<センバツ甲子園>慶應塾高で壮行会、“日吉協育モデル”で高校野球に新しい風を | 横浜日吉新聞

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春・甲子園で、「日吉協育モデル」を掲げる慶應塾高らしい、高校野球の“新しい風”を吹かせる決意で試合に臨みます。

入場行進でも掲げる「選抜旗」が慶應塾高に到着。毎日新聞社横浜支局の田中支局長から阿久澤校長に手渡された(2月24日)

入場行進でも掲げる「選抜旗」が慶應塾高に到着。毎日新聞社横浜支局の田中支局長から阿久澤校長に手渡された(2月24日)

来月(2023年)3月18日(土)から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる「第95回記念選抜高等学校野球大会(センバツ大会)」(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に、5年ぶり10回目の出場を果たすことが決まった慶應義塾高校(慶應塾高=日吉4)。

先週(2023年)2月24日(金)16時から17時まで、同校内「日吉協育棟ホール」で、「選抜旗受領式・壮行会」が行われました。

阿久澤校長から主将の大村君へ。大村君は笑顔に

阿久澤校長から主将の大村君へ。大村君は笑顔に

出場校ごとに異なるという、慶應義塾らしい三色旗の中央に大きなペンマークを配したデザインの「選抜旗」は、大会の入場行進する際に使用されるといいます。

「選抜旗」は、毎日新聞社横浜支局田中成之(しげゆき)支局長から一旦、阿久澤(あくざわ)武史校長に授与。

その場で振り返り、主将大村昊澄(そらと)君も手渡されると、会場が大きな拍手で包まれていました。

日吉商店街の役員らも招かれ行われた「壮行会」では田中支局長がまずはあいさつ

日吉商店街の役員らも招かれ行われた「壮行会」では田中支局長がまずはあいさつ

毎日新聞の田中支局長は、「今回のセンバツはマスクをつけた上での声出しの応援が可能となります。選手の皆さんにとってもスタンドの数千人の声援は嬉しいことなのでは。“歌詞の特徴が、学業を極めて世の中を良くしていくんだ”という静かなメッセージが込められた(と早稲田大学在学時に聞いた)慶應の塾歌を(1回戦、2回戦と勝ち続けていく度に)6回ぜひ聞かせてもらえれば」と部員たちを激励。

阿久澤校長は野球部オリジナルのマスクを手に「付けたら(部長を務めた)アメリカンフットボール部員たちから怒られてしまうかな」とユーモアを交え笑顔で語る

阿久澤校長は野球部オリジナルのマスクを手に「付けたら(部長を務めた)アメリカンフットボール部員たちから怒られてしまうかな」とユーモアを交え笑顔で語る

阿久澤校長は、「選抜旗の重さは、名誉と責任の重さ。身が引き締まる思い。地元の皆様に応援してもらえる学校、そしてチームでありたいと思っています」と、来場した日吉商店街の会長らや地域の人々への感謝を語ります。

また、塾高の日吉協育モデルとして「正統と異端(イノベーション)」を目指していることに触れ、「“協育”とは、多くの人々のご協力によって将来のリーダーを育てること。きょう、センバツ大会出場にあたって実にあたたかいお言葉を頂戴し、たくさんのご支援をいただいている。これもまた“協育”、塾高ならでは」と、日吉らしい教育モデルを実践していることについても言及します。

森林監督は「日吉に帰ってくるときにまた別の旗(優勝旗)をもって帰りたい」と優勝を目指す思いを熱く語っていた

森林監督は「日吉に帰ってくるときにまた別の旗(優勝旗)をもって帰りたい」と優勝を目指す思いを熱く語っていた

さらに、「慶應義塾の野球は日本におけるベースボールの起源の一つ」として、スポ―ツならではの楽しさを大切にしていたことから生まれた「エンジョイ・ベースボール」

「どうか、夢の舞台で、堂々と君たちの野球を見せてください」と語り、塾高らしさ、また創設者の福澤諭吉が語る「全社会の先導者」になること、また自身20年間務めたアメリカンフットボール部での指導や偉人の名言にも触れ「君たちは必ず陸の王者、チャンピオンになれる」と、力強い言葉で部員たちを激励していました。

