<アピタテラス内>ハート内科が土曜を予約外来に、平日の時間拡大や高血圧の新基準も | 横浜日吉新聞

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アピタテラス2階の医療モール「クリニックテラス」にあるハート内科クリニックGeN横浜綱島。この6月1日(土)から、土曜日の外来は完全予約制となった

アピタテラス2階の医療モール「クリニックテラス」にあるハート内科クリニックGeN横浜綱島。この6月1日(土)から、土曜日の外来は完全予約制となった

法人サポーター会員による提供記事です】「質」にこだわるクリニックとして、一人ひとりの受診者ときちんと向き合いたい――昨年(2018年)4月オープン、今年(2019年)4月で開業1周年を迎えた、綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)アピタテラス横浜綱島2階にある「ハート内科クリニックGeN横浜綱島」(綱島東4)。

同院では、平日の診療時間の拡大と、土曜受診の「完全予約・専門外来」への変更を、きょう6月1日(土)より行います。

この1年余りを振り返り、院長の源河朝広(げんかちょうこう)さんは、「予想を上回る来院数で、大変驚いています。半径約5キロメートル圏内の皆さんが多く、約10キロ圏内からも受診いただいています」と、中規模病院に匹敵するレベルでの検査機器を導入した点も好評を博しているといいます。

ハート内科クリニックGeN横浜綱島は、内科のほか、循環器内科を専門とし開院。同院のロゴマークも、専門分野の「ハート(心臓)」をイメージしたデザインを採用している

ハート内科クリニックGeN横浜綱島は、内科のほか、循環器内科を専門とし開院。同院のロゴマークも、専門分野の「ハート(心臓)」をイメージしたデザインを採用している

看護師臨床検査技師事務スタッフも総勢11人体制に拡充、来月からは、平日(月曜日から金曜日)午後の診療時間を14時30分から開始(15時から変更)、受付時間を新たに設けるなど、「より受付も診察もスムーズに行える体制への移行を行います」と源河さん。

特に土曜日は、同院の専門科目である循環器内科での受診予約が埋まりがちになってしまうことから、「専門医療を必要とする方へ、できる限り質の高い診療を提供できるよう」(源河さん)にと、来月(6月)からは、同曜日の診療を「完全予約・専門外来制」に変更することに。

虚血性心疾患、不整脈、心不全、弁膜症、肺高血圧症などの「心臓病」や、高血圧、高コレステロール血症(脂質異常症)、糖尿病といった「生活習慣病」、橋本病やバセドウ病などの「甲状腺疾患」での受診を希望する予約患者のみ土曜日は受診できるとのことで、「(土曜日は)ご予約の上、ご来院ください」と、源河さんは、土曜日に限り、専門的な治療での予約・来院を呼び掛けています。

「高血圧」ガイドラインが5年ぶり変更、最新基準での受診を

同院での、高血圧症の診療指針の一つである日本高血圧学会(東京都文京区)の「高血圧治療ガイドライン」が5年ぶりに改訂され、今年4月25日に2019年版として発表されました。

土曜日の診察を「完全予約・専門外来制」に変更するとの案内(ハート内科クリニックGeN横浜綱島のサイトより)

土曜日の診察を「完全予約・専門外来制」に変更するとの案内(ハート内科クリニックGeN横浜綱島のサイトより)

このガイドラインについては、最近のNHKの全国ニュースや健康番組でも取り上げられるなど、各メディアでも大きな注目を集めています。

これを受け、同院でも「最新の診療に対応します。当院ホームページ内・診療案内の『高血圧』の項目でも、内容を同ガイドラインに合わせてアップデートしました」と源河さん。

まず、日本での高血圧有病者の推計数は4300万人。日本国民の実に3人に1人が該当するといいます。

そのうち治療中でコントロールが良いとされているのは1200万人、治療を受けているものの、コントロールが不十分とされている人が1250万人、高血圧と分かっているものの、まだ治療をしていない人が450万人、高血圧なのに高血圧と認知せず、治療も行っていない人が1400万人もいると同ガイドラインでは指摘しています。

そういった状況下でも、例えば日本人の死亡原因の約6割を占めるという生活習慣病の予防のため、40歳から74歳までの人を対象に、「メタボリックシンドローム(メタボ)」(内蔵肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすい病態=厚生労働省)に着目し行われている「特定健診」の受診率は、神奈川県でもわずか49.7%(神奈川県、2015年・厚生労働省)と、大変低い数値となっています。

中規模病院並みの検査機器を導入

中規模病院並みの検査機器を導入

健康診断を受けない人が多いなかでの「認知せず、治療も行っていない」人々の存在も問題ですが、さらに問題と言えるのが、「治療しているものの、コントロールが不十分」なケースと源河さん。

その人数は、(前述のように)コントロールが良好な患者とほぼ同じくらいとなっており、今回のガイドラインで克服すべき課題としてはじめて取り上げられています。

ガイドラインで示されている「降圧」達成の目標値よりも高いにもかかわらず、治療を強化せずにそのまま様子を見ること(治療イナーシャ=イナーシャは英語で“慣性”の意味)などにより、結果的に生命予後(治療後の見通し)や、脳卒中心筋梗塞の発症などに悪影響を与えると考えられているとのこと。

特に、今回のガイドライン改訂では、降圧目標を、75歳未満(成人以上)で「125/75mmHg未満」(家庭血圧=家にいるときの血圧、家庭で測定する血圧の意味)、75歳以上で「135/85mmHg未満」(同)に設定しています。

「従来の欧米のガイドラインと概ね整合性のとれた国際標準の基準を採用し、これまでよりも低く数値を設定しています」と、源河さんは“画期的な判断”がなされたという新ガイドラインについて説明します。

血圧が「降圧目標」に到達しているか、常に意識を

治療をしていても、「降圧目標に達しない」理由としては、高血圧症は症状がないため効果が不十分であることを自覚できない生活習慣(減塩や運動)を改善することが困難、薬が増えるのを嫌がる(増えても効果を実感できないため)、旧来の高すぎる「高血圧の基準」を未だに信じているため下がりすぎを恐れるケースなどがあるといいます。

最新の医療ガイドラインも随時採用、職員も増員し診療体制の充実をはかる

最新の医療ガイドラインも随時採用、職員も増員し診療体制の充実をはかる

この状況を改善するためには、「家庭血圧を積極的に記録して自分の血圧値を意識し、最新の知識に基づいて治療の効果を判定する必要があります。日本高血圧学会では、家庭血圧を治療効果の判定に用いることを積極的に推奨しているのです」と源河さん。

同院では、米国心臓協会米国心臓病学会、そして日本高血圧学会のガイドライン最新版に則り、診療方針を決定しているとのことで、「漫然と治療を受けるのではなく、減塩や運動などの生活習慣の改善をしっかりと心がけ、ぜひ最新のガイドライン(医学研究)に則って、自身の血圧がしっかりと降圧目標に到達しているかを常に意識してもらえれば」と、“高血圧の最新の常識”についても改めて確認する必要性を訴えます。

初診時の主な診療内容から、高血圧の治療に関するQ&Aまで、同院のサイトにも詳細を掲載しているとのことで、「当院サイトも、ぜひご覧ください。不明な点は、診察時にも改めて相談してもらえれば」と、源河さんは新ガイドラインに則った治療を広く呼び掛けています。

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【参考リンク】

ハート内科クリニックGeN 横浜綱島の公式サイト

2019年6月より土曜日の診療を「完全予約・専門外来制」に変更いたします(同院サイト)

高血圧症(同院サイト)

法人サポーター会員:ハート内科クリニックGeN 横浜綱島 提供)


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