なぜ「松の川緑道」はいつもきれいなのか、日吉の小学生が校外授業で清掃活動 | 横浜日吉新聞

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あの「緑道」はなぜいつもきれいなのか――日吉の小学生が、地域に飛び出す「リアル」な体験学習を行いました。

「松の川遊歩道(緑道)の会」の田邊代表(右)の説明を聞く小学生、引率の三木教諭(左手前)

「松の川遊歩道(緑道)の会」の田邊代表(右)の説明を聞く小学生、引率の三木教諭(左手前)

横浜市立日吉台小学校(日吉本町1)は、小学校4年生の「総合的な学習の時間」で、“地域を知る”授業を実施、先月(2021年)2月24日の午前、ボランティア団体5人と合流しての清掃活動を、7人の児童が行いました。

このボランティア団体は、日吉駅側の日吉本町エリアから下田町、高田エリアに、約2.1キロメートルにかけて伸びる「松の川遊歩道」(通称「松の川緑道」)の保全活動を行う「松の川遊歩道(緑道)の会」

かつて流れていた「松の川」が埋め立てられ、整備されたこの「松の川緑道」には、今でも所々の湧き水があり、多くの植物や昆虫が生息する、日吉の貴重な「自然体験スポット」としても知られています。

「松の川緑道」内に掲示された活動案内と、ビブスを纏(まと)い活動するメンバー

「松の川緑道」内に掲示された活動案内と、ビブスを纏(まと)い活動するメンバー

「緑道」を整備する際の工事説明会で「自然を残した緑道を要望した甲斐がありました」と語る同会の田邊美紗代代表ら、同会のメンバーにより、ポイ捨てされたゴミを拾う、草花を守り整備するといった取り組みが継続して行われてきました。

街を知るための授業の一環で、田邊代表や、日吉の丘公園(箕輪町3)の美化を行っている公園愛護会の代表者らを同小学校に招へいしたことが、子どもたちの関心に「灯をともした」と、同校の玉置恭美校長は、今回の授業で清掃活動に至った経緯を説明します。

桜の木の下にもゴミが捨てられていることから「花の下にゴミを捨てたらダメだ」と子どもたちもつぶやいていた

桜の木の下にもゴミが捨てられていることから「花の下にゴミを捨てたらダメだ」と子どもたちもつぶやいていた

今回はグループに分かれて、同緑道や日吉の丘公園を訪れたといい、同会が4つのブロックに分かれて毎週行っているという清掃活動を手伝うことが実現。

慶應義塾大学ラグビー場から野球場付近(下田町1)までの森の中の小径(こみち)を歩き、清掃活動を行いながら、「先生、これ何の花」との質問を投げかけたり、「こんな小さくても頑張って咲いているね」との気付きを得たりするなど、楽しみながらの清掃活動を行っているかのよう。

引率した同校の三木一将(かずゆき)教諭は、「自分たちの手で日吉の町をきれいにしていく」という気持ちと、今後の日吉を担う人材としての「自分たちの責任を果たしたい」という想いを育(はぐく)んで欲しいと感じたといいます。

玉置校長も応援に駆け付け、トングを手に清掃活動を行う同会メンバーや子どもたちを励ましながら、清掃活動の成果を共有。

玉置校長も来訪し、子どもたちを激励していた

玉置校長も来訪し、子どもたちを激励していた

児童らは、今回の清掃活動を通じ、「いつも松の川緑道がきれいなのはなぜだろうと感じていた」「松の川遊歩道をあまり知らなかったので、これを機に知りたいと思った」などと話し、清掃後には、同会のメンバーらのおかげでいつも緑道がきれいに保たれているということについての感謝の気持ちを述べていました。

大人が、つい「捨ててしまう」ゴミの一つでも、それは「誰かが拾う」までは、いつまでもまちの景観を壊し、さらには自然をも痛めつけてしまうもの。

子どもたちの「校外学習」は、日吉の未来を担うことにつながる新しい地域での「出会い」や、その場所に生き活動を行うボランティアの日々の想いといった大切な「学びの成果」を与えたといえそうです。

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【参考リンク】

横浜市立日吉台小学校のサイト

みんなのたから松の川緑道(松の川遊歩道(緑道)の会~下田町自治会サイト)

松の川遊歩道(緑道)の会(下田町自治会サイト)


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