きのう（2023年）3月18日（土）に「新横浜線」（相鉄・東急直通線）が開業し、新たに設けられた新横浜と新綱島の2駅をはじめ、起点となる日吉駅や羽沢横浜国大駅にも早朝から人が押し寄せました。
記念の「硬券入場券・出札補充券セット」を求め、新綱島駅には雨のなか始発前から次々と客が訪れた（3月18日、4時30分ごろ）
新横浜線の“一番列車”となる新横浜発・浦和美園行は相鉄の開業記念装飾が施された列車で運行（4時50分ごろ、新横浜駅）
相鉄（相模鉄道）と東急電鉄は、「新横浜線」の羽沢横浜国大駅から日吉駅までの約10キロ区間を開業したことを祝い、記念の切符やグッズを販売するとともに、記念イベントを新横浜駅で開き、2つの新駅には前夜からの徹夜組も含め雨のなかで長い列が見られました。
朝4時前には新綱島駅の構内へ誘導
朝5時過ぎの始発時から開業記念の「硬券入場券・出札補充券セット」を販売する2駅では、冷たい雨のなかで待つ人が列が長くなったため、新横浜駅では3時半ごろ、新綱島駅では4時ごろに出入口のシャッターを開けて構内へ誘導。
雨のなか、記念の「硬券入場券・出札補充券セット」を買うため新横浜駅の出入口では午前3時前から列を成す人の姿があった
新綱島駅では列が公道にまであふれるおそれがあり、雨も降っていることから、4時過ぎには北口を開け、構内に並ぶ形となった（4時10分ごろ）
また、開業関連の記念切符や記念時刻表などを販売する羽沢横浜国大駅や日吉駅にも早朝から列を成しており、早々に売り切れています。
新横浜線の“一番列車”となる新横浜駅が始発の5時8分発の浦和美園行や、日吉駅からの初列車となる5時10分発の海老名行は、先頭に近い車両は乗り切れないほどに客であふれ、平日朝のラッシュ状態。
日吉駅側の新横浜線・始発列車となる5時10分発の海老名行（奥沢始発）が日吉駅に着くと、待っていた客から一斉にカメラやスマートフォンが向けられた（読者提供）
両列車が1分違いで停車する新綱島駅にはホームの両端でカメラやスマートフォンを手に待ち構えました。
新綱島駅での一番列車となる5時12分発の浦和美園行が「新横浜トンネル」を通って到着
1分後には二番列車となる海老名行が「綱島トンネル」を通って新綱島駅のホームに滑り込んできた
朝4時半ごろに駅の出入口を開放して乗客を迎え入れた新綱島駅では、真新しい駅の姿に「これはすごい、こんな風になっていたのか」と驚く姿が見られ、昼間の新横浜駅では「こんな便利ならマリノス戦に行きやすくなる」と、日産スタジアムを本拠地とする横浜F・マリノスの観戦時に利便性が高まることを喜ぶ声も。
日吉駅の行先案内表示器には海老名や湘南台といった駅名も登場
また、日吉駅の横浜方面行ホームでは「新横浜行」や「海老名行」、「湘南台行」といった行先表示をめずらしそうに眺める人が目立っていました。
羽沢横浜国大駅から新綱島まで2駅、日吉まででも3駅で着く
2019年11月に開業した相鉄・JRの羽沢横浜国大駅でも東急の車両が頻繁に見られるようになった
羽沢横浜国大駅でも次々と現れる東急電鉄の車両にカメラを向ける様子が見られました。
一方、相鉄線方面からの初列車となる海老名始発の東武東上線直通の「特急小川町行」（東急線内は急行）も先頭車両に近い車両が満員。
相鉄線方面からの初列車は「特急小川町行」、土休日にしかないレアな行先の列車（新横浜駅、5時40分ごろ）
5時39分に新横浜駅に着くと、下車する人とカメラを向ける人で狭いホームには人があふれました。
新横浜駅ホームでは「出発式」も行われ、相鉄と東急の両新横浜駅長とともに、相鉄の千原広司社長、東急電鉄の福田誠一社長が一番列車を見送った（相模鉄道・東急電鉄提供）
新横浜駅では一番列車の浦和美園行が出発する際に建設を担当したJRTT鉄道・運輸機構と、運営を担当する相鉄と東急の三者が式典を開き、列車を見送っていた社員らが感極まって涙ぐむ様子も。
寒い雨でもイベント会場は大混雑
JR新横浜駅に直結する交通広場（屋内広場）のオープニングセレモニーは開始の30分以上前から人が押し寄せ、ステージに近づくことが厳しい状態に（9時30分ごろ）
オープニングセレモニーでは、相鉄、東急とJR東海、JR東日本、横浜市交通局の「新横浜駅長」が揃った。東海道新幹線に2時間少し乗れば着く京都からは舞妓も駆けつけた
開業イベントが開かれた新横浜駅には、新線の試乗を兼ねてイベントを訪れる人が多く見られ、屋内の「交通広場」で開かれたオープニングセレモニーには2社のキャラクターが登場することもあって1時間以上前から何重にも人垣ができるような状況。
新横浜駅前の「東広場」では「Shin-yokohama Line Market」を雨のなかで開催
屋外での「Shin-yokohama Line Market（シンヨコハマラインマーケット）」は、この日だけの開業記念グッズの販売や、「相鉄・東急新横浜線スタンプラリー」の特設スタンプに人が殺到したため、広場内では収まりきらず、隣接する新横浜グレイスホテル側まで列が伸びました。
相鉄の記念グッズ売場は先頭がどこなのか分からないくらい行列ができていた（11時10分ごろ、東広場）
1日中気温の低いなかで雨が降り続く天候だったが、参加者の表情はどこか晴やかだった
この日の横浜市内は日付が変わった頃から弱い雨が降り続き、気温も二ケタに届かず、時おり風も吹く悪天候でしたが、イベント会場や駅構内、駅ビルなどは終始混雑。
2020年春に始まった新型コロナウイルス禍では、勤務やイベントでの来街者がほぼ無くなり、飲食店の閉店やオフィスの移転が相次ぐなど明るい話題の少なかった新横浜の街ですが、新横浜線の開業が新たな賑わいをつくり出す存在となりうることを感じさせる一日となりました。
新横浜駅から直行できる範囲は大幅に拡大した（相鉄・東急新横浜駅、3月18日4時30分ごろ）
（※）この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞～しんよこ新聞」の共通記事です
【関連記事】
・鉄道の街となった「新横浜を盛り上げる」、5人の駅長が開業イベントで決意（新横浜新聞～しんよこ新聞、2023年3月20日）※リンク追記
・あす相鉄・東急「新横浜線」が開業、工事と変化に耐えた港北区の10年超（2023年3月17日、これまでの歴史）
・「新横浜線」記念番組を沿線テレビ局3社が制作、開業日夜に同時放送（2023年3月16日）※再放送も実施中
【参考リンク】
・東急新横浜線の案内特設サイト（東急電鉄）
・相鉄・東急「新横浜線」の特設サイト（相模鉄道）
