日吉駅前コロラド跡に新たなカフェ、社会貢献目指す30代経営者の挑戦 | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

日吉駅前に新しいカフェが登場します。今年(2018年)2月に閉店した喫茶店チェーン「カフェコロラド日吉店」の場所に、9月にも「エントランス(Entrance.)」が本オープンすることになりました。【同店は2018年12月4日付けで閉店しました】

「エントランス(Entrance.)」を創業した小川賢二さん。学生時代から企業経営を学び、理想の「起業」の第一歩を記す場所として日吉の地を選んだ。コロラド跡地と出会ったのは偶然とのこと

「エントランス(Entrance.)」を創業した小川賢二さん。学生時代から企業経営を学び、理想の「起業」の第一歩を記す場所として日吉の地を選んだ。コロラド跡地と出会ったのは偶然とのこと

このカフェの創業者・小川賢二さんは横浜駅にも近い横浜市西区出身。中学時代から都筑区へ。神奈川県内にある大学の経営学部で学び、県内の金融機関に就職。「お客様である数々の企業に、経営アドバイスや融資の相談をする立場でした」と当時を振り返ります。

より良い社会を実現するために、起業すること」が人生の目標だったという小川さんは、金融機関を退職した後も、上場企業子会社にて経理・人事等バックオフィス全般に従事し、さらにベンチャー企業でも経理・財務責任者として経験を積んできたといいます。

そして、「夢」であった起業のため、「脱サラをしました。人生は一度きり、という想いで」と、飲食業での創業準備のため、飲食の専門学校へも通学。

カフェ運営で「社会貢献」を志す小川さん。「カフェに求められる機能、役割は“サード・プレイス”。家と学校やオフィスを往復する中、もうひとつの居場所として心地よく、快適な“ラウンジ”空間を提供したい」と意気込む

カフェ運営で「社会貢献」を志す小川さん。「カフェに求められる機能、役割は“サード・プレイス”。家と学校やオフィスを往復する中、もうひとつの居場所として心地よく、快適な“ラウンジ”空間を提供したい」と意気込む

まだ30代だという小川さんは、「ずっと横浜で生まれ育ったので、(市内の)日吉に住もうと思いました。慶應義塾大学もあり、落ち着いた街と感じています」と、この街・日吉で、独立の準備を進めてきたとのこと。

コロラド跡地と出会ったのは、「全くの偶然でした。店名にある“入口”は、その町の新たなラウンジとしての機能を持たせる、サード・プレイス(第3の場所)としてのカフェの役割として、お客様に寛いでいただける場所にしたいとの想いを込めています」と、ラウンジ、そしてコミュニティーの場として、まさに“理想的な”場所に出会えた縁にも、心から感謝しているといいます。

お客様の要望や意向を聞きながら、本オープンを目指したい」と、店頭でも創業理念やプレ・オープンの実施を告知しながら、「8月中は試行期間として、少しずつオペレーションも固めていきたいと思っています。本オープンは9月1日(土)を予定しています」と、開店準備を進めている小川さん。

この日(取材日)のスペシャルティコーヒー(バッチブルー)はケニア産の豆を使用したもの。(税別460円)。「浅煎(い)りだと、産地や豆の風味を楽しんでいただきやすい」と、コーヒー本来の味を引き出す工夫もしているという

この日(取材日)のスペシャルティコーヒー(バッチブルー)はケニア産の豆を使用したもの。(税別460円)。「浅煎(い)りだと、産地や豆の風味を楽しんでいただきやすい」と、コーヒー本来の味を引き出す工夫もしているという

“ラウンジ”としての店内は「洗練されたデザイン空間」を目指し設計。「充実感、おしゃれ、心地よい、という感覚的“体験”の中、コミュニティラウンジとしての場を活用してもらいたい」とのこと。

また、取り扱うドリンクは、コーヒー、紅茶などのお茶類、シェイク、そしてバータイムのアルコール類も予定していますが、特にコーヒーは「“スペシャルティコーヒー”と言われる、産地それぞれの特徴ある風味を楽しんでいただけるものを厳選して提供します。産地の違い、精製方法の違い、焙煎(ばいせん)所による違いを様々紹介していきたい」と、小川さんは、それぞれの飲み物の由来、生産者の想いを伝えるための「エントランス(入口)でもありたい」と、人々がカフェに立ち寄り、ドリンクを気軽に楽しむことでの「社会貢献」を実現させたいと意気込みます。

全ての飲み物はテイクアウト可能。お茶も「紅茶、ウーロン茶、緑茶など、様々な国、地域のルーツをたどっていただけるものを厳選し提供したい」と、リーフティーから抽出したものをゆったりと楽しんでもらいたいとのこと

全ての飲み物はテイクアウト可能。お茶も「紅茶、ウーロン茶、緑茶など、様々な国、地域のルーツをたどっていただけるものを厳選し提供したい」と、リーフティーから抽出したものをゆったりと楽しんでもらいたいとのこと

カフェを経営する組織(集団)としても、「これまでのトップ・ダウンの飲食店の在り方から、ボトムアップによるプロフェッショナル集団を目指したい。一人ひとりが飲み物全般にこだわり、お客様の生活がより豊かになるような店づくりを目標としています」と、特に日本にも多くみられる上意下達といった企業風土に一石を投じ、一人ひとりが目標や目的意識ややりがいをもって、楽しく働ける」店を作り上げたいとのこと。

海外ホテルのラウンジのイメージで、オシャレな内装でセンスのいい音楽が流れていて、スタッフもフレンドリーで、コミュニケーションが取れる。そんな店を目指します」と意気込む小川さん、同店のスタッフによる新しいカフェの挑戦

プレ・オープンで「お客様とのコミュニケーションを行うなかで、理想的な店を創り上げていきたい」と小川さん。若き経営者が飲食店を営むケースが増えているサンロード周辺での新たな「風」に期待したい

プレ・オープンで「お客様とのコミュニケーションを行うなかで、理想的な店を創り上げていきたい」と小川さん。若き経営者が飲食店を営むケースが増えているサンロード周辺での新たな「風」に期待したい

「この店があることで、街をより“ぱっ”と明るくすることができたら」と、夢、そして目標を語る小川さんの目には、これまで経営について学び、創業を夢みて歩んできた日々について、「一度きりの人生」を、決して“悔やむ”ことなく前進する自身の姿、その確かな未来が映っているかのようです。

営業時間は、“街のラウンジ”を目指していることから、朝8時から23時まで、無休で営業する予定。メニューや席数も9月の本オープンに向け少しずつ増やし、「いずれは、貸切対応や音楽などイベントの開催も行えたら」(小川さん)とのことです。

(※)この記事は複数の読者の方からの情報提供をきっかけに取材・記事化しました。ありがとうございます。

【参考リンク】

Speciallty coffee and tea bar Entrance.のフェイスブックページ

entrance.インスタグラム


カテゴリ別記事一覧