東横線のワンマン運転や目黒線の8両化、有料着席サービスの拡充に加え、東急新横浜線の開業による「綱島・新横浜エリア」の活性化も盛り込まれました。東急電鉄は、「新・中期事業戦略“3つの変革・4つの価値”」を今月(2021年)5月14日に発表し、今後3年間にわたる事業の方向性を定めました。
これは、東急グループ(東急株式会社)が2023年度までの「中期3か年経営計画」を策定したことにともなうもので、鉄道部門である東急電鉄では、事業基盤の強靭(きょうじん)化や、新型コロナウイルス禍に対応した価値提供を大きな目標としています。
事業基盤の強靭化では、固定費の削減や生産性向上に向けた改革を行うといい、具体的には、コロナ禍による乗客減に対応し、駅に配置する人員の見直しに加え、東横線ではワンマン運転化に向けた準備と工事などを行う考え。
一方、価値提供の面としては、交通の快適性向上として目黒線の8両編成化(2022年度)や、大井町線で行われている有料着席サービス「Qシート」の他路線への展開。便利な乗車券の発売や、空きスペースを活用した駅の機能拡充も図っていくとしています。
2022年下期(2022年10月~2023年3月)に開業を予定する東急新横浜線(日吉~新綱島~新横浜)については、「東京・神奈川・埼玉と関西圏をつなぐ鉄道ネットワーク構築」とし、東急電鉄との相互乗り入れ先である「埼玉県」から新横浜駅までをつなぐ路線であると位置付けています。
沿線のまちづくりでは、東急新横浜線の開業に関連し、綱島と新横浜エリアの活性化を目指すとしました。
また、沿線の地域サービスと交通機関をつなげるため、新たなプラットフォームづくりを構築するといい、現在は定期券所有者に提供中の「TuyTuy(ツイツイ)」のようなサービスが想定されています。
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【参考リンク】
・新・中期事業戦略 “3つの変革・4つの価値” を策定~アフターコロナにおいても引き続き、公共交通としての使命を果たします(東急電鉄、2021年5月14日)
・中期3か年経営計画を策定 『変革』~事業環境変化への対応による収益復元と進化(東急、2021年5月14日、東急グループの中期経営計画)