トレッサ横浜と樽町が“防災”でつながる、災害時「応援協定」がスタート | 横浜日吉新聞

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トレッサと樽町が「防災」への想いひとつにつながります。

晴れ渡る晩秋の晴天の日に、トレッサ横浜と樽町連合町内会との災害時「応援協定」が締結された(11月16日10時ころ)

晴れ渡る晩秋の晴天の日に、トレッサ横浜と樽町連合町内会との災害時「応援協定」が締結された(11月16日10時ころ)

今週(2020年)11月16日(月)午前、師岡町の大型商業施設「トレッサ横浜」(株式会社トヨタオートモールクリエイト、本社:愛知県名古屋市)は、隣接する樽町連合町内会「災害時応援協力に関する覚書」を締結。

港北消防署(大豆戸町)の立ち合いによる締結式をトレッサ内で行い、災害発生時の連携をスタートすることになりました。

接触なしの「グータッチ」で、これからの防災への想いを共有するトレッサ横浜の三浦プレジデント、樽町連合町内会の小泉会長、港北消防署の吉田署長(左より)

接触なしの「グータッチ」で、これからの防災への想いを共有するトレッサ横浜の三浦プレジデント、樽町連合町内会の小泉会長、港北消防署の吉田署長(左より)

この協定は、トレッサと樽町周辺地域において災害が発生した場合、「地域における共助」の観点から、お互いの応援協力を行うことにより、被害の軽減をはかることを目的としたもの。

平常時から連絡を密にし、合同での防災訓練の実施や定期的な意見交換を行い、大災害の発生時など「いざ」という時に備えるものです。

もし樽町エリアで災害が発生し、連合町内会長より要請があった場合は、避難者の一時的な避難場所の提供避難者の介助などを、トレッサが「可能な範囲」で行うとしています。

トレッサ横浜の会議室で締結式が行われた。締結への想いを語る小泉会長

トレッサ横浜の会議室で締結式が行われた。締結への想いを語る小泉会長

また災害の発生時には、両者が連絡を取り合い、可能な範囲で「相互の応援協力」を行うことも確認していました。

これに備えて、防災訓練を、最低でも年に1度は合同で実施し、応援協力の内容確認を行う、緊急の連絡網を作成するといった内容も盛り込んでいます。

トレッサでは、2011(平成23)年3月に東日本大震災の発生があったことから、同年9月に、所在エリアの師岡地区連合町内会(金子清行会長)との「応援協定」を、大型商業施設と地域との横浜市内初の連携協定として締結。

樽町連合町内会の嶋村公副会長、中島輝明会計担当、綱島消防出張所の豊田耕作所長、トレッサ横浜サポートセンター丸山秀樹所長らが立ち会う中、港北消防署の吉野賢二予防係長が協定を読み上げた

樽町連合町内会の嶋村公副会長、中島輝明会計担当、綱島消防出張所の豊田耕作所長、トレッサ横浜サポートセンター丸山秀樹所長らが立ち会う中、港北消防署の吉野賢二予防係長が協定を読み上げた

その後も、2014(平成26)年9月に、隣接する鶴見区に位置する駒岡地区連合会寺尾地区自治連合会と「応援協定」を結び、毎年春と秋には、それぞれの連合町内会とともに防災訓練を実施(2020年度は関係者のみでの縮小開催)してきました。

今年度(2020年度)から樽町連合町内会長に就任したばかりの小泉亨さんは、「連合町内会長として就任し、一番大切だと思っているのが『防災に関する準備』。例えば、日頃行う行事やイベントも、『人をつなぐ』ことで顔見知りになり、つながりができる。それが災害時の助け合いにつながるのです」と、日頃から人と人とがつながること、いざという災害発生時に備えることの大切さを訴えます。

「災害時応援協力に関する覚書」に、トレッサ横浜、樽町連合町内会、そして港北消防署が署名押印

「災害時応援協力に関する覚書」に、トレッサ横浜、樽町連合町内会、そして港北消防署が署名押印

「一番の行きつけのお店」となることを目指しているというトレッサの三浦久プレジデントは、「すでに応援協定を締結した3つの自治会・町内会の皆様には、“お客様役”として防災訓練に参加してもらい、訓練の後の振り返りの場では、大変厳しくもあたたかなご指摘をいただいて、それを我々が改善に役立てています」と、地域との日頃からの連携体制の強化、またともに防災対策を行うことの大切さを感じていると語ります。

港北消防署の吉田崇(たかし)署長は、「2013年の師岡の締結時も、当時の消防署長が立ち合いをしました。近い将来発生が危惧される大型地震、そして近年大型化する台風や風水害市街地での延焼火災など、大規模な災害発生時にはまずは自分自身で身を守る『自助』、そして地域の皆様が相互に助け合う風潮が大切でありまた必要であると感じています」と、過去の災害を見ても、災害発生直後には「共助」を行うことが命を守ることにつながり重要であると説明。

樽町周辺エリアの防災対策に力を入れていきたい」と小泉会長

樽町周辺エリアの防災対策に力を入れていきたい」と小泉会長

1995(平成7)年に発生した阪神淡路大震災の際には、地震により倒れた建物から助けられた人々の約8割が近所や家族の方々からの助けだったこと、2011年の東日本大震災発生時については、地域コミュニティがあることで避難を行ったり、避難所の運営を行う場面も多くみられたことについて言及。

地域における命を守る取り組み、災害に強い街づくりが一層進むことを心から期待したい」と、これからの両者の連携強化への期待感を示します。

これでトレッサは、隣接する4つの連合町内会との災害発生時の連携協定を締結したことになり、「(トレッサの)四方全ての連合町内会の皆様と協定を結ぶことができました。これからはより具体的にどういうことができるかといったことをしっかり検討していきたい」と、三浦プレジデントも、これからの未来の災害発生時に地域とともに備える大切さ、具体的な対策の立案検討に向けての決意を表明していました。

防災マップやハザードマップの仕様が区により異なり、統一されておらず、「どれを見て良いのか迷ってしまう」とも小泉会長は感じているという

防災マップやハザードマップの仕様が区により異なり、統一されておらず、「どれを見て良いのか迷ってしまう」とも小泉会長は感じているという

樽町連合町内会は、今年4月に新設された「師岡トレッサ学童クラブ」の運営にも、委員メンバーとして参画していることから、トレッサと樽町の連携が強化することになりそうです。

また、港北区内外における商業施設と地元町内会との連携の先行事例としても、まだ見ぬ大災害に立ち向かう地域エリアの防災力強化の一事例としても大きな注目を集めそうです。

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トレッサでXmasイルミ点灯、グリッツ選手やチア、プロスケーターの来場も(2020年11月4日)※トレッサ横浜は横浜グリッツを協賛企業として支援している

【参考リンク】

つなぎ塾トーク<第1回:樽町のみなさん>~コロナ禍で変化が迫られた地域活動の現状とは(横浜市港北区・地域インターネット新聞社)※協定の締結について小泉会長が予告していた

思いあいのまち樽町(樽町連合町内会)

トレッサ横浜公式サイト

地元小学生も参加し、トレッサ横浜防災訓練はより本格的な訓練へ(株式会社トヨタオートモールクリエイト・valuepress~プレスリリース)※2016年10月、菊名小学校の4年生1クラス30名にも初めて「お客様役」として訓練に参加したとのこと


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