慶應義塾大学日吉キャンパスの入口真正面に「建築計画のお知らせ」と題した白い工事告知看板が現れたのはご存知でしょうか。これは、同キャンパス内に校舎を置く慶應義塾高校(塾高)が新校舎を建設することを知らせるものです。
日吉キャンパスを代表する歴史的建築物の第一校舎を使ってきた塾高ですが、2018年に開設70年を迎えることを機に、「日吉協育モデル」と名付けた新たな教育プログラムを築き、それを実践するために校舎の新設や改修など段階的に行っていく計画だといいます。
1948(昭和23)年に東京都内の麻布で「慶應義塾第一高等学校・第二高等学校」の名で発足した塾高は、翌1949(昭和24)年に日吉キャンパスの第一校舎がアメリカ軍から返還されたのを機に日吉へ移り、現在にいたっています。どうしても1万人以上の学生が所属する大学の存在が目立つ日吉キャンパスですが、塾高も2100名以上の生徒が通う大規模な男子高として知られています。
今も変わらずに伝統の第一校舎を使い続ける塾高ですが、グローバルリーダーを育てる目的の教育プログラム「日吉協育モデル」を実践する拠点として、新たに日吉キャンパス内に「協学舎(仮称)」の建設を決定。塾高としては初めてOBなどから募金を募り、2014年から2017年までの3年間で15億円を集める計画です。
新校舎の計画地は、第一校舎の裏手にあたる位置で、現在は売店やクラブの部室などが置かれている場所です。ここに、図書館を中心として、交流スペースや370人収容のホール、トレーニングルームなどを含んだ5階建ての校舎を建設するといいます。
工事看板によると、今年(2016年)10月から売店や部室などの現在施設の解体工事に入り、12月から建設工事に着手。約1年半後の2018年6月に完成を予定しています。新校舎の建設後には、1963(昭和38)年建設の体育館「日吉会堂」の建て替えや塾高施設の改修も検討されています。
日吉では、相模鉄道と東急線の相互乗り入れにともなう新路線の開業を2019年春に控え、街の風景が大きく変化するなか、日吉の街とともに歩んできた塾高もまた、大きな変化を遂げそうです。
【関連記事】
・慶應高校「日吉協育モデル」でイノベーション教育、3/13(日)に世界的イベントも(2016年1月15日)
【参考リンク】
・新校舎のイメージなど(事業の進捗状況)