コロナに負けない「美容院」応援アイデアは?日吉の小学校が店舗を訪問 | 横浜日吉新聞

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日吉の小学生が、“コロナ禍”で打撃を受ける街の「美容院」を応援します。

日吉台小学校の3年生が日吉の「美容室ACT(アクト)」と「ACT ZIP(アクトジップ)」を授業の一環で訪れた(2月16日)

日吉台小学校の3年生が日吉の「美容室ACT(アクト)」と「ACT ZIP(アクトジップ)」を授業の一環で訪れた(2月16日)

日吉駅にも近い横浜市立日吉台小学校(日吉本町1、玉置恭美校長)は、「総合的な学習の時間」において、今月(2021年)2月16日午前、日吉駅前の重田ビルにある美容室ACT group(アクトグループ=ACTグループ)の2店舗(日吉本町1、有限会社ACT経営)を、3年生1クラス33人の児童が訪問。

「新型コロナ禍」で大きな打撃を受けている商店街の店舗をどのように盛り上げていくかという課題の調査や取材、インタビューなどを、杉山敦子教諭の引率のもと行いました。

児童らが訪問したのは、同ビル4階にある「美容室ACT(アクト)」と、3階にある若い年代層を主な客層とした「ACT ZIP(アクトジップ)」の2店舗。

同クラスでは、昨年(2020年)12月に、同じ日吉駅西口の商店街に位置する飲食店「遊ZENたつ吉」(日吉本町1)を訪れ、コロナ禍の影響を大きく受ける飲食店の支援についての企画を打ち立て、ポスターやチラシなどの作成を行っていました。

「美容室ACT店長」の川村さん(左)、創業時から同店で勤務するスタイリストの高瀬さんを子どもたちが激励

「美容室ACT店長」の川村さん(左)、創業時から同店で勤務するスタイリストの高瀬さんを子どもたちが激励

本来ならば休業日だった両店舗ですが、「地域の子どもたちが応援してくれるのであればと対応させていただきました」と、美容室ACT店長の川村幸緒(さちお)さん、創業時から同店で勤務するスタイリストの高瀬千夏子(ちかこ)さん

ACT ZIPでは、店長の平安座育海(へいあんざいくみ)さんスタイリストの渡邉涼香(りょうか)さんが、当日モデルの撮影を行うなか子どもたちに対応。

美容院を初めて訪れたという児童も少なくなかったという(美容室ACT)

美容院を初めて訪れたという児童も少なくなかったという(美容室ACT)

2グループに別れそれぞれの店舗を訪問した児童らは、「営業時間は何時ですか」、「料金はいくらかかるのですか」といったお店の基本的な情報や、「人気の髪型はどんな髪型なのか」、「店の雰囲気が(両店で)違うのはなぜか」といった、それぞれの店の魅力をより引き出すための質問を行い、回答のメモを取るなどしていました。

今回、美容院を初めて訪れたという児童も少なくなく、機材などにも興味津々な様子で、なかでもシャンプー台は人気で順番に体験も実施。

初めてのシャンプー台に取材を忘れて体験する子どもたち(美容室ACT)

初めてのシャンプー台に取材を忘れて体験する子どもたち(美容室ACT)

チームごとに使用可能な計6台の学校のタブレット端末を手に、決められた枚数内に収まるようにと、デジタル時代に生まれた子どもたちらしく、構図などにも工夫を凝らしながらの写真撮影を行っていました。

小学生が同店に来ることは多くないという美容室ACTでは、「子どもたちの来店は新鮮で、楽しい時間を過ごすことができました」と川村さん、高瀬さんも、児童らの来店を喜びます。

若い年代層向けの美容室「ACT ZIP」では、店長の平安座さんとスタイリストの渡邉さんが子どもたちの質問に答えていた

若い年代層向けの美容室「ACT ZIP」では、店長の平安座さんとスタイリストの渡邉さんが子どもたちの質問に答えていた

同クラスでは、両店を応援するためのポスターとチラシを、春休み前までに作成する予定となっており、「どんなポスターやチラシが出来るのか楽しみ。おそらく気持ちのこもった、子どもたちらしい作品が完成するはずと期待しています」と平安座さん、渡邉さんも、児童からの“打倒コロナ”の提案を楽しみにしたいとの想いを語ります。

特に、新型コロナウイルス感染が拡大し緊急事態宣言が発出された昨年4月と5月は、両店舗の売上はほぼ半減という状況だったといい、「今回の緊急事態宣言により1月以降の売上も2割減少するなど、厳しい状況が続いています」と、同グループ代表の内田敏夫さんは、コロナ禍での打撃を大きく受ける両店の現在の経営状況についても説明します。

撮影で訪れていたモデルのとのへアカットの実践も(ACT ZIP)

撮影で訪れていたモデルのとのへアカットの実践も(ACT ZIP)

それでも、「感染症対策に徹底的に力を入れてきました」(内田さん)ことも功を奏したのか、昨年6月以降は来店が復調したことも、両店を経営する上での大きな自信につながっているとのこと。

「これからも、より一層の感染症対策に力を入れていきたいと思っています。これまで職業体験などで数名ずつの来店は受け入れていましたが、ここまで多くの小学生に来店いただいたのは初めてなので、本当にうれしい」と、内田さんは、同小学校の取り組みに心から感謝し、さらなる来店も呼び掛けます。

構図を決めて真剣に撮影中(ACT ZIP)

構図を決めて真剣に撮影中(ACT ZIP)

児童らの訪問、ポスターやチラシの作成を通じ、新しく生まれた「コロナ禍に負けない」地元商店街と学校との交流

今年4月以降は、1人1台のタブレット端末が配布される横浜市の「GIGA(ギガ)スクール構想」が本格スタートすることになっており、学校でのIT化の進展と、より「リアル」な学習の融合が、これからも広く注目を集めていきそうです。

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【参考リンク】

日吉台小学校×ACT(日吉 美容室 ACT(アクト)のサイト)

横浜市立日吉台小学校公式サイト

つなぎ塾トーク<第4回:子育て支援・教育現場のみなさん>(港北つなぎ塾2020年度~港北区役所・一般社団法人地域インターネット新聞社)※日吉台小学校の玉置恭美校長がコロナ禍における同校の取り組みやGIGAスクール構想についても詳しく言及している


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