日吉下田の「こども食堂」にピカチュウ登場、ポケモン財団と横浜市の連携で | 横浜日吉新聞

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日吉下田「こども食堂」ピカチュウが登場、横浜市長も来訪し、子どもたちを励ます“日々の取り組み”を熱く激励します。

横浜日吉「下田地域ケアプラザ」にポケモンがやってきた!クリスマスの季節らしいサンタ衣装の「ピカチュウ」と記念撮影をおこなう「下田ほっと食堂」の参加者と山中市長(12月12日)

横浜日吉「下田地域ケアプラザ」にポケモンがやってきた!クリスマスの季節らしいサンタ衣装の「ピカチュウ」と記念撮影をおこなう「下田ほっと食堂」の参加者と山中市長(12月12日)

地域で子育て支援をおこなうメンバーが2020年2月に設立した地域ボランティア団体「下田子育て応援会」は、今週(2022年)12月12日(月)午後から夕刻にかけて、こども食堂「下田ほっと食堂」を横浜市下田地域ケアプラザ(下田町4)で開催。

近隣の横浜市立下田小学校(下田町4)や市立日吉台西中学校(日吉本町5)の在学児童とその家族の希望者のうち抽選で選ばれた約80人(食事は後半の部の参加者約50人)が、この日特別におこなわれた「エコバッグ」制作のワークショップピカチュウとの写真撮影、ハンバーグを中心とした食事メニューを楽しみました。

ワークショップも実施で、「いつもの」下田地域ケアプラザがにぎやかに

ワークショップも実施で、「いつもの」下田地域ケアプラザがにぎやかに

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、約2年間にわたり「食堂」としての活動をおこなうことができずにいましたが、「その間も、食材配布やワークショップ、スタンプラリーなどのイベント開催を通じた、子どもたちの “地域コミュニティ”づくりに尽力。

ようやく2年後の今年4月から事実上の「食堂」事業をスタート。以降、8月を除き月1回ペースで「こども食堂」の運営をおこなってきました。

同会立ち上げ時の横浜日吉ロータリークラブの現金10万円の寄贈や、民間企業の基金や助成金、赤い羽根共同募金などを財源とする社会福祉協議会の「港北区ふれあい助成金」などを財源としながら、会場を提供する下田地域ケアプラザの協力もあり、200円で食べられるカレーライスを中心としたメニューを提供してきました。

全国初の「協定締結」で日吉下田を訪問

山中市長が調理場を激励。「下田子育て応援会」副代表の岩城直子さん、運営委員の滝口和子さんから「煮込みハンバーグ」を受け取っていた

山中市長が調理場を激励。「下田子育て応援会」副代表の岩城直子さん、運営委員の滝口和子さんから「煮込みハンバーグ」を受け取っていた

一方、横浜市では、2014(平成26) 年にみなとみらいエリアでの大型イベント「ピカチュウ大量発生チュウ」の開催や、2019年にはアジア初の開催となったという「ポケモンGOフェスタ」を山下公園や臨港パークなど“市の中心部”で開催。

市が2022年から2025年までの「中期計画」の中で基本戦略として定めると公表した「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」の実現に向け、社会貢献活動をおこなう一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団(東京都港区、石原恒和代表理事)と、全国の自治体としては初めて協定を締結し連携することを、先月11月10日に発表していました。

横浜市の本多由紀子シティプロモーション推進室長も同席し試食。参加者との語らいの際には笑顔も

横浜市の本多由紀子シティプロモーション推進室長も同席し試食。参加者との語らいの際には笑顔も

2011(同23)年3月の東日本大震災の直後、株式会社ポケモン(東京都港区)社員の有志が活動を開始したことが「原点」だという同財団ですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた「こども食堂」を励ます「ポケモンこども食堂応援隊」の活動を昨年2021年5月から開始。

全国のこども食堂への支援をおこなうなか、「下田ほっと食堂」への“ピカチュウ訪問キャラバン”が実現することになったといいます。

市内73カ所(港北区内は13カ所)のこども食堂に、文房具やペーパークラフトなどのグッズを提供、それらのグッズを用いて食事前後の学びや遊びの時間を楽しく過ごしてもらい、こども食堂が「身近で安心して過ごせる場所」であるという“世間認知の拡大と定着” を図るとしています。

