自転車保険の義務化知ってる?「劇団ルール」が日吉台中で初の特別授業 | 横浜日吉新聞

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日吉台中学校に初登場した「劇団ルール」こと日吉自動車学校の教職員の皆さん。“信号マン”こと石塚良雄さんは同校出身。“交通安全のお姉さん”こと、辻暁子さん(右)と

日吉台中学校に初登場した「劇団ルール」こと日吉自動車学校の教職員の皆さん。“信号マン”こと石塚良雄さんは同校出身。“交通安全のお姉さん”こと、辻暁子さん(右)と

日吉台中学校に、あの劇団が初登場――横浜市港北区が主体となる港北区交通安全対策協議会(会長:栗田るみ港北区長)は、先週(2019年)10月4日午後、日吉本町4丁目の日吉台中学校(諏訪部真史校長)で、中学生向けの交通安全授業を実施。

日吉を拠点とし活動する「劇団ルール」を初めて招へい、全校生徒と教職員1000人超が体育館のステージで自転車の運転マナー交通ルールなどについて学ぶ機会となりました。

「交通ルールを守ろう」と訴える、“ルールくん”こと永迫淳さん

「交通ルールを守ろう」と訴える、“ルールくん”こと永迫淳さん

前年度(平成30年=2018年度)まで港北区内では、スタントマンが自転車事故を再現する「スケアードストレイト」方式により授業を実施していましたが、「スケアード(scared=怖い)」という言葉の通り、特に自身や家族に事故に遭遇した人がいた場合など、生徒が(授業を)受け留められないケースが出てきてしまったといいます。

今回は、新たなステージでの授業スタイルを採用することで、どういった反応が生徒からあるのか、これまで同劇団は小学校で多数の授業を展開してきていただけに、中学生向けに新たに台本を作り、準備を重ねてきた成果が問われる初ステージとなりました。

体育館の後方から信号マンが登場するというサプライズも。“SP”役の加藤大さん(左)も、すっかり役になりきり場を盛り上げる

体育館の後方から信号マンが登場するというサプライズも。“SP”役の加藤大さん(左)も、すっかり役になりきり場を盛り上げる

授業時間(14時45分から15時20分まで)を活用し、同日行われたステージでは、港北警察署交通課の堀井健(たけし)さんが、今年(2019年9月末まで)に、港北区内で2件の交通死亡事故があったことを報告。

中学生の交通事故による負傷者も8人、うち7人が自転車の事故によるものだったといい、「一時停止をしない自転車の事故が非常に多くなっています。自転車に乗っている側が事故を起こしたことにより、たとえ未成年者であっても、保護者が高額な損害賠償を命じられたこともたくさんありました」と、その事故により発生する高額賠償事例についても言及します。

港北署交通課の堀井さんが区内の事故を報告。授業を受けた生徒に配布した「みんなのサイクル ルールブックよこはま」を手にとり、高額賠償の事例についても注意喚起した

港北署交通課の堀井さんが区内の事故を報告。授業を受けた生徒に配布した「みんなのサイクル ルールブックよこはま」を手にとり、高額賠償の事例についても注意喚起した

今年4月、神奈川県で自転車保険の加入を義務化する条例(神奈川県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例)が施行され、ちょうど今月10月1日から加入義務化がスタートしたばかり。

授業開始となり、「劇団ルール」が体育館に登場、大きな歓声に包まれる中、自転車事故の危険性や、保険加入の義務化、事故を回避するためのルールを知り、守ることなど、メンバーが演じ、訴える中、特に中学生たち一人ひとりがそれを受け止め、理解し、帰宅後も家族といかにそれらを共有し、家庭ぐるみで交通安全の徹底をはかることこそが今回の授業の最終目標と、区役所の担当者は語ります。

「劇団ルール」は自動車学校の指導員手作りの“交通安全部隊”

歌や踊り、太鼓などのアクションを交えた舞台の演出に大きな拍手も

歌や踊り、太鼓などのアクションを交えた舞台の演出に大きな拍手も

今回、日吉台中学校で初公演となった「劇団ルール」は、1963年に創業された老舗自動車学校「日吉自動車学校」(三栄興業株式会社・日吉6、中村孝雄社長)の教職員が、2003(平成15)年頃から活動をスタートした、“指導員手作り”だという“交通安全部隊”

“ルールくん”扮(ふん)する、永迫淳さん“交通安全のお姉さん”こと、辻暁子さん“信号マン”こと石塚良雄さん、そして“SP”扮する加藤大さんらが、夏の名残の暑さで汗ばむほどの体育館エリアをフル活用、ぎっしりと体育館を埋めた生徒たちのパワーに負けじと、パワフルな太鼓の演奏や歌、ダンスなどのパフォーマンス演出を交え授業を盛り上げていました。

今年度は区内の2中学校でも開催予定

今年度は区内の2中学校でも開催予定

授業後の生徒や教職員からは、「固い話でなく、アクションを交えていたので、スーッと頭に入ってきた」、「自転車保険の加入義務化を知らなかったので、親に話して何とかしたい」との声があがるなど、同区内の公立中学校では3年に1度の貴重な機会となる同授業への共感が広がっていた様子。

今年度は、区内の2中学校でも同授業の開催が予定されているとのこと。

今後、中学生に向けての「交通安全教育」に、どのように同劇団がかかわっていくのか。その成果も含め、これからの同授業の取り組みに、今後さらなる注目が集まっていきそうです。

【関連記事】

“信号マン”名乗る劇団員は誰?歌手や着ぐるみ登場で熱狂の交通安全教室(2019年7月8日)※新吉田第二小学校(新吉田町)で都筑署と港北署が開催

【参考リンク】

自転車保険の加入義務化について(横浜市道路局・By Cycle ヨコハマ~横浜市自転車ライフポータルサイト)

自転車ルールのバイブル!「みんなのサイクルルールブックよこはま」が完成しました!(同)

自転車交通安全啓発チラシダウンロード(同)

神奈川県港北警察署のサイト

横浜市立日吉台中学校の公式サイト


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