主将の大村君は「高校野球の先導者」として新しい常識をプレーを通じて創りたいとの思いを語っていた

主将の大村君は「高校野球の先導者」として新しい常識をプレーを通じて創りたいとの思いを語っていた

森林貴彦監督は、「高校野球という世界の中では慶應義塾は“異端”という扱いを受けることがある」と語ります。

「髪の毛のこと、チームの運営の仕方、考え方、取り組みなど、今までの“ザ・高校野球”の世界では異端かもしれないが、歴史というのはほとんどが異端者が作ってきたもの。後に主流となってきた堂々と異端と呼ばれながら後の主流となるよう、この道を堂々と進みたい」と語ります。

應援指導部員も登場しチームを激励

應援指導部員も登場しチームを激励

また、「ここに旗(選抜旗)が1本あるのですが、1カ月後、日吉に帰ってくるときにまた別の旗(優勝旗)をもって帰ってこれるようにみんなで頑張ってきたいと思う。応援、ご支援よろしくお願いいたします」との決意を語っていました。

また、主将の大村君は、「僕たちがやりたいのは、慶應義塾の目的である『全社会の先導者』すなわち『高校野球の先導者』として、高校野球の新しい常識を作り、いままで当たり前だったと思われてきたことを自分たちの野球、自分たちのプレーする姿で、新しいものに変えていきたい」と語ります。

吹奏楽部員たちも力強い演奏で場を盛り上げていた

吹奏楽部員たちも力強い演奏で場を盛り上げていた

「数年後先、何十年かたった後にあの時の慶應義塾が高校野球を変えたよねと思われるような、そんな大会にしたい」と、高校野球の新しい歴史を創る覚悟で大会に臨んでいるとのこと。

「今年から声出し応援がOKになるということなので、皆さんで甲子園の舞台で塾歌を歌えるように選手一同全力でたたかっていくので、応援よろしくお願いします」との呼び掛けも行っていました。

最後に應援(応援)指導部による「若き血」の斉唱、また吹奏楽部の渾身(こんしん)の演奏も披露され、来場者の大きな拍手で会場が盛り上がり、「壮行会」らしい激励のひとときを鮮やかに締め括(くく)っていました。

日吉駅前に激励「横断幕」も、組み合わせ抽選会は3月10日

塾高野球部、應援指導部、そして吹奏楽部が一丸となって「センバツ甲子園」に臨む

塾高野球部、應援指導部、そして吹奏楽部が一丸となって「センバツ甲子園」に臨む

塾高が甲子園出場を決めた後、日吉商店街はこれを盛り上げるため、日吉中央通り(日吉本町1)のアーケードに「優勝目指して頑張れ」と書かれた横断幕をすでに設置しています。

この日の壮行会には、日吉駅前の5つの通り会(浜銀通り会、メイルロード商店会、サンロード商店会、日吉中央通り会、普通部通り会)の会長・副会長らが出席し、熱いまなざしと拍手による激励を行っていました。

横断幕の設置にも尽力した日吉中央通り会内田敏夫会長(美容室ACTグループ代表)は、「素晴らしいシーンを見させてもらいました。校長、監督、そして大村主将の言葉も胸に響きました。大会では勝利をつかんでほしい」と語ります。

日吉駅前に掲げられた「祝・甲子園出場」の横断幕(2月8日)

日吉駅前に掲げられた「祝・甲子園出場」の横断幕(2月8日)

いよいよ開幕が迫るセンバツ大会。組み合わせ抽選会は3月10日(金)9時から大阪で行われ、大会日程は同18日(土)から31日(金)に予定される決勝戦までの14日間(雨天の場合は順延)実施される予定です。

トーナメント戦の「激戦」により甲子園出場をつかむ夏の甲子園大会より長い期間、開会を待つ日々となるだけに、大会出場の喜びと感動を地域ぐるみで分かち合える日々となりそうです。

【関連記事】

センバツ甲子園は3月18日(土)開幕、慶應塾高が横浜市長に「活躍誓う」(2023年3月10日)※リンク追記

<慶應塾高>5年ぶり「春のセンバツ甲子園」、日吉から“新しい野球”で全国優勝目指す(2023年1月28日)

慶應高校「日吉協育モデル」でイノベーション教育、3/13(日)に世界的イベントも(2016年1月15日)

【参考リンク】

慶應義塾高校野球部公式サイト

第95回記念選抜高等学校野球大会出場決定!(同)

開設70年事業について~「日吉協育モデル-正統と異端イノベーションの協育」の構築と実践(開設70周年事業特設サイト)


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