不動産価値の下がりづらい駅は地下鉄グリーンラインの日吉本町や東横線の綱島――。朝日新聞出版が発行する週刊誌「AERA(アエラ)」の今月(2019年4月)22日号(前週15日発売)において、「資産価値の下がらない駅」を全国の都市ごとに順位付けした特集記事で、日吉本町駅が首都圏(神奈川・埼玉・千葉)の2位、綱島駅が17位にランクインしました。
同号の「負動産と富動産の見分け方」と題した巻頭特集内において、“10年たっても価格が落ちなかった駅”を東京23区内と23区外、首都圏3県、中部、関西、地方主要都市の6エリアごとにランキング化したもの。
ランキングでは、10年前の2007年4月から2010年3月までに新規分譲された「70平方メートル・価格5000万円未満(23区は6000万円未満)」の物件を対象に、昨年4月から今年3月に中古物件として流通した際、当時の買値の何パーセントの価格で売買されているかを調査した結果を“リセールバリュー”という数値で表し、高い順に並べています。
また、対象駅ごとに、周辺で賃貸されている「築10年・70平方メートル」の賃貸料が、中古物件の販売価格の何パーセントになっているかを示した「利回り」も示されました。
この結果、東京都内を除く首都圏では、「東神奈川駅」(JR東海道本線・横浜線、神奈川区)がリセールバリュー129.9%・利回り5.44%でトップ。その次にリセールバリュー108.2%・利回り3.83%の「日吉本町駅」が入り、3位は「京急鶴見駅」(鶴見区、リセールバリュー104.3%・利回り5.85%)で、横浜市内の駅がベスト3を占めています。「綱島駅」はリセールバリュー97.4%・利回り4.60%で17位でした。
■ AERA調査の10年たっても価格が落ちなかった駅ランキング「首都圏(神奈川・埼玉・千葉)」
- 1位:東神奈川駅(JR東海道本線・横浜線、神奈川区):リセールバリュー129.9%・利回り5.44%
- 2位:日吉本町駅(地下鉄グリーンライン):リセールバリュー108.2%・利回り3.83%
- 3位:京急鶴見駅(京浜急行、鶴見区):リセールバリュー104.3%・利回り5.85%
- 17位:綱島駅(東急東横線):リセールバリュー97.4%・利回り4.60%
首都圏のランキングに入った20駅のうち、日吉本町駅は周辺に賃貸物件が多いためか、賃貸の「利回り」ではもっとも低かったものの、リセールバリューは108.2%で、この数値は市内中心部の「関内駅」(リセールバリュー100.1%・利回り5.32%)よりも高く、23区内のランキングで見ても12位のレベル。
綱島駅はリセールバリューで100%を割って97.4%となり、10年前の買値そのままに維持することは難しいものの、資産価値が下がりづらいことが示されています。
なお、このランキングでは価格が5000万円(23区内は6000万円)以上の物件を調査対象から外したこともあり、「住みたい街ランキング」に登場するような物件価格の高い著名駅はあまり登場していませんでした。
一方、同号の同じ特集内の「買いなのか晴海フラッグ~全国10物件お買い得度」と題した記事では、東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村として使われた後に分譲などが行われる5000戸のマンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の特集に関連し、同物件ほか全国10の注目物件を取り上げ、5つ星で評価しています。
このなかに、箕輪町2丁目で現在建設中の「プラウドシティ日吉」(1320戸、野村不動産)も入っており、同記事では、日吉駅から再開発エリアの入口まで「徒歩9分とやや遠いのが気になるが」としたうえで、「リタイア後も敷地内で充実した生活を送れるような仕掛けが多く、シニア層からも高い評価を得ている」(同記事)などとして、立地や価格、資産価値のいずれも4つ星が付けられていました。
両記事とも雑誌掲載分の一部がAERAのインターネット版「AERA.dot(アエラドット)」で公開されています。
【関連記事】
・<住みたい街ランキング2019>日吉が63位まで上昇、綱島は昨年と変わらず(2019年3月1日)
【参考リンク】
・10年後も資産価値が落ちない駅は? 6大都市区分でランキング化(AERA.dot、2019年4月18日公開)
・将来利益を生む「富動産」三拍子 所要時間、戸数、あと一つは…(AERA.dot、2019年4月21日公開)
・全国注目10物件のお買い得度(AERA.dot、東京2020五輪・パラリンピックの選手村後の「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」や箕輪町「プラウドシティ日吉」などを5つ星で評価)