<寒さも影響>強い胸の動悸(どうき)の原因、アピタ内の専門医が語る“不整脈” | 横浜日吉新聞

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アピタテラス2階のクリニックテラス内にある「ハート内科クリニックGeN横浜綱島」では、専門医としての心臓疾患に関する受診者も増えている

アピタテラス2階のクリニックテラス内にある「ハート内科クリニックGeN横浜綱島」では、専門医としての心臓疾患に関する受診者も増えている

法人サポーター会員による提供記事です】胸のドキドキをいつもより強く感じる時、そこには病気が隠されていることも――自分の心臓の「拍動」(はくどう)を、いつもより強く感じた場合には注意してほしいと専門医が呼び掛けています。

綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)内にあるアピタテラス横浜綱島(綱島東4)内に今年(2018年)4月オープンした「ハート内科クリニックGeN横浜綱島」院長・源河朝広さんは、日本内科学会(文京区)の認定医として内科の診療を日々行うのみならず、循環器内科を専門分野とし、日本循環器学会(千代田区)専門医として心肺蘇生教育に携わっています。

胸のドキドキをいつもより強く感じる時、そこには病気が隠されていることも。脈拍数が1分間に150回くらいかそれ以上ある場合、またリズムが乱れている場合は早めに専門医の受診を(写真はイメージ)

胸のドキドキをいつもより強く感じる時、そこには病気が隠されていることも。脈拍数が1分間に150回くらいかそれ以上ある場合、またリズムが乱れている場合は早めに専門医の受診を(写真はイメージ)

医院名として、「心臓」の英語(ハート)を冠したこともあり、専門分野である心臓に関する病気での診察も、開院以来増加しているという同院ですが、特に寒さも影響することがあるという心臓の「動悸(どうき)」については、「不整脈や心不全、狭心症といった心臓に関する病気が原因の場合、また心臓とは関係がない甲状腺の病気や貧血といったケースも考えられます」と源河さん。

「脈拍数が1分間に150回くらいかそれ以上ある場合、またリズムが乱れている場合は、不整脈の可能性が高いので、精査が必要です」と、詳しい検査が必要であると指摘します。

同院では、今回のようなケースでは、血流検査心電図動脈硬化の検査や心臓超音波検査(心エコー)などの検査を実施、24時間計測する心電図の計測機器を持ち帰る場合を除き、おおむね半日くらいで結果が判明するといいます。

不整脈には3つのケース、詳しい検査が必要な場合も

ひと口に「不整脈」といっても、不整脈には様々な種類が。その中でもよく認められる不整脈で注意が必要なものは3つあり、その一つ目に挙げられるのが30代から見られはじめるという「心室期外(しんしつきがい)収縮」という症状。

「心室期外収縮は最もよく見られる不整脈で、脈が飛んだり、一瞬だけ「ドキ、ドキ」したりするような動悸は、この不整脈によるものです。心室期外収縮そのものは、ほぼ問題がないケースがほとんどですが、時に心不全や狭心症、心筋症など大きな心臓の病気が隠れていることがあるので、一度はスクリーニング検査(症状がない人に対しての病気の可能性を調べる検査)が必要になると説明しています」と源河さん。

24時間計測する持ち帰り可能な心電図の計測機器

24時間計測する持ち帰り可能な心電図の計測機器

二つ目が「発作性上室頻拍(じょうしつひんみゃく)」。これは、生まれつき心臓内の電線が余分に存在することから起きる、突然脈が速くなる不整脈のことで、「10代から40代の女性に多く見られます。運動などしていないのに、まるで全力で走っているときのように突然心臓が『バクバク』し始めて、脈拍数が1分間に150回程度になります。発作が止まるときも突然停止します。動悸発作は数分から数時間、時には半日以上も続くときがあります」とその“突如”起きたり、止まったりという症状について説明します。

そして40代以降、50代より上の世代に多くみられるのが、三つ目となる「心房細動」。「心房細動の特徴は脈のリズムが規則的でなくなり、全くバラバラになること。この不整脈は、心不全や脳卒中の大きな原因になるので、いち早い専門医による治療が必要です」と、重大な疾患予防への速やかな対処が必要と訴えます。

源河さんは、「それぞれ治療法が異なるので、医師の診察を受けてほしい」と、三つの異なる不整脈についての注意を呼び掛けています。

動悸や脈拍数の高さで“気を付けるべき”点とは

それでは、いつもより強い動悸や、脈拍数の高さを感じた場合、どのような点に注意したらよいのでしょうか。

一瞬で脈拍数が跳ね上がるような場合は、なるべく早めの診察が必要(写真は同院内の心電図)

一瞬で脈拍数が跳ね上がるような場合は、なるべく早めの診察が必要(写真は同院内の心電図)

まずは、「通常時は、人の脈拍数はなだらかに上がり、下がるものなのですが、一瞬で脈拍数が跳ね上がるような場合は、なるべく早めの診察が必要です」と源河さん。

また、動悸が突然起きて突然停止する場合、脈のリズムがバラバラの時などは、「不整脈の可能性が高いので、注意が必要です。特に“心房細動”の場合は、動悸症状がなく気づかない人が多いので、血圧計などで脈が乱れているかを調べることも大切です」と、病気の早期発見につながる脈拍「リズム」のチェックも大切と訴えます。

心房細動により心臓内に血のかたまり(血栓)ができてしまい、それが血流にのって脳の血管を詰まらせることで脳梗塞(こうそく)が起きるというリスクもあるので、「不整脈それ自体には、現代医学では明確な予防方法がありません。生活習慣とも関係がないと言われ、飲み薬による治療やカテーテル治療(カテーテルは“細い管”の意味)が重要となります。特に高齢の方は注意が必要です」と、源河さんは、病気が悪化する前の、なるべく早い段階での専門医の受診を呼び掛けています。

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【参考リンク】

ハート内科クリニックGeN 横浜綱島の公式サイト

法人サポーター会員:ハート内科クリニックGeN 横浜綱島 提供)


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