5月末に起きた日吉駅での発煙と、停車ホームとは反対側のドアを開けた6月11日のトラブルについて、東急電鉄が原因を公表しました。
先月(2023年)5月31日(水)の8時26分ごろに日吉駅の綱島寄りの線路上で起きた発煙では、東横・目黒・東急新横浜の各線で運転を見合わせ、一度の運転再開と中断を経て14時30分ごろまで約6時間にわたって列車を運行できない状態が続いたものです。
東急電鉄によると、煙が上がったのは、新横浜線から目黒線と東横線をつなぐ線路の分岐部で、レールに流れる電流を区切っていた絶縁(ぜつえん)部が焼けたとのこと。
東横線と目黒線・東急新横浜線は、異なる電圧の電気が線路上に流されており、両線がつながるレールの継ぎ目には絶縁部を設けていましたが、列車が通過する際に火花が断続的に発生。絶縁部がショートして焼損することになったものだといいます。
その後、レールと変電所間の電気回路を見直し、電圧の差を低減させる改修工事を実施。ほかの類似箇所についてもレール絶縁部や電気回路の再点検を順次進めているとのことです。
一方、先週6月11日(日)の13時9分ごろには、新横浜駅発の浦和美園駅行「急行」(8両編成)が日吉駅に到着した際、停車したホームと反対側のドアを開けてしまうトラブルが発生しました。
東急電鉄によると、この急行電車とホームドア連携の不具合が発生していた際、ワンマン運転中の運転士が「発車サイン音(乗降促進ボタン)」を押すところ、誤って「ドア開扉」ボタンを操作したことが原因だといいます。
その後に運転士が乗客の転落やケガが発生していなかったことを確認し、13分遅れで日吉駅を発車したとのことです。
近い期間に発生することになったどちらのトラブルも3月18日に開業したばかりの東急新横浜線に関連したもので、目黒線と東横線の合流駅である日吉駅で起きています。
これまで東横線と目黒線の運行は完全に分けられ、目黒線は15年近くにわたって日吉駅が終点となる時代が続いてきました。
新横浜線の開業後は東横線と目黒線は日吉駅で“合流”して新横浜駅方面へ延長運転されることになり、運行に必要な設備やダイヤが複雑化しています。日吉駅でトラブルが起きると、東急の3路線に加え、相鉄や東京メトロ、都営三田線など相互乗り入れの各線にも影響を与える可能性が高くなってしまうだけにあらためて対策の徹底が必要です。
【関連記事】
・【過去記事】<日吉~武蔵小杉>目黒線が信号トラブルで7時間半も運転見合わせ(2016年11月9日、以前も日吉駅で目黒線の大きなトラブルはあったが、東横線への影響は少なかった)
【参考リンク】
・東横線日吉駅構内における線路内発煙の原因について(東急電鉄、2023年6月16日)
・【お詫び】目黒線 日吉駅でホームと反対側の車両ドアが誤開扉した事象について(東急電鉄、2023年6月16日)