可能に(2020年4月1日)
・宮内新横浜線「高田~新吉田東」、暫定開通は未通区間の安全確保が課題(2020年3月4日)
・<港北高校>鶴見川・新羽人道橋の銘板を揮毫、港北土木が12月設置へ(新横浜新聞~しんよこ新聞、2019年11月18日)
【参考リンク】
・【横浜日吉新聞に掲載されました】『「高吉橋」橋名板の高田中・新田中生徒による揮毫(きごう)』(横浜市立高田中学校)※リンク追記
・宮内新横浜線(新吉田高田地区=高田駅側)の状況(横浜市道路局のサイト)
・宮内新横浜線(新吉田地区)の状況(同)