<慶應塾高>5年ぶり「春のセンバツ甲子園」、日吉から“新しい野球”で全国優勝目指す | 横浜日吉新聞

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夢の大舞台・春の甲子園「出場」決定――慶應塾高らしい野球の新しい魅力や楽しさを“伝える「エンジョイ・ベースボール」の理念で、日本一を目指します。

夢の舞台「春の甲子園」での優勝目指してハイ・ジャンプ~出場“切符”を受け取った慶應義塾高校(塾高)野球部のみなさん(1月27日)

夢の舞台「春の甲子園」での優勝目指してハイ・ジャンプ~出場“切符”を受け取った慶應義塾高校(塾高)野球部のみなさん(1月27日)

昨年(2022年)10月の「秋の関東大会」でベスト4の成績を残していた慶應義塾高校(慶應塾高=日吉4)は、再来月(2023年)の3月18日(土)から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われる第95回記念センバツ大会への出場が決定。

1929(昭和4)年に前身の慶應義塾商工高校(東京都)として初出場して以降、2018(平成30)年の第90回大会に出場以来、5年ぶり10回目の出場を果たすことになりました。

慶應塾高開設70年事業で2018年に竣工した「日吉協育棟ホール」に部員たちが集まった

慶應塾高開設70年事業で2018年に竣工した「日吉協育棟ホール」に部員たちが集まった

きのう(2023年)1月27日(金)に大阪市内で開かれた「選考委員会」の結果は、これまでの慣例だったという「電話」での連絡ではなく、インターネット中継で全国に公開する方法に変更。

そのため、野球部員70人や教職員、学校関係者など100人超が同校内の日吉協育棟ホールに集まった後、インターネットの画面上から出場決定を告げられる瞬間を分かちあいました。

インターネット上で公開されている「生中継」番組内で“春の甲子園”出場の吉報が伝えられた

インターネット上で公開されている「生中継」番組内で“春の甲子園”出場の吉報が伝えられた

選考理由もあわせて公表され、「(秋の関東大会の)準々決勝で埼玉1位の昌平高校に打ち勝つなど“ムラのない強力打線”でベスト4に勝ち上がった。準決勝では、準優勝した専大松戸高校(千葉1位)に一度は逆転し、延長までもつれる接戦を演じた」との評価で、関東地区(5校)から4校目の出場校となったものです。

「慶応」と書かれた校名札が掲げられ、大きな拍手と同時に約30社70人超のマスコミからの撮影フラッシュも

中継の画面上には「慶応」と書かれた校名札が掲げられ、大きな拍手と同時に約30社70人超のマスコミからの撮影フラッシュも

出場決定を受け、阿久澤(あくざわ)武史校長は、「諸君、センバツ甲子園大会への出場が決まりました。おめでとう。夢の舞台で、慶應の野球を存分に見せてください」と野球部員を激励。

阿久澤校長が「盛り上がりましょう、もう一度」と“おめでとう”の言葉を部員たちに二度伝えていた

阿久澤校長が「盛り上がりましょう、もう一度」と“おめでとう”の言葉を部員たちに二度伝えていた

“盛り上がりましょう”と励ます阿久澤校長に対し、主将の大村昊澄(そらと)君は「日頃から野球部への応援ありがとうございます。今回のセンバツ大会では必ず日本一を達成して、日頃の恩返しをしたいと思うので、応援よろしくお願いします」との決意、そして感謝の想いで応えていました。

主将の大村君が「必ず日本一に」との決意で激励に応えていた

主将の大村君が「必ず日本一に」との決意で激励に応えていた

握手と「腕タッチ」で笑顔に

握手と「腕タッチ」で笑顔に

目標は「日本一」、夢の舞台で“新しい高校野球”をアピール

和やかな記念撮影の時間も

和やかな記念撮影の時間も

一人ひとり・全員が「ヒーロー」

一人ひとり・全員が「ヒーロー」

今回の出場が決定したことについて、大村君は「95回という記念すべき大会に選出していただいてありがとうございます。日本一をとって新しい形、新しい常識をつくっていくという目標をもって日々練習しています。新しい高校野球の姿であったり慶應の野球を甲子園の舞台で表現し、多くの人々や子どもたちにも野球というスポーツの楽しさや“新しい魅力”を伝えることができれば」と、旧来からの“古さ=マイナス面”といった側面も持つ高校野球界の“変革”をおこないっていきたいという、チームとしての決意を明かします。

