新たな価値観を盛り込んだサービスをいち早く提供する場として選ばれることが多い日吉駅ならではでしょうか、スタート早々から注目を集めています。
先週(2022年)9月21日、日吉駅構内の綱島街道寄りに位置する一画で、自動販売機のような黒い大型機器が現れました。
これは、ベンチャー企業の株式会社New Innovations(ニューイノベーションズ、東京都江東区、中尾渓人社長)が開発し、同社が“AIカフェロボット”と呼ぶコーヒーの無人販売所で、神奈川県内では初の設置だといいます。
「root C(ルート・シー)」と名付けられたこの機器は「カフェ」の無人化を目的に同社が開発したもので、昨年(2021年)6月には経済産業省が「ロボットを用いた無人カフェの営業の実証」として同社の計画を認め、都内で実証も行われました。
自販機に見えて自販機ではないことは、その場ですぐには買えないという部分にも現れており、利用時はまずスマートフォンに専用のアプリをダウンロードするところからスタート。
アプリ上でコーヒーの種類を選び、10分刻みとなっている受取時間を指定して商品を受け取るという流れです。
コーヒー豆の種類などがよく分からない場合は質問に答えていくと最適なコーヒーを選んでくれるというマッチング機能もアプリに搭載。
1杯あたり税込み450円の単品購入ほか、月8杯まで月額1980円(税込)のプランや、無制限で使える月額7980円(同)の“使い放題プラン”も用意されています。
日吉駅では、突然置かれた大型機器の珍しさもあって「これは何だ?」と立ち止まって様子を確認したり、スマートフォンで二次元バーコードを読み取ってその場でアプリをダウンロードして注文したりする通行人も目立ちます。
root C(ルート・シー)を運営するニューイノベーションズによると、今年4月に設置した東急目黒駅の次に置く駅を探すなかで、大学生にも訴求しやすい日吉駅を選んだといい、「設置初日から反響が大きく、社内でも期待が高まっている」(同社)と話します。
“スペシャルティコーヒー”と呼ばれるこだわりのコーヒーをアプリ上から注文して駅で受け取るという新たな価値観を提示するサービスに対し、日吉駅の利用者は好意的に試している様子がうかがえます。
運営会社によると、現時点で期日を定めることなくサービスを提供していくとのことです。
【関連記事】
・日吉駅でJR東日本系が「ベビーカー」貸出サービス、東急沿線に初の展開(2021年7月15日、JR東日本系のベンチャー企業も東急線で最初に日吉を選んでいる)
・<東急電鉄>定期券客へ一歩踏み出したサービスを提供、使い放題など実験(2021年4月16日、傘シェアリングサービス「アイカサ」は早い段階で導入)
・日吉駅に「モバイルバッテリー」貸出スタンド、全国展開へ先行設置(2020年3月18日、今ではおなじみのモバイルバッテリー貸出スタンドも日吉駅にはいち早く設置された)
【参考リンク】
・AIカフェロボット「root C(ルート・シー)」(2022年9月21日から日吉駅に設置)
・規制のサンドボックス制度に係る実証計画を認定しました~ロボットを用いた無人カフェの営業の実証(AIロボット×無人化×飲食業)(経済産業省、2021年6月3日、「root C」のサービスは「飲食店営業・喫茶店営業の無人店舗」として実証が行われた)