全国放送のケーブルテレビ番組で、かつて日本有数の桃の産地だった“綱島の桃”の歴史、その謎に迫ります。
横浜ミストリー「綱島桃物語〜日月桃（じつげつとう）の奇跡」が全国のケーブルテレビで（2023年）5月中放送されている（YOUテレビの同番組サイトで公開されているYouTube動画より）
横浜市鶴見区に本社を置くケーブルテレビ局「YOUテレビ」（YOUテレビ株式会社）は、歴史番組『横浜ミストリー』の今年（2023年）5月放映分として、「綱島桃物語〜日月桃（じつげつとう）の奇跡」を制作。
港北区の鶴見川北西エリアをカバーするケーブルテレビ局「イッツコム」では、毎週月曜日の15時からと、火曜日と木曜日の20時30分から約28分間放送しています。
また港北区の鶴見川より南東側をエリアとする「YOUテレビ」では、毎日11時、14時、19時30分、22時からの4回放映。
綱島で唯一の桃農家として知られる池谷家（綱島東1）で栽培されている品種・日月桃（じつげつとう）にまつわる“ミステリー”を展開（港北ふるさとテレビ局提供）
横浜市旭区や泉区、保土ケ谷区や西区など相鉄沿線を中心に事業を展開する「YCV横浜ケーブルテレビジョン」（横浜ケーブルビジョン株式会社、保土ケ谷区神戸町）でも、金曜日の19時から放送される予定となっています。
今回放映されている「綱島桃物語」は、港北区の歴史伝える番組を多く手掛ける「港北ふるさとテレビ局」が制作。
昨年（2022年）6月には、同局が綱島温泉にまつわる歴史を伝える作品「綱島温泉物語〜石碑が教えてくれたこと」を同局オリジナルの番組からリメイクし制作、全国放映していました。
「綱島の桃」をアピールする1935（昭和10）年制作のポスター（池谷家所蔵、港北ふるさとテレビ局提供）
今回の番組は、昨年6月から撮影をスタート、約10カ月超の制作期間を経てのクランクアップになったといい、明治30年代からの桃栽培の歴史を継ぎ、現在、綱島で唯一の桃農家として知られる池谷家（綱島東1）で栽培されている品種・日月桃（じつげつとう）にまつわる“ミステリー”を、その復活の歴史にフォーカスし、そのゆかりの場所でのロケを実施してきました。
1907（明治40）年に、同家の故・池谷道太郎（いけのやみちたろう）氏が栽培に成功させたことで知られる品種・日月桃が、綱島や日吉近郊にも広がり、昭和の初期、岡山を抜いて神奈川県が日本一の桃の生産地となったといいます。
しかし、戦前の二度の鶴見川の水害や、戦後の温泉や宅地などの開発もあり、綱島の桃農家は1965（昭和40）年頃には、この池谷家一軒に。昭和40年代に一度絶滅してしまいましたが、平成になってから奇跡の復活を遂げた“綱島の桃”。
高層ビルの完成も近づく東急新横浜線「新綱島駅」の再開発エリアの隣接地に桃畑が広がっている（2023年3月14日）
その歴史の原点を振り返り、さらにその復活の立役者とされてきた15代当主の故・池谷光朗（みつろう）さんの「古い日記」が新たに発見されたことで、その「真実」が番組内で明かされていくという展開に仕上げられています。
番組の制作を行った港北ふるさとテレビ局の伊藤幸晴さんは、「昨年の『綱島温泉物語』に続き、綱島の歴史を知って、皆さんが住み、通う港北区周辺の歴史を再発見いただき、この地域をさらに好きになってくれたら嬉しいです」と、多く人々に作品を見てもらいたいとの想いを語ります。
2003（平成15）年に放映をスタートした『横浜ミストリー』は、JCOM（ジェイコム、東京都千代田区）などケーブルテレビのネットワークを通じて日本全国の約70局でも放送されており、“綱島の桃”の歴史を映像を通じ後世に伝えるという役割においても貴重な「歴史ドキュメンタリー」作品となりそうです。
（※）この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞～しんよこ新聞」の共通記事です
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・4年ぶり「綱島桃まつり」は3月12日（日）、5月放映“テレビ番組”も制作中（2023年3月7日）
・＜ST線フォーラムレポ3＞四度目の節目を迎えた綱島の未来像～綱島・池谷さん（2022年8月24日）※「綱島の桃」の歴史についてなど
【参考リンク】
・横浜ミストリー番組サイト（YOUテレビ）
・「横浜ミストリー」番組概要（イッツコム）※ 放送時間も掲載
・YCVチャンネル（横浜ケーブルビジョン）※ 各番組の放送時間を紹介
