慶應大が初の「こども食堂」に挑戦、日吉の小学生を招待しクイズやゲームも | 横浜日吉新聞

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慶應日吉キャンパス「こども食堂(子ども食堂)」に初挑戦、SDGsを推進する活動の一環として、“地域社会に貢献”する大学を目指します。

慶應日吉キャンパスで初開催された「子ども食堂」で提供されたカレーライス(チキン)やデザートなど。アクセントのにんじんは「イチョウ」や「星」など5種類。ナプキンにも校章が入り慶應らしいアレンジに(12月17日)

慶應日吉キャンパスで初開催された「子ども食堂」で提供されたカレーライス(チキン)やデザートなど。アクセントのにんじんは「イチョウ」や「星」など5種類。ナプキンにも校章が入り慶應らしいアレンジに(12月17日)

昨年(2022年)12月17 日(土)、初めて開催された「慶應義塾大学日吉子ども食堂」(同運営事務局=日吉キャンパス事務センター内)。

今回は初の試みということもあり、近郊に所在する横浜市立日吉台小学校(日吉本町1)、駒林小学校(同2)、そして箕輪小学校(箕輪町2)の3校に配布された案内チラシを見て事前申込をおこなった小学生約40人と付き添いの家族約20人が来校。

慶應義塾大学日吉キャンパス(日吉4)の食堂棟2階にある学生食堂「グリーンズマルシェ」は、この日は通常営業をおこなわない日となっていたこともあり、開催に協力。

食事前のクイズ大会ではSDGsを学ぶシーンも食事前のクイズ大会ではSDGsを学ぶシーンも。クイズを制作した学生の長谷川雅(みやび)さん(中央)、慶應義塾の奥田暁代常任理事(右奥)の姿も。クイズを制作した学生の長谷川雅(みやび)さん(中央)、慶應義塾の奥田暁代常任理事(右奥)の姿も

食事前のクイズ大会ではSDGsを学ぶシーンも。クイズを制作した学生の長谷川雅(みやび)さん(中央)、慶應義塾の奥田暁代常任理事(右奥)の姿も

運営を担った大学公認サークル(団体)の「慶應義塾大学スローフードクラブ」の学生約20人や、教職員らに出迎えられ、約2時間にわたるクイズゲームといったイベント企画も交えた交流のひとときを過ごしていました。

なぜ、慶應義塾で子ども食堂なのか。日吉キャンパスでは、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標) を実現するための取り組み「日吉プロジェクト」を今年度(2022年度)からおこなっていることから、学生を中心とした今回の企画が具現化したといいます。

学生食堂「グリーンズマルシェ」所長の細谷正倫さん(右)は30年以上慶應日吉の学生たちの「食」を支えてきた

学生食堂「グリーンズマルシェ」所長の細谷正倫さん(右)は30年以上慶應日吉の学生たちの「食」を支えてきた

「今回はSDGsについて学ぶことをテーマとし、クイズを制作しました」と、企画の中心的な役割を担った同サークルの仙波桃(せんばもも)さん

高校時代に子ども食堂の運営に地元・東京で参画した経験から、今回学生側の運営責任者・下山幸太さんとともに “リーダー”として準備を進めてきたといい、「子ども食堂というと、孤食貧困を解消するための場所、イメージを持つ人もいるかもしれませんが、意外にも “親子が会話を楽しむ場所”という認識となりました」と、自身、深い興味を持っているという「地域コミュニティの場」としての子ども食堂の大切さを感じるようになったと語ります。

「黙食」のシーンであっても、世代を超えてのコミュニケーションを楽しんでいるかのようだった

「黙食」のシーンであっても、世代を超えてのコミュニケーションを楽しんでいるかのようだった

同サークルでは、日吉キャンパスで野菜を育てたり、料理を作ったりして交流を深めるといった活動をおこなっており、クイズの問題についても自分たちで考え、スライドも制作。

野菜やくだものの名前が付けられた11のグループに小学生と大学生が一緒に着席しクイズに回答。

にんじんは夜、土の中で何をしているか」や、「日本で、毎日どれくらいの食材が捨てられているか」といった問題の回答に多くの手があがるなど、“学びのイベント”としての時間も大いに盛り上がっていました。

付き添いの保護者らにも「カレー」が振舞われていた

付き添いの保護者らにも「カレー」が振舞われていた

東京2020オリンピック・パラリンピック(2021年開催)で、日吉を訪れた英国代表選手らにも食事を提供した「グリーンズマルシェ」を運営するグリーンホスピタリティフードサービス株式会社の職員が作ったしたカレーデザート、プラスで提供されたポップコーンなどを味わった後、余興のゲームでは「もうじゅうがり(猛獣狩り)」にも挑戦。

「動物の名前」の文字の数の人数を集める「もうじゅうがり」ゲームに夢中になりながら、世代を超えた交流の時間を、最後まで楽しんでいるかのようでした。

子どもたちには景品や参加賞も

子どもたちには景品や参加賞も

午前11時すぎからスタートした子ども食堂は、お昼の13時には無事終了。

今回の子ども食堂の予算は学校への寄付が充てられているといい、今後も、日吉近郊の別の小学校にも声をかけるといった方法での定期開催も検討していくとのことです。

最後の「もうじゅうがり(猛獣狩り)」ゲームも別れを惜しむかのように盛り上がっていた

最後の「もうじゅうがり(猛獣狩り)」ゲームも別れを惜しむかのように盛り上がっていた

会場には、学生や教職員、レストラン職員らの真剣なまなざしと、「SDGs」を学ぶ子どもたちや保護者らの“笑顔”が多くみられた、初めての「慶應日吉子ども食堂」企画。

今後も、学生と子どもたちの交流が継続することで、慶應と日吉周辺の街とのつながりがより深まり、慶應義塾や地域の未来を担う「人材の育成」につながることも期待できそうです。

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【参考リンク】

ニュース~慶應義塾大学日吉子ども食堂を開催(慶應義塾公式サイト)


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