日吉にウーバー配達員60人超、関東初の「二輪車講習」でメディアも注目 | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

関東圏では初となる「二輪車講習会」で、日吉の自動車学校配達員や全国系などメディア関係者も多数駆け付けました。

日吉自動車学校で行われたウーバーイーツ(UberEATS)主催、神奈川県警と港北署により行われた「二輪車講習」の一コマ。横浜市と川崎市エリアの配達員が多いことから、休校日だった日吉自動車学校で開催することになったという

日吉自動車学校で行われたウーバーイーツ(UberEATS)主催、神奈川県警と港北署により行われた「二輪車講習」の一コマ。横浜市と川崎市エリアの配達員が多いことから、休校日だった日吉自動車学校で開催することになったという

飲食店の料理を自宅などへ配達する米Uber(ウーバー)のサービス「ウーバーイーツ(UberEATS)」は、きのう(2020年)12月14日午前、神奈川県警察本部(中区)、港北警察署(大豆戸町)による日吉自動車学校(日吉7)での関東圏初の二輪車講習会を開催。

急成長を遂げる同サービスを支える配達員の交通事故や違反、交通ルールや運転マナーなどに社会的な注目が高まっていることから、交通事故の防止を図ることを目的としての講習会を約2時間にわたり行いました。

開講にあたり、ウーバーイーツ日本(東京都渋谷区)の武藤友木子代表があいさつ。「コロナ禍においても、飲食店から、皆さんが配達をしてくれているおかげでビジネスを続けることができ、また注文いただいたお客様からも家で美味しいレストランの味を楽しめたというお声をいただくことができました」と、まずは配達員のこれまでの仕事を労います。

ウーバーイーツ日本(Japan)の武藤代表がまずはあいさつ。配達員を労い、今回の講習会の開催目的やその意義について説明していた

ウーバーイーツ日本(Japan)の武藤代表がまずはあいさつ。配達員を労い、今回の講習会の開催目的やその意義について説明していた

その上で、「会社としても交通安全は非常に重要な取り組みとして考えています。皆さんがより安心・安全に配達をいただけるよう、今回の講習会を企画しました」と、県警や日吉自動車学校、三井住友海上火災保険株式会社(本店:東京都千代田区)の協力により、今回の講習会が開催できることへの感謝の意を表します。

続いてあいさつした県警交通総務課の露木克臣課長補佐は、「道路交通法は皆さんを守るもの。しっかり“交通ルールを守ってもらう”ことが安全運転の近道。今回の講習会で、初めて聞くこともあるかもしれませんが、仕事中はもちろん、プライベートでも実践してもらえれば」と、配達員の仕事や日常生活を守る「交通法規」の大切さを学んでもらいたいとの想いを披露していました。

県警交通総務課の露木課長補佐も「道路交通法は皆さんを守るもの」とあいさつし配達員を激励していた。日吉自動車学校からは井手副校長(最奥)が講習会の開催を見届けていた

県警交通総務課の露木課長補佐も「道路交通法は皆さんを守るもの」とあいさつし配達員を激励していた。日吉自動車学校からは井手副校長(最奥)が講習会の開催を見届けていた

今回の研修は自転車が29人、二輪車(バイク)34人の計63人が受講。横浜・川崎エリアの配達員が多いことなどから、この場所での開催が決まったといいます。

自転車の講習は、交通事故の状況や交通法規、事故発生時の措置、保険についてなどの座学のほか、車両点検や法規走行、自身が車に乗る側として知る「危険運転」体験(死角の確認)といった実技によるプログラムを実施。

二輪車の講習は、交通事故の状況や日常点検、危険予測といった講話のほか、障害物(パイロン)の間を抜けバランスを取る、バランスを崩しやすいという坂道の途中でのUターンといった、一人ひとりのバイクの特性に合わせたアドバイスもプラスしての実技も行われていました。

