新施設のオープン相次ぐ新綱島の街を、駅前の古民家が「鯉のぼり」で彩ります。
東急新横浜線・新綱島駅に近い綱島東1丁目の古民家で歴史的建造物の「池谷(いけのや)家住宅」では、今年(2024年)のゴールデンウイーク(GW)期間を過ぎた頃まで(予定)、恒例となった「鯉のぼり」の掲出を行っています。
悪天候(雨天など)や強風時を除き、朝の9時から17時ころまで、長さ10メートル級だという吹き流しやまごい(真鯉)、ひごい(緋鯉)など5匹を披露しています。
さおは半世紀以上前に都筑区から贈られたものを使用。鯉のぼりはその後購入された「2代目」となっており、一旦、掲出は中断されていたといいますが、新型コロナ禍中の2021年4月から15年ぶりに再開、以降、この時期に毎年行っています。
同家の周辺では、至近の新綱島駅周辺で行われている再開発ビル「新綱島スクエア」が昨年(2023年)12月に新たにオープン。
今年3月には「新水ビル」や新綱島スクエア内「港北区民文化センター『ミズキーホール』」、4月末までに商業施設「Pit Terrace(ピットテラス)新綱島」もオープンするなど、続々と新施設や店舗が誕生しています。
1月24日には、横浜市都市整備局が「池谷家住宅主屋(おもや)」(綱島東1)を、市内で102件目、港北区内では4件目となる「横浜市認定歴史的建造物」として新たに認定しています。
同家の16代当主・池谷道義さんは、新綱島駅周辺の新たな街づくりが進んできたことについて、「各ビルの完成や商業施設のオープンにより、人の流れが変わってきたと感じています」と、桃づくり農家として知られる同家の向かいに新たに完成したピットテラスや、食品スーパー「OONOYA(大野屋)新綱島店」のオープンに立ち会い、笑顔でその進展を喜びます。
特に、多くの人々に親しみやすさと賑わいを提供しているイメージが強い綱島駅西口とは異なる雰囲気を創出してきたといい、「綱島東口の街づくりを検討する会で『(仮称)綱島東口街並みデザインガイドライン』を策定したのですが、その中に『すっきり・ほっこり・さんぽまち』という街づくりのコンセプトを掲げています」と池谷さん。
「すっきり」は、「朝早くから活動する健康的な街」、「住む街」、「すっきりとした印象の街」との文言をまずは掲げています。
また「ほっこり」は、「安心・安全な街」、「居心地の良い街」、「温かい(おもてなしの)心」、「季節や時間を感じられる街」、そして「語り継ぎたい綱島の歴史性」といったキーワードを選んでいるとのこと。
さらに「さんぽまち」については、「広場」や「緑」、「散歩したくなるような街」、そして「“綱島”にちなんでか家族と手を繋(つな)いで…」といったキーワード、さらに「この街を起点に、綱島全体に散歩のイメージを…」との言葉を定めたといいます。
まだ工事などが行われ、「道半ば」の新綱島駅周辺の再開発ですが、「新たな来街者や住民の皆様にも、『街の価値』を見出してもらえるような新しい街を作っていくことができれば」との思いを熱く語ります。
周辺工事の影響もあり、普段は立ち入ることができなくなっている古民家への出入口も、「鯉のぼり」を掲げる時間帯には開放しているとのこと。
「主屋(おもや)の前庭にて鯉のぼりを揚げています。古民家の大屋根をバックに悠々と泳ぐ姿はとても勇壮です。日月桃(じつげつとう)石碑(日月桃はかつての綱島名産の桃の品種)の前まではお入りいただけますので、お散歩がてらにぜひお立ち寄りください」と、池谷さんは、街のコンセプトとして定めた「さんぽまち」へのぶらり来訪を呼び掛けています。
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【参考リンク】
・池谷桃園のサイト ※池谷家は明治時代からの歴史を継ぐ桃農家として知られている
・綱島東1丁目「南綱島村名主池谷家住宅」の場所(Googleマップ)※Pit Terrace(ピットテラス)新綱島向かいの道路(歩道)側に入口がある