北綱島交差点近くの箕輪町2丁目にある「ドン・キホーテ日吉店」が今月(2021年)3月28日(日)で閉店することを発表し、今月1日から閉店セールを始めています。運営会社の株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、東京都目黒区)によると、営業戦略上の理由から撤退を決めたものだといいます。
ドン・キホーテ日吉店は、旧家電量販店「コジマ日吉店」(2013年6月閉店)だった4階建ての建物を使い、2013(平成25)年10月4日に開店。「半径5キロまでの足元商圏を中心に、ファミリー層からシニア層まで幅広い年齢層のお客さまにご満足いただける店舗」(当時の広報資料)を目指すとしていました。
日吉駅からは徒歩約13分と距離があるものの、北綱島交差点に近く、綱島街道沿いに位置することから、建物の1階部分と隣接地の第2駐車場を含め計166台分の駐車場を確保。
売場面積は2850平方メートルで、2階に食品・衣類・家庭雑貨など、3階には家電や玩具といった幅広い商品を取り扱っているのが特徴です。
ドン・キホーテチェーンでは、売場面積が3000平方メートルを超えると大型店の「MEGA(メガ)ドン・キホーテ」という名称を付けており、日吉店の売場面積は“MEGA”に近い規模といえそう。
また、オープン当初は10時から翌朝5時まで、現在も9時から翌3時まで長時間にわたって営業しており、深夜帯の貴重な買物スポットとなっています。
運営会社のPPIHによると、今回の閉店は営業戦略上から判断したもので、「店舗の個別事情は明かしていない」(広報担当)。閉店後の跡地については、建物や土地を借りている立場にあるため分からないとしています。
今回の閉店について港北区内の流通業関係者は、「2018年春には近くでアピタテラス横浜綱島がオープンしたものの、客層が異なるためドン・キホーテ日吉店の売上は決して悪いように思えないし、店舗の活気も失われていない」と指摘します。
一方、日吉在住の流通ジャーナリストとして知られる渡辺広明さんは、「駅から徒歩10分以上と少し遠く、駐車場の拡張も難しい立地にある。現状からプラスアルファの売上を見込めないことが閉店の理由なのかもしれない」との見方を示しました。
地元の箕輪町で町内会の会長をつとめる小島清さんは、ドン・キホーテ日吉店が深夜帯に営業を行うことから、オープン時には町内会と日吉台中学校(日吉本町4)のPTAと共同で中学生の“たまり場”とならないよう配慮を要請したことがあったといい、「実際には中学生が集まるようなこともなく、そんな心配はなかった」と振り返り、「圧倒的に価格の安い店だったので閉店は非常に残念」と話します。
ドン・キホーテ日吉店によると、現時点で品薄となっている商品類については、最終営業日の3月28日(日)までに補充を行うかどうかは未定で、最終日の閉店時間もまだ決めていないとのこと。
同店の場所ではかつてボウリング場が営まれ、大手企業の体育館などが建設・使用された後、2002年に家電量販店が進出した歴史があり、今後も何らかの形で土地活用が行われる可能性が高そうです。
(※)本記事は複数の読者の方から情報提供をいただきました。ありがとうございます
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・<ドンキ日吉店跡>土地管理者が家電量販店「エディオン」設置を市に届出(2021年9月3日)※リンク追記
・ついにアピタは「ドンキ」子会社に、両社店舗が近接する日吉・綱島での思いと行方(2018年10月15日、両店の並存は叶わなかった)
・「ドンキ日吉店」が精肉の取り扱い開始、至近のアピタテラス開店に“対抗”?(2018年3月2日、食料品の取り扱い拡充も行っていた)
【参考リンク】
・MEGAドン・キホーテ新横浜店の案内ページ(閉店後のサポート店舗として案内している)