「塾生会議」学生が日吉の小学生と交流、“街の誇り”の慶應大学を目指す | 横浜日吉新聞

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慶應義塾大学で昨年度(2022年度)新たに立ち上がった「塾生会議」が、2年目の活動で地元小学校での児童との交流を初めて行いました。

慶應義塾のビジョン・目標・ターゲットを提言する活動を昨年度(2022年度)から行っている「塾生会議」(代表:奥田暁代常任理事)。

慶應義塾のビジョン・目標・ターゲットを提言する「2023塾生会議」SDGs目標11「住み続けられるまちづくり」を担当する皆さん(横浜市立日吉台小学校)

慶應義塾のビジョン・目標・ターゲットを提言する「2023塾生会議」SDGs目標11「住み続けられるまちづくり」を担当する皆さん(横浜市立日吉台小学校)

大学の10学部すべてから選抜された学生が、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標) を実現するための学びを深め、意見・提言をまとめ、今年度にさらにそれを発展させるための「2023塾生会議」として、今年度(2023年度)の活動を行っています。

きのう(2024年)1月17日午後、慶應大学日吉キャンパス(日吉4)至近にある、横浜市立日吉台小学校放課後キッズクラブ(日吉本町1、株式会社理究キッズ運営=本社:西区高島)を、慶應大学の7人の学生が訪問。

「大学生ブックキャラバン~本とゲームで楽しもう」企画は大成功。子どもたちと「絵本」を通じた活発な交流が生まれていた

「大学生ブックキャラバン~本とゲームで楽しもう」企画は大成功。子どもたちと「絵本」を通じた活発な交流が生まれていた

SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」を担当するグループのリーダー・安島芽生(めい)さん水品琥太(みずしなこうた)さん手賀梨々子さんと、応援メンバーの錦見(にしきみ)優さん児玉悠(ゆう)さん佐々木愛斗(まなと)さん布川(ぬのかわ)拓人さんの7人が、同クラブを利用している約50人の児童や、イベントの開催を支援し見守る職員・スタッフたちとの交流を深める機会となりました。

今回は、「日吉の住民と慶應生が交流し、お互いをより知ることで、『近くて遠い慶應大学』から、『街の誇りの慶應大学』に変えていくこと」を目標とするという、SDGs目標11のビジョンを前年度から継承。

普段接することがない児童が多い「大学生」が読み上げる絵本や本に子どもたちも大喜び。食い入るように本の世界に引き込まれていた

普段接することがない児童が多い「大学生」が読み上げる絵本や本に子どもたちも大喜び。食い入るように本の世界に引き込まれていた

2050年までに「好感度80%」を目指すという“提言”を受けて、住民と大学の「精神的な距離」を縮めて、“住み続けられるまちづくり”を実現させることを目標に、今年度の活動計画を練ってきたといいます。

今回は、前年度に地域住民から得た回答や、さらなる議論をもとに、「本」を通じた「子どもたち」とのふれあいの時間を実現することを目的とした「大学生ブックキャラバン~本とゲームで楽しもう」企画を実施。

大学生側が「席替え」でグループを移動

大学生側が「席替え」でグループを移動

約1時間という限られた時間ながらも、大学生の紹介やSDGsについての説明、グループに分かれての「大学生による本の紹介」カードゲームで、会場の理科室は大いに盛り上がっていました。

SDGs目標11のチームを担当する商学部長で教授の牛島利明さんは、「有志で提言内容を実行することができたことを嬉しく思っています」と、「提言の実現」の難易度が高いと感じる中、同クラブとの交流を実現できたことを大いに喜びます。

和気あいあいとした雰囲気の中、交流イベントが行われていた

和気あいあいとした雰囲気の中、交流イベントが行われていた

終始、「笑顔」で子どもたちに対応していた学生の手賀さんは、「保育園の散歩などで、子どもたちが学校に来ることがあるのに、もっと学生側から街に出て、子どもたちとの交流を深め、『街の誇りの慶應大学』に変えていきたいと感じました」と、「塾生会議」に参加し、今回のイベントを企画した理由について語っていました。

牛島さんは、「今後、日吉地区の他の5つの小学校(下田・日吉南・駒林・矢上・箕輪)でもまた同様の交流機会を持てるのか、また日吉台小学校の同クラブとの交流をさらに進化させるのかをまた議論し、できる限り継続していきたい」と、来年度以降の「塾生会議」や、自身が教鞭を執る商学部のゼミ「地域との対話」においても、今回の“成果”をつなげていくことができればと語ります。

終了間際に行われた「記念撮影」では子どもたちのみならず、撮影する側の牛島教授も思わず「笑顔」に

終了間際に行われた「記念撮影」では子どもたちのみならず、撮影する側の牛島教授も思わず「笑顔」に

なお、「塾生会議」では、学生たちがおおむね週1回ほど集まり、学部を越えた年度のプロジェクトとして行っているとのこと。

慶應大学側から日吉の街への「交流機会」が提示される中、日吉の街の側が大学側の取り組みに対して、今後どう応え、そしてその発展に貢献することができるのか。

まだおそらく試行錯誤の段階といえる日吉の地域まちづくりの課題をまずは街に生きる一人ひとりが考え、まずは「実行する」ことこそが必要な状況にあるといえそうです。

慶應義塾と日吉近郊の公立学校との交流が深まっていくことに期待したい

慶應義塾と日吉近郊の公立学校との交流が深まっていくことに期待したい

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<ST線フォーラムレポ8>社会人になっても戻りつながれる街に~慶應大・牛島さん(2022年8月26日)

【参考リンク】

2023塾生会議(慶應義塾大学自然科学研究教育センター)


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