“囲み取材”に答える大村君

“囲み取材”に答える大村君

目標は「日本一」。慶應普通部(日吉本町1)から塾高へ、そして大学時代も慶應義塾に通った森林貴彦監督は、「地域の皆様に“ありがとう”や“おめでとう”という言葉を言ってもらえることが、私たちがやってきたことの“証(あかし)”になると思う。生き生きとしたプレーをお見せし、感謝を伝える機会を持つことができれば」と、自身も提唱する「エンジョイ・ベースボール」を大舞台で体現すること、またその理念を伝えていきたいと意気込みます。

記者会見では笑顔も

記者会見では笑顔も

自身も元部員・卒業生としてチームを支える赤松衡樹(ひろき)野球部長・教諭は、「70人の部員数という大所帯。まとまるのはとても難しいテーマであるが、ミーティングなどでも、下級生も含めた皆んなが意見を言いあい、チームを作っていくということを大切にしています。甲子園という大舞台でチームが結束していくことはとても大切なこと。部員一人ひとりが“3年間野球をやっていてよかった”と思える取り組みをおこなっていきたい」と、“チームの結束”により、夢の舞台での勝利をつかみ、その歩みを有意義なものにしたいという決意を語ります。

「慶應らしさ」にこだわったスピーチが随所にみられた

「慶應らしさ」にこだわったスピーチが随所にみられた

阿久澤校長は、「幸いなことに甲子園出場のノウハウがあるので、それを参考にしながら、慶應義塾の卒業生のネットワーク、高校の同窓会の強力なサポートもあり、また慶應には『社中』と呼ぶ各学校や組織のつながりもある。慶應義塾伝統の応援を満員のアルプススタンドでお見せすることができれば」と、“慶應”全体で甲子園出場を盛り上げていくこと、そして声援やサポートをおこなっていくことを誓っていました。

森林監督を囲んで。小宅君、丸田君、大村君、清原君、松井君(左より)

森林監督を囲んで。小宅君、丸田君、大村君、清原君、松井君(左より)

最後に、大村君のほか、三塁手で上位打線での活躍やムードメーカーとしての役割も期待されているという清原勝児君、1番バッターとして「長打を打ちチームを引っ張りたい」と意気込む丸田湊斗君、秋の大会での好投が目立った新2年生の投手・小宅(おやけ)雅己君、最後のセンバツに挑む投手の松井喜一君がそれぞれインタビューと監督も交えた記念撮影に応じ、「甲子園での勝利」に向けた決意をみなぎらせていました。

「チーム全体で」優勝を目指す

「チーム全体で」優勝を目指す

第95回記念センバツ大会は全国36校が出場し、3月10日(金)に毎日新聞大阪本社で「組み合わせ抽選会」が行われた後、3月18日(土)から31日(金)までの14日間にわたって阪神甲子園球場で開かれます。

「神奈川県」唯一の代表としてセンバツへ走り出す

「神奈川県」唯一の代表としてセンバツへ走り出す

【関連記事】

センバツ甲子園は3月18日(土)開幕、慶應塾高が横浜市長に「活躍誓う」(2023年3月10日)※リンク追記

<センバツ甲子園>慶應塾高で壮行会、“日吉協育モデル”で高校野球に新しい風を(2023年2月28日)※リンク追記

<慶應塾高>関東大会で準決勝進出、2023年「春のセンバツ」出場が有力に(2022年10月26日)

【参考リンク】

慶應義塾高校野球部のサイト(チーム紹介や戦績など)

慶應義塾高等学校 2023年第95回記念選抜高等学校野球大会への出場決定(慶應義塾のプレスリリース)

慶應義塾高校の戦績一覧(バーチャル高校野球)

第95回記念選抜高等学校野球大会(公益財団法人日本高等学校野球連盟)※ 夏の選手権大会は18回出場している

特集 第95回センバツ高校野球(毎日新聞、2023年3月18日から14日間)


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