新横浜や新綱島の駅工事は「秀逸」、相鉄・東急直通が日本鉄道賞で大賞 | 横浜日吉新聞

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相鉄・東急「新横浜線」が大賞に選ばれました。

国土交通省鉄道局は、第22回となる今年(2023年)の「日本鉄道賞」で大賞に新横浜線の建設と運営に携わったJRTT鉄道・運輸機構と相鉄(相模鉄道)、東急電鉄を選出しました。

今年3月に新横浜駅の構内で行われた相鉄・東急新横浜線の「しゅん工開業式典」(3月5日撮影)

日本鉄道賞は、毎年10月14日の「鉄道の日」にあわせ、鉄道開業130周年を迎えた2002(平成14)年に創設された表彰制度。鉄道に関する施設整備だけでなく、サービスや芸術など多彩な分野を対象とし、毎年の鉄道の日に合わせて受賞者が発表されています。

今回の大賞は「新横浜線開業!つながる!相鉄線・東急線~総延長約250kmにおよぶ広域鉄道ネットワークの形成」のタイトルでJRTT鉄道・運輸機構と相鉄(相模鉄道)、東急電鉄が受賞したものです。

終電から始発までのわずかな時間を使って線路付け替えなどの工事が行われてきた(日吉駅周辺、2017年3月撮影)

新型コロナ禍による困難のなかで今年3月に開業させ、特に環状2号線と横浜市営地下鉄の直下に大規模な新横浜駅を設けたことをはじめ、狭あい地で新綱島駅を施工したことや、営業を継続しつつ進めた日吉駅東横線高架下の工事など「最先端技術と細心の注意により進められた建設工事は、秀逸と認められます」と評価。

軟弱地盤も多いなか、新綱島駅から新横浜駅までの地下を貫いた「新横浜トンネル」(2023年6月撮影)

運営面では、「東横線で6社、目黒線で5社局、計17種にわたる相互直通車両をもつという複雑な条件のもと、安全かつ安定的な運行を実現するため、綿密な調整と訓練が不可欠」とし、「こうした課題も乗り越え、7社局14路線の統合的な輸送ネットワークが実現したことは特筆すべきこと」と指摘します。

加えて、「新横浜駅での東海道新幹線との接続を考察したダイヤ上の工夫や、需要促進を図り認知度を向上するための努力」も評価ポイントとし、「広域の利便性の高い統合的列車運行が実現したことは、私達の都市生活の質向上に向けた明るい未来を示してくれるもの」と結論付けました。

目黒線方面へも直通できるようになった新綱島駅(2023年5月撮影)

なお、これまでに22回行われてきた日本鉄道賞では、2013(平成25)年の第12回で東急電鉄や東京メトロなどなどによる「首都圏民鉄5社7線による広域速達タイプの相互直通運転」に関する取り組みが大賞を受賞したことがあります。

このほか、2006(平成18)年の第5回では東急電鉄が世田谷線の改良で「ユニバーサルデザイン賞」、2004(平成16)年の第3回には横浜高速鉄道(みなとみらい線)が「駅づくり」で特別賞、2003(平成15)年の第2回では横浜市交通局が「地下鉄駅におけるバリアフリーボランティア」で特別賞を受賞しています。

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【参考リンク】

日本鉄道賞について(国土交通省鉄道局)


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