山中市長も来訪・試食し「こども食堂」を応援

下田町在住のボランティアも「ポケモン」エプロンを着用し、市長を出迎えていた

下田町在住のボランティアも「ポケモン」エプロンを着用し、市長を出迎えていた

今回開催された、「下田ほっと食堂」では、「予算が取れたので、11月と同様に、初めてとなるハンバーグをメニューに採用しました」と同子育て応援会の近藤信武代表

参加費は1食300円。地元在住者から寄贈されたというブロッコリーや野菜がたっぷり入ったというソースを添えての「煮込みハンバーグ」メニューを提供、この日会場を訪れた山中竹春市長もメニューを試食し、参加した家族や運営サイドへのヒアリングをおこなうなど、参加者一人ひとりを激励しているかのようでした。

告知プリントの印刷・配布で運営の協力をおこなってきた下田小学校の宮本仁志校長、児童支援専任の荒木貴浩教諭も試食し笑顔を浮かべていた

告知プリントの印刷・配布で運営の協力をおこなってきた下田小学校の宮本仁志校長、児童支援専任の荒木貴浩教諭も試食し笑顔を浮かべていた

今回、山中市長が「カジュアル」な装いで登場したこともあり、「自然に」馴染んでいるかの光景が広がっていましたが、その周囲では、テレビ局や大手新聞社など全国系メディアも取材を実施。

会場の入り口には、ポケモンたちが描かれた「ポケモンわくわくワークショップ」の装飾や、記念撮影用のパネル、“子どもサイズ”のポケモンの人形なども設置し、いつもの「こども食堂」を華やかなイベント空間として彩っていました。

行政の支援強化や、食材提供など“機運醸成”も課題に

ワークショップに「黙々と」取り組む子どもたちと山中市長

ワークショップに「黙々と」取り組む子どもたちと山中市長

この日来場した市こども青少年局地域子育て支援課廣瀬綾子課長(前港北区学校連携・こども担当課長)によると、「グッズ提供をおこなう市内のこども食堂は市内73カ所のみですが、実は全体では172カ所となっています」と、新型コロナウイルス禍により、その活動が休止状態になっている「こども食堂」も多い実情を明かします。

そのため、同課では、今年度(2022年度)から、「横浜市子どもの居場所づくり推進事業」をスタートし、「こども食堂」や学習支援の場といった「こどもの居場所」の設置支援をおこなっているといいます。

ポケモン・ウィズ・ユー財団の高橋達郎さんも、今回横浜市との協定締結についてなど笑顔でインタビューに答えていた

ポケモン・ウィズ・ユー財団の高橋達郎さんも、今回横浜市との協定締結についてなど笑顔でインタビューに答えていた

世界的な社会情勢の不安定さに起因する燃料費の高騰や物価高により「こども食堂」の運営もより難しい局面を迎えるなか、「現在、通常の開催では、25人から30人程度で募集していますが、コロナ禍が落ち着けば、40人くらいまで増やしていきたい」と同応援会の近藤代表。

「募集人数が増やせれば、下田町内の保育園や幼稚園にも、ポスターを配布していきたいと思っています」と、これまで以上の“地域貢献”をおこなっていきたいと意気込みます。

メニューの工夫、その充実も、地域からの「支援」があっての計画・実施となることもあり、行政も含めた「こども食堂」への応援体制の強化、また周辺住民からの食材提供などの機運を高めていくこともより大切になるといえそうです。

「下田子育て応援会」代表の近藤さん。日々これからも子どもたちへの支援をおこなっていく

「下田子育て応援会」代表の近藤さん。日々これからも子どもたちへの支援をおこなっていく

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【参考リンク】

全国初!ポケモン・ウィズ・ユー財団と横浜市が連携し、次世代育成を推進します(横浜市記者発表資料)

横浜市と連携協定を締結しました(一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団)

下田地域ケアプラザ公式サイト(横浜共生会)


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