座学の講習会も開講。「自転車保険も見直さなければ」との受講者からの声も

座学の講習会も開講。「自転車保険も見直さなければ」との受講者からの声も

会場を提供した日吉自動車学校の井手健嗣副校長は、「休校日だったこともあり、開催の申し出を引き受けることができました。思っていたよりも大掛かりな講習会の規模感に驚きました。スマートフォン(スマホ)のナビを見ての配達となると思うので、必ず“ながら運転”にならないよう、より慎重に運転に専念し、安全運転を心掛けてもらえれば」との感想と配達員へのエールを送ります。

県警によると、宅配ITサービス事業の従事者による二輪車・自転車の事故が、横浜市内では2件、川崎市内でも1件(2020年1月から10月末まで)発生しているとのこと。

受講者に配られた講習会の資料とタイムテーブル

受講者に配られた講習会の資料とタイムテーブル

配達員として就業してからも、現状では「オンラインでの座学による安全講習のみ」(同社広報)という研修を行うのみとのことで、今回の開催は、今年10月から開催した京都、神戸、名古屋、仙台、広島などの都市に続き全国で8カ所目、関東圏では初の開催となったといいます。

港北署交通課の堀井健さんは、「事故防止への意識という“種”を(配達員の皆さんに)植え付けられたなら。知識のみではなく、学んだことを実際の仕事中に実践してもらうことに期待したい」と、今回の講習会を日々の業務に活かしてもらいたいとの思いを熱く語っていました。

受講生を代表し川崎在住の金城さんがメディアの取材に応じ、受講の感想や今後の抱負を述べていた

受講生を代表し川崎在住の金城さんがメディアの取材に応じ、受講の感想や今後の抱負を述べていた

「関東初」開催の講習会の注目度や社会的関心度の高さの現れか、この日は、大手テレビ局や全国紙、通信社など約10数社が来訪。

受講生を代表して取材に応じた川崎市在住の金城茉衣さんは、「二段階右折や、車道を走って左折専用レーンがあった時に危ないので、どうやって走っていったらいいのか、と感じることも多々あり、参加しました。受講してそういった点についても詳しく教えてもらえたので、今後に活かしていきたい」との感想を述べていました。

県警と港北署からは10人が来訪し講習会を実施。4人の白バイ隊員らも見本を示すなど実践的なアドバイスを行っていた

県警と港北署からは10人が来訪し講習会を実施。4人の白バイ隊員らも見本を示すなど実践的なアドバイスを行っていた

日本では2016(平成28)年9月に事業をスタートし、きょう12月15日(火)からは32カ所目の都道府県となる三重県もサービスエリアに加わるなど、サービスの急拡大を続けているウーバーイーツ。

日吉地区でも2018(平成30)年5月から一部がエリアに加わり、同9月からは日吉・綱島・高田の全域から利用可能になったばかり。

コロナ禍での急成長を経て、ウーバーイーツの認知度も爆発的に向上した今、配達員の一人ひとりが「地域社会の一員」としての運転を心掛けることでの事故防止を強く願いたいところです。

【関連記事】

事故防止への想いを共有、日吉で恒例「バイク競技大会」は9/21(祝)に(2020年7月28日)※締切日前にエントリー募集を終了するなど盛況だった

アピタテラスで初の交通安全キャンペーン、綱島街道でバイク事故防止の呼び掛けも(2020年7月13日)

飲食店の配達サービス「ウーバーイーツ」、日吉・綱島・高田の全域から利用可能に(2018年9月5日)

日吉でも静かに始まっていた、世界的な飲食配達サービス「ウーバーイーツ」(2018年5月25日、仕組みの詳細や注文体験レポートも)

【参考リンク】

港北区内の交通事故発生概況~令和2年10月末(港北警察署公式サイト)※交通事故件数は減少傾向にあるものの、自転車・バイクの事故比率が増加しているという


カテゴリ別記事一覧