「優勝報告」の歴史的なシーンを、地元からの参加と激励で盛り上げます。
夏の甲子園大会(第105回全国高等学校野球選手権大会)で優勝した慶應義塾高校(慶應塾高)(日吉4)の野球部は、今月(2023年)9月1日(金)午後、横浜市役所(中区本町)と神奈川県庁(中区日本大通)を“凱旋”訪問。
市役所での「優勝セレモニー」や、県庁での「優勝報告会(表彰式)」に、地元・港北区や日吉、近郊エリアからの関係者やファンも駆け付け、107年ぶり甲子園優勝の感動を分かち合いました。
この日は、首藤聡史副校長や赤松衡樹(ひろき)野球部長、森林貴彦監督、そして日本代表に選出された丸田湊斗君を除いた甲子園でベンチ入りした選手19人と主務(マネージャー)の大鳥遥貴(はるき)君がそれぞれの“舞台”に登場。
市役所では山中竹春市長と瀬之間(せのま)康浩市会議長、県庁では黒岩祐治(ゆうじ)知事と実際に甲子園で観戦したという加藤元弥県議会議長、花田忠雄教育長らが優勝を祝します。
森林監督や主将の大村君ら部員たちからの活動報告や感謝の言葉をそれぞれの参加者が共有。メディアも約20社訪れるなど、その感動を後日の報道を通じても広く分かち合える時間となりました。
市役所では事前応募300人のほか立ち見も
横浜市が同日14時15分から行った「優勝セレモニー」では、横浜市在住・在勤・在学の人を対象に、先着順で300人の観覧者を事前に募集。
「募集は1時間も経たずに締め切りとなりました」と、イベントを主催した市にぎわいスポーツ文化局の担当者が語るように、その応募状況から懸念された「入場制限」を実施せずに開催できたものの、立ち見客もイベント開始時点で200人を数えるほどになるなど、その反響の大きさを示す光景が見られていました。
この日のイベントには、甲子園出場時、また優勝決定時の日吉駅前での横断幕設置に日吉商店街とともに尽力した、日吉地区連合町内会(日吉本町西町会)の青博孝会長も来賓として出席。
日吉の商店街からは、日吉中央通り商店街副会長(前会長)の内田敏夫さん(ACTグループ代表)、普通部通り会会長の島名貴子さん(有限会社河合商事=たつ吉グループ社長)らも招かれ、ステージ上の塾高野球部員たちに大きな拍手を寄せていました。
商店街からは港北区商店街連合会の会長を務める酒井誠さん(南日吉商店会、横浜市会議員)、行政からは、急きょ決勝戦のパブリック・ビューイングを区役所で行った漆原順一港北区長や地域振興課の職員の姿もあり、「地域から」の声援をここでも実施。
日吉近郊から訪れたという女性グループや綱島からの親子の姿も見られるなど、港北区周辺からの参加もあり、一人ひとりが凱旋イベントを大きな拍手で盛り上げていました。
「県庁」でも地域からの熱き声援
慶應塾高野球部が、横浜市中心部に本社や支局を置く大手新聞社や放送局などへの「巡回訪問」を行う一環として行われた今回の“凱旋”企画。
神奈川県庁では、1928(昭和3)年10月に竣工した本庁舎(キングの塔)の正面玄関前で、同日16時30分から開始された「優勝報告会(表彰式)」では、事前募集は実施しなかったものの、県サイトなどの告知でイベントを知った約200人が、開始時間までに少しずつ来訪。
県のイベントらしく、神奈川県警察音楽隊の約20人が演奏で駆け付けるなど、優勝報告会を盛り上げます。
黒岩知事から「神奈川県特別表彰」、加藤議長から「県議会議長表彰」も贈呈し、“県ぐるみ”で監督や選手たちの功を讃えます。
日吉近郊からは箕輪町在住で卒業生の30代男性や、中原区在住の50代の野球ファン、捕手の笠井達弥君が所属していた市内の野球チームの小学生親子らも来訪し、優勝メンバーに熱き声援や拍手を送っていました。
「選手への負担が最小限となるよう、報道側も配慮してほしい」(塾高関係者)との声も上がるなど、全国的な「慶應優勝」ブームともいえる報道が過熱しているかのようにも映ります。
しかし地元・日吉近郊では、「優勝の日には住まいの綱島から日吉に出向いた。セールをたくさん行っていて、選手たちの活躍や街の盛り上がりに感動した」(10代・40代女性)との声や、「自発的に選手が考え、野球を知的に楽しむ姿に共感を持った。祝杯をあげることで、日吉での旧友との再会につながり、感謝している」(70代男性)といった、あたたかな激励の声が大多数となっています。
チームをけん引した福井直睦(なおとき)君や、親子二代での甲子園優勝の夢を果たした清原勝児君など、地元・慶應普通部(日吉本町1)の出身者や、丸田君をはじめとした市内出身の部員の姿もあり、これからも「地域ぐるみ」の熱き声援で、チーム全体はもちろん、日吉近郊や港北区・横浜市、そして神奈川県全体での地域スポーツを盛り上げていくことが肝要といえそうです。
秋の大会開催は今週末、国体は鹿児島で
「夏の甲子園」でも活躍しその存在感を発揮した大村昊澄(そらと)君から、新たに加藤右悟(ゆうご)君に主将(キャプテン)の大役が引き継がれ、エースの小宅(おやけ)雅己君、鈴木佳門(かもん)君ら2年生以下による新体制で、今週末9月9日(土)から開幕となる「秋季神奈川大会」(10月1日に決勝戦を予定)に臨みます。
秋季(関東)大会での戦績は、来春(2024年3月)に行われる第96回選抜大会(春のセンバツ甲子園)の選考につながるだけに、新チームの活躍にも大きな声援が送られることになりそうです。
また、来月10月8日(日)から4日間行われる予定の鹿児島国体でも、慶應塾高が出場する8校に選ばれており、甲子園出場選手たちの再びの登場にも注目が集まりそうです。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
【関連記事】
・【告知記事】9月1日(金)に横浜市役所で慶應塾高の優勝セレモニー、県庁前で大会報告も(2023年8月30日)
・<夏の甲子園>慶應塾高が「日本一」の夢実現、日吉駅や商店街で喜び広がる(2023年8月23日)
【参考リンク】
・2023年9月1日(金)14時15分~45分「慶應義塾高等学校『第105回全国高等学校野球選手権記念大会』優勝セレモニー開催」(横浜市にぎわいスポーツ文化局)
・2023年9月1日(金)16時30分~17時「夏の覇者!慶應義塾高等学校野球部が県庁に凱旋~神奈川県特別表彰・神奈川県議会議長表彰を贈呈」(神奈川県教育委員会)