日本大通り駅近くの「県民ホール」が2025年春で休館、老朽化進み再開は未定 | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

【沿線情報】日本大通り駅が最寄りとなる県民ホールが再来年の2025年3月で休館となることが決まりました。

神奈川県の国際文化観光局は、中区山下町にある「神奈川県民ホール」を1年9カ月後の2025年3月末で休館することを公表しました。老朽化が原因で、その後については現時点(2023年6月)で決まっていないといいます。

山下公園の目の前という位置にある「神奈川県民ホール」、耐震化も終えて見た目には古さを感じさせないが、オープンから40年以上が経ち館内は老朽化が進行しているという(2021年7月撮影)

県の資料などによると、山下公園の至近にある県民ホールは、1975(昭和50)年に地上6階・地下1階建ての建物として建てられ、約2500人を収容できる「大ホール」や約430人収容可能な「小ホール」、5つの展示室(ギャラリー)、大小会議室などを完備。音楽関連の公演や式典などに使われてきました。

開館から40年以上が経過して老朽化していることから、これまでもたびたび休館をともなう大小さまざまな改修工事が施されており、最近では2017(平成29)年7月から2018(平成30)年5月まで舞台や電気設備の更新工事を行っています。

県民ホールのある場所はかつて「横浜アメリカ文化センター(ACC)図書館」や外国人用ナイトクラブ「ゼブラクラブ」など占領軍に関係する施設が置かれていた(6月14日撮影)

県国際文化観光局によると、現在は給水や空調などの設備面で大規模な改修が必要な状態で、すでに館内の一部では水漏れも発生しているといいます。

今回、早期に予約するホール利用者のためにあらかじめ休館を公表したものだといい、休館後に再開するのかなど、具体的な計画は現時点で決まっていないとのことです。

県民ホールについては10年以上前から老朽化にともなう再整備の議論も行われていましたが、「東京2020オリンピック」の開催が予定されていたこともあり“延命”されてきた経緯がありました。

県民ホールの至近で2011年に建てられた「KAAT神奈川芸術劇場」は、舞台芸術に適した“中ホール”という位置付けで設けられた。右側のNHK横浜放送局とは共同の建物となっている(6月14日撮影)

なお、県は音楽公演を中心とした大ホールと小ホールを備えた県民ホールに加え、舞台芸術を中心とした“中ホール”として、至近県有地を使い2011(平成23)年に「KAAT神奈川芸術劇場」(1200席)を新設。

横浜の中心部に置いた県民ホールとKAAT神奈川芸術劇場の2施設で、県民の芸術・文化発表や鑑賞のニーズに対応してきました。

両施設とも新型コロナウイルス禍前までは90%近い稼働率を保っていたとされ、港北区内でも学校や非営利団体などによる発表の場として欠かせない公共ホールとなっているだけに、県民ホールの動向が注目されます。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の一部共通記事です

【関連記事】

愛称は「ミズキーホール」、新綱島駅で2024年3月開館の区民文化センター(2022年8月29日、港北区内に設けられる区民文化センターは最大400席のため中・大型公演には対応できない)

<連載コラム>良くも悪くも注目集める「横浜市」、山中新市長が始動(2021年9月13日、前の横浜市長はみなとみらいに「新たな劇場」を建てる構想を持っていたが、市長交代で白紙となった)

横浜駅から徒歩圏内に「Kアリーナ」、2万人収容の音楽ホールは9月開業(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年1月30日、中心部では民間音楽ホールの新設が相次いでいる)

【参考リンク】

神奈川県立県民ホール本館の利用について~令和7年4月より休館します(神奈川県、2023年6月7日)

神奈川県民ホールの公式サイト(公演・展示会の案内など)


カテゴリ別記事一覧