意外に知られていない風景を探しに新横浜線に乗って秋の港北区内や相鉄沿線を歩いてみませんか。
港北区福祉保健センター福祉保健課は、来月(2023年)11月1日(水)から初企画となる「ウォーキングを始めよう!相鉄・東急新横浜線で行くGREEN×EXPO(グリーンエキスポ)2027」を12月31日(日)まで行います。
今回のイベントは、ウオーキングを通じた健康づくり事業として横浜市が2014(平成26)年11月に始めた「よこはまウォーキングポイント」の一環で港北区が独自に企画。
今年3月に相鉄・東急新横浜線が開業し、日吉や新綱島、新横浜の各駅と相鉄線沿線がつながったことから、沿線主要駅のウォーキングスポット10カ所を選び“スタンプラリー”方式で巡ってもらおうという内容です。
区の職員が「普段は新横浜線に乗る機会がない方も乗車の機会となれば」と考案したといいます。
10カ所はいずれも駅から一定の距離がある大型公園などの自然スポットを選んでおり、現地まで歩いて健康づくりに役立てるだけでなく、着いた先では秋から冬にかけての風景が楽しめそう。
スポットとなっているのは、港北、保土ヶ谷、旭、瀬谷の4区10駅の近くにある公園や史跡、緑地などで「日吉の丘公園」や「綱島公園」、「新横浜公園」といった港北区民になじみのある3カ所以外は、訪れる機会があまりない場所です。
鶴ケ峰駅の近くにある「帷子(かたびら)川親水緑道」(旭区)を除いてはいずれも駅から1キロ以上は歩かなくてはならず、訪問の難易度も少し高めです。
また、プレゼントに応募するには、かつての米軍基地で2027年に国際園芸博覧会「GREEN×EXPO(グリーンエキスポ)」の会場となる「旧上瀬谷通信施設」(瀬谷区)は必ず訪れたうえで他の5カ所をめぐるというルールになっているのもポイント。
旧上瀬谷通信施設は現在、広大な農地と緑の空地だけが広がる場所のため、公共交通機関は整備されておらず、瀬谷駅から最低でも30分ほど歩いてアクセスするしかありません。
横浜市で一つしかない渓谷として知られる「陣ケ下渓谷公園」(保土ヶ谷区)や、大型のピクニックスポットの「こども自然公園」(旭区)など、ハイキングに適した場所が多いため、秋の行楽先としても今回の企画を活用したいところです。
参加対象は18歳以上の横浜市民と市内在勤・在学者。「よこはまウォーキングポイント」のアプリをダウンロードしたうえで、各スポットで位置情報により、スタンプと訪問ポイントを獲得する仕組みです。
スポット1カ所訪問につきウォーキングポイントが5ポイント貯まるほか、旧上瀬谷通信施設のほか5カ所を巡った場合は相鉄と東急のグッズや、日産スタジアムツアーの招待券、港北区独自の「花の定期便(3カ月分)」が抽選で当たるとのこと。期間は12月31日まで。
<対象となるスポット一覧>
(※)スポット名部分から案内ページにリンクしています
- 【日吉駅】日吉の丘公園(港北区箕輪町3、駅から約750メートル)
- 【新綱島駅】綱島公園(港北区綱島台、駅から約350メートル)
- 【新横浜駅】新横浜公園(港北区小机町、駅から約1.3キロ)
- 【羽沢横浜国大駅】上星川あおぞら公園(保土ケ谷区上星川2、駅から約1.2キロ)
- 【西谷駅】陣ケ下渓谷公園(保土ヶ谷区川島町、駅から約1.4キロ)
- 【鶴ケ峰駅】帷子(かたびら)川親水緑道(案内PDF)(旭区白根1、駅から約300メートル)
- 【二俣川駅】こども自然公園(旭区大池町、駅から約1.2キロ)
- 【希望ケ丘駅】長屋門公園(瀬谷区阿久和東1、駅から約1キロ)
- 【三ツ境駅】追分市民の森(旭区矢指町、駅から約1.4キロ)
- 【瀬谷駅】旧上瀬谷通信施設(瀬谷区瀬谷町など、駅から約2キロ)
【コラム】旧上瀬谷通信施設と陣ケ下渓谷公園に行ってみました
旧上瀬谷通信施設は2027年に国際園芸博覧会が行われ、イベント終了後は三菱地所が「世界に誇るジャパンコンテンツとジャパンテクノロジーを活用した『テーマパーク』」を設ける計画としている話題のスポットです。
最寄りとなる瀬谷駅までは日吉駅から新横浜線で30分ほど。駅からのルートは幹線道路の「環状4号線(海軍道路)」沿いが大半で歩道も全区間に整備されていて歩きづらさはありません。
ただ、米軍の基地跡だけあって現在は広大な草地と畑以外には“何もない”場所で、米軍占領時代の数少ない痕跡と、近い将来に激変する今しか見られない風景を眺める以外には楽しみの少ないスポットです。
途中にあるJA横浜の農産品直売所に立ち寄るなどの寄り道や、海軍道路を突っ切って南町田駅前の「グランベリーパーク」まで一気に歩いてしまう(瀬谷駅から1時間超)など訪問時には工夫が必要かもしれません。
一方、横浜で唯一の渓谷として知られる「陣ケ下渓谷公園」は、上星川が最寄り駅なのですが、西谷駅や鶴ヶ峰駅からもアクセスが可能です。
おすすめしたいのが、上流にある正面玄関的な「西原口」から入って渓谷内を歩いて「下流口」から出るコース。
途中で橋がかけられていない川を渡るルートとなっており、靴が濡れる可能性が高く増水時は渡れなくなりますが、川面の石づたいに川を越えることで渓谷の楽しさが味わえそう。
なお、ルート上に「上り」が少ないと面白くない、という方は下流から上流(西原口)へ向かう形が適しています。
いずれの出入口も西谷駅からアクセスが可能ですが、鶴ヶ峰駅から西原口の近く(西原住宅入口)までバスに乗り、下りだけ渓谷を楽しんで“ワンウェイ”で西谷駅へ向かう方法もあります。バスの本数が少ないことと、健康づくりへの寄与が少なくなるのであまりおすすめしませんが、スタンプラリーのスポットを早く巡るうえでは便利なルートといえます。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の一部共通記事です
【関連記事】
・近くなった相鉄沿線、5月20日(土)に西谷駅から「渓谷」などを歩くツアー(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年5月5日)
・【過去記事】国際園芸博&大型テーマパーク構想の「瀬谷」、3年内には日吉・綱島の沿線(2020年7月27日)
【参考リンク】
・港北区「ウォーキングを始めよう!相鉄・東急新横浜線で行くGREEN×EXPO 2027」(港北区福祉保健センター福祉保健課、2023年11月1日~12月31日実施)